南国の遊び部屋

鹿児島の祭りや観光地についてゆるーく報告してますが、最近オタッキーな記事が大半だったりします。
遊び部屋ですから(笑)

上之坊の十五夜

2009-10-05 | 鹿児島の祭り・観光地
国の重要無形民俗文化財に指定されている「南薩摩の十五夜行事」のひとつである「火点ぼし(ひとぼし)」は南さつま市坊津町(ぼうのつちょう)坊 上之坊(かみのぼう)集落で行われています。
数十年昔は旧暦8月7日から「茅引き」が始まり、「火点ぼし」をする場合は「晩茅引き」、「火点ぼし」をしない場合は「昼茅引き」と呼んでいたようです。
山野から運んできた「茅」から綱引きの綱を練ります。
青年団が存在した頃は、十五夜の全ての作業を9歳から20~21歳までの男子が作業(女子は綱引にだけ参加することができます)していたとのことですが、地元のおばあちゃんのお話で「今は上之坊に小学生の男の子は2人しかいないから、「茅引き」は大人がしているのよ。」とのことでした。
現在、「火点ぼし」は十三夜だけ行われているようで、2009年は10月1日に行われたと思います。

2009年10月3日の十五夜の日、上之坊(かみのぼう)集落へ見物に行ってきました。

国道226号線に坊トンネルがあり、中之坊と上之坊の両集落を分けています。中之坊集落では、一般的な観月会をされていました。坊トンネルの枕崎市側が上之坊で、トンネルを出てすぐの海側に集落があります。

きれいな満月です

18時半ころ到着しました。
提灯が一つ掲げられていました

集落が全体的になだらかな坂になっています。
坂の上の方から見ていますが、道路右に公民館があり、大綱が置いてありました。

綱の上で元気よく遊ぶ子供達

蕊笠(しべがさ)(白い花笠)をかぶった二才組(笠かぶりとも言います)です。
本来は15~25歳の青少年の役だそうです。
「昔は数十人いたのよ」とおばあちゃん達が言っていました。

3列に並び、口説き歌を歌いながら踊ります

子供達が数メートル前(坂の上側)で待機しています。
二才組の出方をうかがっています。

二才組が走り出しました!

ダッシュで坂を上っています

二才組の子供組への走り込み(追いかけっこ)は10~20メートルほどでしょうか。
綱引きの前に10回は繰り返していました(もっとだったかも)


上之坊の十五夜 ・口説き歌動画

(拡張子「.3gp」ファイル)
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綱引きが始まりました。

蕊笠(しべがさ)をかぶった二才組と集落民を含めた子供組(現在は子供より大人が多いです)が坂道の上下に分かれて引き合います。

集落民組が人数が多いのですが、坂を上る方に引かなければならず、逆に二才組は人数が少なくても坂の下り方へ引くので有利だとのことです。


上之坊の十五夜 ・綱引き動画




勝ったり負けたりを繰り返しながら、綱引きを10~20回は行っていたような・・・よく体力がもつなあと感心しました。
最後は二才組が勝利の形で終わり、坂の下側へ綱を全部引いていきました。

「また、走るんですか!?」

綱引きの途中、子供側の綱の端を切り取り、子供たちがそれを隠し、二才組が探しに行きます。

二才組が探した綱を引きずってくるように持ってきて公民館庭に持ち込みます。

これを何回か繰り返した後、切れ端を1本にしてお月様を作り、全行事が終了するそうです(以前は12時までかかったりもあったそうです!)が、翌日子供の運動会があり、加治木に帰らねばならないので途中までの見物となりました。

青年団の崩壊で昭和39年に一度中断したことがあったそうです。
たった1回の中断で手順など忘れられ、復活の年の苦労は並大抵ではなかったとのこと。それ以来、毎年途切れなく十五夜行事を続けられておられます。



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