南国の遊び部屋

鹿児島の祭りや観光地についてゆるーく報告してますが、最近オタッキーな記事が大半だったりします。
遊び部屋ですから(笑)

泊十五夜踊り

2009-10-03 | 鹿児島の祭り・観光地
2009年の旧盆8月15日である10月3日(土)、国の重要無形民俗文化財に指定されている「南薩摩の十五夜行事」の見物で、南さつま市坊津へ向かいました。
午後3時から泊地区ではお宮参り行列や十五夜踊りがあるとのことで、加治木町から1時間40~50分ほどかけて行きました。

 
坊津は薩摩半島南端にあり、深く入り込んだリアス式海岸、海外貿易の歴史で有名な港町で「日本三大津」の一つです

泊地区にいく途中、269号線沿いの茅野集落の多目的集会施設で「ツナネリ(綱練り)」が行われていました。

大人の方が多数いらっしゃいました


置いてある草の束はおそらく茅です。山から大きな茅束(番ガヤ)を切り出し運んできて(カヤビキ)、綱の材料となります。


泊浦に着きました。

公民館はどこかと探すと十五夜行事関連らしきものを見つけました。
これは綱引きの綱が国道226号線をまたいでアーチ上に掛けられているものです。
泊地区では十五夜前日にツナネリ(綱ない)が行われるとのこと。
小さめの道路ですが226号線という枕崎市につながる道でバスも通ります。
泊地区集会施設(公民館)があり、ここから九玉神社へお宮参りが始まります。
15時15分ころ到着しましたが、15時に出発した後でした。

地元の方に道を教えていただき九玉神社に到着しました。泊トンネルの手前海側にあります。

神事が行われていました。

神社は港のすぐ近くです。航海安全の神である猿田彦大神が祀られているとのことです。

少女・若い女性を中心とした十五夜踊りが始まりました。

三味線・太鼓・歌に合わせて踊ります

ボンボンじゃないですよ。シベ(和紙でつくられた神主さんが良く使うあれ)です。まず、しべ踊りがあり、「そんが節」で入場し、次に「志布志千軒」が奉納されました。


泊十五夜踊り動画

(拡張子「.3gp」ファイル)
パソコンでブログ上の動画を再生する際、Adobe Flash Playerが必要です.



扇子に替えて(扇子踊り)「おそめ」と「春がきた」が奉納されました。

着物に白鉢巻をつけた女の子達。小さい頃から代々受け継がれてきたのでしょう

青少年達はこのとき見学のみ・女の子だけの踊りです(笑)

輪になって踊ります。

手踊りの曲名は「潮来出島」?忘れてしまいました。退場の扇子踊りも入れて6曲ほどあり20~30分は踊っていたでしょうか
それにしても着物姿・きれいでした

九玉神社には谷崎潤一郎文学碑があります。

「台所太平記」が発表されたのは、昭和37年(1962年)のことで、谷崎潤一郎が亡くなったのは、その3年後の昭和40年(1965年)で七十九歳。この碑が建立されたのは谷崎潤一郎没後3年の昭和43年(1968年)のことだそうです。
昭和11年に谷崎家で「初」という泊出身の娘が女中として雇われたのを始めとして、泊生れの女性たちが芋蔓式に頼って来たことや、訳のわからない鹿児島弁を使いまくっていることなどをモデルにした小説とのこと。
映画や劇のタイトルにもなっているようです。

女の子による十五夜踊りが終わり、やっと青少年達の出番になりました(笑)
男児は鉢巻をし、シベ傘を被ります。

前もって奉納していた柱「帆柱」を担ぎます。今年の担ぎ手は誰々ですというアナウンスがありました。名誉な事なのでしょう

神社から公民館へ戻ります。

泊の十五夜唄「すじまわりの唄」を歌いながら歩きます

「ヨオーイ ヨオーイ ヨォイヤナッ! ハーレヤナッ! ヤーァトォ~コセ~♪」このさびの部分は分かりました。


すじまわりの唄・帆柱担ぎ動画





沿道で見送るおばあちゃん達。神社への道を親切に教えてくださったり、お世話になりました。本当にありがとうございました。

もうすぐ公民館に到着です


綱引きの綱がアーチ上に掛けられています

次男と私も一緒に歩かせていただきました。
公民館には綱が置かれていました。
4時前に一時解散となり、午後6時に集合とのことでした。
男子は夕方6.30からのすじまわり開始。女子は7時~7時30分頃から浴衣で十五夜踊りを始めます。

226号線を枕崎市方面に進んだ九玉神社の近くに泊トンネルという短いトンネルがあります。泊十五夜踊りの絵があります。

泊トンネルの枕崎側には「唐カラ船まつり(からからふねまつり)」という、坊津泊集落に残る端午の節句の行事(紙カブトに浴衣姿の男の子たちが、昔の交易船をかたどった唐カラ船を引っぱり、無病息災を祈願する伝統のお祭り)の絵がありました。
やはり公民館から九玉神社までパレードがあるようです。

枕崎市側から見た九玉神社。
海に近い点など、沖縄那覇市の「波の上神宮」を思い出しました。




午後7時~7時30分頃から公民館前で十五夜踊りが始まります

女子は浴衣に着替えています

そこへ「すじまわり」(子供たちにより十五夜を告げる役)の男児たちが登場

踊りの輪の中に突っ込む「オドリコワシ」です。
昔の男女が触れあう機会の名残だとのこと。

石油缶を叩きながら、「すじまわりの唄」を歌いつつ、また集落をまわりに行きました。


オドリコワシ動画




何事もなかったかのように踊り続ける女の子達。
踊り場が226号道路にもかかるため、時々車が通り、さすがにその時は踊りを中断して避けます(笑)

私の次男(6歳)もすっかりカメラ小僧に(笑)


私は翌日、子供の運動会で、加治木町まで距離もあることですし、ここで見物を終了しましたが、十五夜踊りの後は通りを飾っていた綱を外し綱引きを行います。
集落の真中から九玉神社側と寺「本珠院」側に別れ、男対女や大人対子供等に分かれて行うようです。
綱引き終了後は綱の先端を切って、川に投げ込むとのことです。

公民館と226号線の道路をはさんで泊川があります。すぐ海につながる河口です。
ここに綱をを投げ込むのでしょう
綱引き後からの行為は「綱引きずり」と言われます。



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