鍼灸あん摩の明鏡止水庵

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「9割が間違っているたんぱく質の摂り方」を読んで

2024年03月28日 | 日記
「9割が間違っているたんぱく質の摂り方」金津里佳著・青春新書

 この本の主張を一言で言えば「小麦を加工した食品と乳製品は腸の状態を悪くするので食べるな。肉・魚など動物性たんぱく質をもっと沢山食べよう。糖質は控えよう。」ということだ。著者は最新の栄養学をよく学び、自らも実践して、この本を書いているので、内容には説得力があると思います。
 「リーキーガット(Leaky Gut)症候群」というのを聞いたことがあるでしょうか?直訳すれば「漏れている腸」、小腸の上皮粘膜が炎症により粗い網目のように緩んでしまっている状態を意味します。肉を食べてお腹が緩くなる人、肉があまり食べられなくなってきた人、よくおならが出るとか、お腹の状態が思わしくない人は、このリーキーガットになっていて、たんぱく質がしっかり吸収できない状態になっている可能性が高いということです。なんとなく調子がよくない、意欲が湧かない、気分が憂鬱、といった不定愁訴も、小腸がリーキーガットになっていて、たんぱく質をしっかり吸収できていないのが、原因の1つである可能性があるとのこと。
 そしてこのリーキーガットを引き起こす大きな要因になっている食べ物が、小麦に含まれるグルテンと、牛乳に含まれるカゼインというたんぱく質だというのです。どちらもヒトの消化酵素では分解しにくい構造をしていて、未消化のまま小腸内に入ってきて、身体はそれを異物と捉え排除しようと攻撃をはじめ、その攻撃によって炎症が起き、腸粘膜はどんどん緩んでいってしまうとのこと。腸粘膜が緩んでしまうと、外部の毒やウイルスなども、体内に取り込まれやすくなり(免疫力の低下)、またアレルギーが起こりやすく、満腹感を感じるためのホルモンの分泌が悪くなり、食欲の暴走を招きやすいとのこと。そして無性に甘い物が食べたくなるそうです。
 もしお腹の不調や様々な原因不明の不調があるなら、小麦加工食品(パン、麺類など)、乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズなど)を、「2週間完全に断つ」ことが重要だと言ってます。それによって、リーキーガットだった腸粘膜はかなり修復され、緩んでしまっていた網目がタイトになってくるそうです。小麦や乳製品を食べたいという気持ちは、ある種中毒的なところもあるそうで、2週間完全に断つと、その欲求もかなり薄れてくるとのこと。

●糖質に関して
 私たちの食欲は血糖値と密接な関係があり、血糖値が下がると「何か食べろ!」という指令が脳から出ます。血糖値は糖質を摂ると簡単に上がるので、私たちはお腹が空くと、ついパンや甘い物に手が伸びてしまいます。砂糖や人工甘味料が多く含まれた甘い物は、血糖値を急激に上げることになり、その後膵臓からインスリンが大量に放出されて、血糖値は急激に下がります。するとまた甘い物を欲しくなるという、糖質過多のスパイラルに陥り易くなり、肥満や糖尿病、自律神経が不安定、逆流性食道炎などの原因にもなるとのこと。

●玄米について
 玄米は食物繊維が多くビタミンも豊富で、私も特に便秘気味の人には勧めてきました。しかしながら、1日3食玄米にすると、はじめのうちは便通がよくなるが、そのまま続けていると、玄米の外皮に含まれるフィチン酸が、鉄や亜鉛といったミネラルを吸着して外に排出してしまい、かえって貧血になるそうです。どうも3食玄米にはしないほうが良さそうです。ただ便秘気味の人には、便通が改善するまで、玄米を頻繁に摂るのはよいと思います。

以上
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