鍼灸あん摩の明鏡止水庵

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「まんが脱ステロイド入門」を読む

2022年05月12日 | 日記
「まんが脱ステロイド入門」(作:ぬまじりよしみ/監修:佐藤健二/2022年2月発行)
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アトピー性皮膚炎の標準治療であるステロイド軟膏を長期で塗り続けることは、副作用が強く良くない、慢性アトピー患者は「脱ステ」をするべきという方針で治療している病院があるという。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医である佐藤健二氏が、阪南中央病院で、「脱ステ」治療をしているというのは、初めて知りました。皮膚科専門医が「ステロイドはよくない」と脱ステを推進しているのが画期的だ。今まで、慢性アトピー患者は、ステロイドを永く使うことで、その副作用に悩まされながら、いつまで経っても治らない、むしろ増悪していく症状に悩まされてきました。ステロイドは体に良くない、ということを体感としては分かっていながら、医者がとにかく勧めるもんだから、仕方なく、ダラダラと塗り続けるしかありませんでした。医者に強い不信感を持った者は、病院を離れて、民間療法に手を出すことになりますが、これも当たりはずれがあります。この本では、佐藤医師の指導の下、脱ステに果敢に挑戦された患者さん達のその格闘を描いてます。

脱ステは現代の生き地獄の1つと言えると思います。全身の皮膚がゾンビのようになりながら、その痒みを抑えてくれるステロイドを使わず、一日一日、そして痒くてなかなか眠れない一晩・一晩をやり過ごすことは、ほんと地獄です。ステロイドを使わず、なんとかこらえる、というのも相当強い意思がないとできません。しかも医者は「ステロイドが悪いわけではない、ステロイドを上手に使うことが、アトピーを治す唯一の方法だ。」と言うもんですから、なおさらです。このような状況は30年以上も前から今まで、まったく変わっておりません。脱ステを推進している皮膚科専門医がいる、というだけで、アトピー慢性患者にとっては、大きな一筋の光明と言えるでしょう。

この本を発行した動機を、佐藤医師は序文に次のように記しています。
「皮膚科学会は製薬企業の後ろ盾を得て、アトピー性皮膚炎へのステロイド外用の必要性を、色々なメディアを通じて宣伝しております。これに対応するには、脱ステロイドについての、分かりやすく、かつ内容の濃い出版物が必要です。」
全ての薬がそうですが、医学的なエビデンスも金しだい、といった状況にあることを、一般の人は心得るべきだと、私は思います。

私は24歳位の頃、「もうステロイドは絶対に塗らない。」と心に誓い、2年後幸運にも天然の鉱泉水を使った民間療法の治療に巡り合うことができて、脱ステに成功し、アトピーを完治することができました。
詳しくは、以前書いたブログをご参照ください。
「アトピー性皮膚炎を私はいかにして克服したか?」
この民間療法の先生(長谷川幸宏先生)は、残念ながら2009年に亡くなられて、その治療は途絶えてしまいました。

この民間療法なき後、脱ステをするなら、強酸性の温泉での湯治治療が一番いいかなあ、と私は思います。
関東では那須湯本温泉のお湯が素晴らしいです。ただ脱ステを指導してくれる温泉場など、ほとんどないでしょうから、ノウハウもなく、患者一人で脱ステをするのは、なかなか難しいとも思います。
阪南中央病院では、佐藤医師の指導のもと脱ステができ、仲間もいるから、やりやすいと言えるでしょう。
ただ「脱湿」と称して、ワセリンなどの保湿も禁止しているのは、ほったらかし度が高く、かなりきつい脱ステじゃないかと思います。
以上
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