遊工房・雑感

日頃のあれこれを綴る日記です

フランドルの諺の絵

2012-10-01 21:27:35 | 絵画

Img080

これはお父さんの方のピーター・ブリューゲルの

ネーデルランドの諺

という絵(クリックで少し大きくなります)

解説をたどって読むと面白い

真ん中の赤い服の若い女は

浮気をしている罪深い女(赤は罪を表すんだって)

青いマントを着せられているのが年老いた夫

昔は青は清らかさのシンボルだったのが

魔法使いが青い霧の中で たぶらかすようになってから

欺瞞のシンボルの色になったそうだ

この部分は

青いマントを被せて ゴマしてだましているという意味の絵

こういう諺の絵が ブリューゲル界隈でいろいろ出てくる

Img078

欺瞞に満ちた世の中だから

私は喪服をまとい喪に服す

という後ろから

巾着切りがこっそり近づいてきて 巾着のひもを切って

盗んでいく

という絵

これは ブルーゲルの絵から取ったもの

子供のほうの

ピーター・ブリューゲルの油絵↓

Img081

図録によると

12枚あるうち 5枚しか残っていないそうで

しかもこのアイディアや構図は

父のものか子のものか不明だとあるが

それが この間のアンソール展にあった

で 版画の図録には

お父さんの絵が載っている

Img079

この絵は 子のピーターが2歳の時の絵だから

それをもとに

上の絵を描いたのだと思うが

背景がそれぞれ違って面白い

このことわざシリーズの中身を読むと

諺 って 民衆の人間観 生きていく知恵みたいなものが

とても うがった見方

騙されない考え方

という風なものが多くて

東洋の諺と味わいが違う

 

キリスト教の絵などでも感じるけれど

そういう風に ものの考え方を共有したり

育んだり という 絵の働きというのがあったのだなあ

と思う

Img_1691326_35483209_2

ああ

これもそういう絵だ

長谷川等伯 猿猴捉月図

でも これは できもしないことを追い求める 愚を諭す絵か

いやいや 夢と理想を追い求めるって

イイじゃない?

と考えるか 中学生はどう考えるだろう

(あ 修学旅行では 見学できないや)

 ということで

アンソールの絵をまた見直してみると

人間を描いた絵って

描いた人の人間観というものが

現れるものだなあ と思い

ワンパターンな美人画がつまらないわけは

そういうことか

 アンソール展 もう一回行くかな

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
絵は分からないのだけれど、こういう絵は面白いで... (hisakoーbaaba)
2012-10-02 11:15:45
温泉再開して良かったですね。
hisakoーbaaba様 (遊工房)
2012-10-02 12:02:29
面白いでしょ?
また記事に載せるわね

内容を言葉に置き換えて楽しめる絵って
いっぱいあるのよ
背後にあるものを調べるとまたまた面白いのよ

温泉は再開したけれど
車が問題なの
あああ

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