こんばんは。
原作本も映画もドラマも見た『永遠の0』
決して戦争賛美者ではありませんし、美化するつもりもありません。
先の大戦は、いえ戦争というものはあらゆる利害関係で始まり、その中にはお金儲け等の汚い欲のために、権力者達が起こした闘いも沢山あります。
人類は存在する限り、争いは絶えず、血は流され続けると歴史を学ぶと思います。
先の大戦に散った英霊方の御霊に日本のために戦ってくださり、ありがとうございましたと御礼を。また、ゆっくりと休まれた後にどうぞあなた方が守った日本に、日本人として生まれて下さい。と願います。
さて、『永遠の0』映画とドラマ、所々違いますね。
スケールの大きさは映画です。お金のかけ方が違います。
主役は映画では 岡田准一さんです。
溢れる情熱を理性で押さえますが、時に出てしまう人間らしい演技で物語を引っ張って行きます。
生きて妻と娘に逢いたい!だから死ねない。だから墜ちるわけにはいかないんだと飛行技術は抜群です。
また、教官になった時も生徒に中々「可」をつけません。
つけたら、すぐに戦闘機乗りとして即戦地送りです。飛行隊を育ててるけど、生徒を死なせたくないと頑なに「可」を出しません。
上司には面白くないどころか祖国の敵かと殴られる始末。
いつかは戦地に飛ぶならば、たとえ機体を撃たれても、どこかに不時着出来るだけの飛行技術を自分にも生徒にもつけさせたいという思いが伝わります。
ドラマは3日連続スペシャルドラマでした。
主役は 向井理さんです。
見た目もスラリとして、岡田さんよりもさらに理知的で冷静な演技でした。
零戦に乗っている時の迫力は岡田さんには敵わない感じでしたね。
ドラマではCGの処理も甘いので、仕方ないと思います。
上司や同期、部下や生徒にも常に敬語を使うのは岡田さんと同じですが、向井さんは感情を余り込めずに淡々と話してました。
傍から見たら、冷静というより感情がないように見えますが、やはり映画と同じく、【妻と娘のために生きて帰る】は変わりません。
一夜だけ休暇が出来て家に帰るのですが、
岡田さんは真っ先に娘にかけより、初めて我が子を腕に抱き、共にお風呂に入ったりと、ずっと戦地にいたのに夫婦の絆、家族の絆を感じて、見ている方は絶対に生きて帰ってこうして暮らして欲しいと願わずにいられません。
向井さんが帰宅した時は、結婚してすぐに戦地に行って、ろくに夫婦として暮らしたことのない男の照れ臭ささ、ぎこちなさを前面に出した演技でした。食事も黙々と食べるだけ。でも、やっと寝る前にこんな物を軍部から支給されましたと外套を妻に見せます。妻は生地の薄さに驚いて、どんな寒地に行っても凍えないよう自分の着物を破き外套の裏地を厚くして、衿にも毛皮をつけようと徹夜する姿に自分への確かな愛を感じて、ここで更に生きて帰ることを改めて誓います。
映画の妻役は 井上真央さん
ドラマの妻役は 多部未華子さん
夫を待ち、子供を守る芯のある女性を個性豊かに演じてます。
物語は終盤に進み、主人公、宮部が特攻隊に志願します。
あれほど生きることを望み、妻と子供と生きることを願っていた男が何故特攻隊に志願したのか…
これが物語を貫く最大の謎であり、主人公の孫が(映:三浦春馬 ド:桐谷健太)が狂言回しとして、その謎を追いながら祖父の死の意味を知ろうと当時宮部と関係のあった人々から話を聞いて行きます。
ですが、映画でもドラマでも原作本でも、これが理由だとはっきりとは断じないまま、宮部はある日特攻隊に選ばれて日本の空から太平洋へと飛び立ちます。
限りなく青い空、青い海、振り返れば懐かしい故郷日本、帰りを信じて待つ家族、恋人…日本の未来。
青年達は何を思い飛んだのか。
残された遺書だけではわからない、心の奥の奥に去来する思いは、何だったのか。
「私は零を作った人を恨みます」
宮部は言いました。世界最高の戦闘機だったが故に、軍部は無茶な作戦による無茶な命令をする。
零戦闘機を作ったのは スタジオジブリ、宮崎駿監督の作品『風立ちぬ』の主人公、堀越二郎です。
ジブリを見た人はわかると思いますが、堀越は殺人兵器を作りたかったわけではありません。爆弾を積むことはわかっていたけど、多分戦争の悲惨さを想像するより、堀越は純粋に飛行機が好きで、より良い飛行機をと願った結果出来たのが最高の零戦闘機でした。
堀越の作った零戦に乗って、宮部は敵空母を目指して飛びます。
高く飛べば標的になる。低く飛べば魚雷に当たるか、翼が波に当たり操縦不能になるかもしれない。
真珠湾攻撃からの戦闘機乗りの宮部の腕と、零の高い機能により、宮部の機体は撃たれて満身創痍になりながらも、墜ちることなくアメリカ空母に突っ込みました。
宮部の最期は…アメリカ兵による最高の敬意を込めた水葬でした。
これは映画でもドラマでも描かれてないシーンです。
撃たれても尚向かって来る戦闘機を恐怖に思ったアメリカ兵ですがその不屈の魂を英雄と讃えて、静かに宮部の身体を海に送ります。
人生の大半、空を飛んでいた男が今、深い深い海へ沈む。
魂は 愛する妻と娘の元に。
宮部が何故、特攻隊に志願したのか理由ははっきりしないまま物語は終わります。読者が考えねばならないことなのかもしれません。
この後も物語は続きますが、私はここで筆をおきます。
ぜひ、一読下さい。
男女により感想も違うと思います。戦争なんてサイテー!馬鹿じゃないの!と思っても間違いではないでしょう。
ですが、日本のために戦った人を罵るのは人としてどうでしょうか?
いろんな書物や手記を読んで下さい。映像も見て下さい。
戦後70年経った今、誰かの意見を真似るのではなく、自分の頭で考えることが大切なのだと思います。
読んでいただきありがとうございます。
百合の花を捧げます…
明日はライブです。行ってきます。二夜連続です😍