暁に咲く幻の花

花が咲くように生きていきたいな。日々のあれこれ、嬉しいこと楽しいこと好きな人のことを、花や自然にことよせて綴ります。

怖くない不思議な話 お迎え様

2016-03-10 08:21:59 | シンガーソングライター
人が亡くなる何日か前から、その人と縁が深い方が一人逝く黄泉路へのお迎えに来ると昔祖母から聞いたことがあります。

「守護霊様じゃないの?」
「守護霊様がその役割を果たす人もいるみたいだけど、守護霊様は亡くなった時に御役目御免だからね。やっぱりご先祖様とか前世で縁が深い方が迎えにくるんじゃないかな」
暑い夏に聞いた話です。
私の頭の中には、まず真っ赤な振袖をきた長い黒髪の美しい少女が浮かび上がりました。
次に浮かんだのは真っ白なレースのドレスを着た何処か愁い顔の妙齢の夫人です。
何故か男性がお迎えさんだとは想像出来ませんでした。

後に読んだ本にはハプスブルク家の方が亡くなる時には、白衣の貴婦人が現れるそうです。
私の想像と似ていると不思議に思いました。

私の祖父の姉が亡くなった時、古い台所で弔問客のためにお茶の用意をしていた時に、台所の前の廊下を目にも鮮やかな赤い振袖をきた少女が音もなく走って行くのを見ました。
「あれ?この家に小さい女の子いたっけ?」と母に聞くと「いないわよ」てさらっと言われ、私は咄嗟に祖母の話を思い出しました。
顔を見なかったので、怖さは全くありませんでした。
お通夜お葬式に似合わない赤い振袖。
ああ、お迎えさんなんだ。と妙に納得し、私のご先祖様でもあるよね、どなただろうと思いました。
その時、少女独特の高い笑い声が聞こえました。
「あなたの時は違う人が来るのよ」
「え?」
空耳にしてははっきりと聞こえて、少し背筋に冷たいものが走りましたが、「違う方が迎えに来るんだ」とほんの少し寂しく思いました。
霊感なんてなく、神様の声は畏れ多くて聞こえなくて良いと思うし、ましてや恨みを残した人の魂は絶対に見たくないと思ってる私が、初めて遭遇したこの世でない方。
いつの時代の方だろう。
わりと古い家系の家なので、興味深々。
ですが、それきり姿も声も聞こえなく、神道なので50日祭も終わりました。
若い頃はまだ乏しいながらもこんな不思議なことがありましたが、子供達を生んだ後は殆ど全くありません。
シャーマン(巫女)は清くないとダメなのかな?
実家は本家なので、本家の長女である母と私は昔で言うと家刀自です。
家なら家、土地なら土地の歴史を知り、家霊と語らい豊穣を祈願する立場なんですね。
私以上にドライな母は今時そんなこと、といった風情だし、私も嫁した身なので弟の長女か長男のお嫁さんが家刀自候補になります。
まぁそこそこの都会なので、代々のことはもう出来ませんが、祖母からは色んな話を聞きたいと思ってます。
やっぱり怖くもない話になりましたね。
わたしにはこの程度です。
ですが先日、『コトリバコ』という都市伝説のような怖い話を読みました。
怖いですね。あの話は。
色んな風習があるんだなぁと思いました。

アナタの命の炎はまだ燃えてますか?

読んでくださりありがとうございます。
では、また。