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【あるがまま】

表現ビトの萬(よろず)徒然日記!
気功にヨーガ。そして芝居。あるものをあるがままに…

【触る声 -人の琴線に触れる声-】

2006-01-28 20:53:10 | ブログ演技レッスン
俳優の声は、よく“透る声”であるべきですが、
加えて“触る声”でもあるべきです。

冨田先生からこんな話を聞いた事があります。
先生は学校の先生に朗読を指導したりもしてたのですが、
その時にある先生から聞いた話だそうです。

その先生は小学校の先生です。女の先生です。
その先生のクラスにある日、転校生がやって来ます。
とても内気な女の子です。なかなか口を効いてくれません。
でもなついてくれているのは判ります。いつもニコニコしてその先生の側から離れません。
ある日遠足に出かけます。丘の上にキレイな花が咲いています。本当にキレイな花です。
そしてなんて事のないただの丘です。ただ・大人の先生の目にはそう見えても
その女の子の目には崖に見えたのでしょう。
先生がその花を女の子に摘んであげようとしたその時・
初めて女の子が声を発します。『あぶない』
その先生曰くその声が、背中に“触った”というのです。

“触る声”とは正にその声、つまり人の琴線に触れる声です。

私はこの“触る声”の習得に気功を取り入れています。

【よく透る声】

2006-01-23 00:49:43 | ブログ演技レッスン
はじめてこのブログに来た方の為に説明させてください。
タイトルが【 】で括られた記事は、
【ブログ演技レッスン】となっております。
もちろん書く方は大真面目には書きますが、
読まれる方はどうぞ気軽に読んでください。
「なんか言ってるよ・。」で全然結構。
でももし興味を待たれたら【 】で括られた過去の記事も
これまた気軽に読んでください。
少しは“うん”とか“へぇ~”って心の中で思える事が
きっと見つかると思います。

さてさて・自然発声について・ですが・

芝居につなぐ意味でも、赤ちゃんの発声だと思ってください。
赤ちゃん?話せないじゃん・と言われるかも知れませんね。
確かにそうです。確かに生まれてすぐには人間は
言葉を話す事は出来ません。

しかし声は出せます。
この世に生まれてまず第一声として大きな泣き“声”を上げます。
呼吸とリンクさせて精一杯の発声をします。
その“声”で母親に母親になった事を告げます。
それからその泣き声で、しっかりコミニケーションをとっていきます。
母親の母性による解読能力も大きな要素ではありますが、
ミルクなのか。う○ちなのか。抱いて欲しいのか。嫌なのか。
泣き声でだけで意志を伝達するって凄い事だと思いませんか。

人間の声とはそういうものです。
つまり、呼吸には原始的な欲求がリンクされ、それに感情がリンクされ
あ~。とか、まま。という単純な“音”に
色んな意味や思いが伝わり“声”になるのです。

言葉とはその“声”の配列の事です。
いろんな欲求や感情が詰まった。その人の“言霊”です。
五十音はその為の伝達を早くする為に生まれた記号に過ぎません。

音声として正しいあいうえおを言える事ももちろん大切な事です。
客席の一番後ろに聞こえる様な“大きな声”も必要な時はあるでしょう。

ですが“大きな声”でなくて“通る声”。客席の一番後ろに“通る声”。

そしてその人間の欲求や感情が透き通って見える・。
“透る声”こそ俳優に求められる声だと思うのです。
そしてこの“透る声”をマスター出来る発声法こそ
俳優に必要な発声練習だと思うのです。

【発声に対する基本姿勢】

2006-01-21 14:18:44 | ブログ演技レッスン
最初にお願いがあるのですが
自分のワークショップのHP
『循環演技』というページを是非ご覧になってください。
と申しますのは、ご覧になって頂いて
なんとなくでも自分の考えに触れて置いた方が
後々の理解度、浸透度がきっとアップすると思うからです。
また『循環演技』そのものの説明も、おいおいさせて頂く積もりです。

『循環演技』
http://firstapproach.at.infoseek.co.jp/junkan.htm

さて、今日のテーマは『発声』です。
演技のレッスンというとこの“発声練習”
というものを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
芝居の経験がない人でもなんとなくアエイオウとあいうえおの順番を変えて行う
発声練習とか、TVドラマなどで一度は見た事があると思います。

発声練習には大きく分ければ2つの方法があります。
“声の鍛錬”と“自然発声”です。

発声練習として良く使われる先のアエイオウとか外郎売りのセリフ、「水馬(あめんぼ)赤いな、ア、イ、ウ、エ、オ」から始まる北原白秋の詩を使った発声練習は“声の鍛錬”にあたります。
つまり、声を出す為に必要な筋肉を鍛えるやり方です。

対して人間が生まれ持った呼吸にリンクさせて自然に声を出す。
“自然発声”というのがあります。皆さんが普段話している、その発声です。

『芝居が難しいのは、誰でも出来るから』です。
誰でもケンカをして、恋をして、
いいことがあれば喜んで、理不尽な事に怒り、どうにも哀しい時があり、
好きな事をする時は楽しくなってしまうのです。

ですから優れた俳優とは、人間はどんな時にケンカをして、その時にどんな感情になり、
恋をすると人間はどうなるのか・そんな事を他の人より“ほんの少しだけ”確かに分析出来たり、他の人より“ほんの少しだけ”知っている・。実はそれだけの事なのです。
(もちろんその“ほんの少しだけ”がもの凄く大きな壁なのですが・なにせ誰もが出来たり、知ったりしてるのですから・)

何が言いたいかというと、発声も同じなのです。誰もが出来る話すという事を(声を出すという事を)“ほんの少し”だけ“ちゃんと”出来たり、声のメカニズムを“ほんの少しだけ”理解している事こそ重要であり、“優先順位”としては“声の鍛錬”よりこの誰でもしている“自然発声”の徹底マスターこそ“重要課題”なのです。

尚、ひとつお断りして置きますが、自分は“声の鍛錬”を否定してる理由ではないのです。
こう考えてください。俳優の現場を戦さに例えるのなら、身体を鍛え、武芸を磨くのが
“自然発声”。対して“優れた鎧”を身につけ“優れた槍”を手にするのが“声の鍛錬”です。あくまで“優先課題”として“自然発声”を身につけた上で“声の鍛錬”に入った方が“より優れた鎧”“より優れた槍”を手にする事が出来る・という事です。

“自然発声”そのものについては、また日を改めてお話します。

【レッスンの前に】

2006-01-16 15:10:12 | ブログ演技レッスン
○レッスンの前に
自分のレッスンは、冨田浩太郎先生の教えを
自分なりにアレンジしてお伝えしているだけです。

是非、下記の本を読まれる事をお薦めします。
また先生は2004年、6月10日に永眠なされました。
在庫が切れれば絶版の可能性もありますから今のうちにご購入される事を
お薦めします。(ある種の不謹慎をお許しください。一人でも多くの方に
触れて欲しい、のみです。)

『俳優の音声訓練―せりふと朗読のための実験』
冨田 浩太郎 (著) -未来社-

『舞台と映像の音声訓練―せりふ・朗読のための実験』
冨田 浩太郎 (著) -未来社-

私の個人に考えですが、こういった演技の手引きといった本は、
辞書の様な感覚で本棚に“お気に入り”を何冊か置いておくべきです。
もちろん、どの本も著者は大真面目に書いている理由ですから、
真剣に俳優を志すなら
出来るだけ早い段階に大真面目に読むべきだと思います。
しかしながら、本人のレベルに応じて、
あるいはその時関心のある項目かどうかによって
吸収率は、雲と泥程の相違があります。
したがって取りあえず、本棚に置いておき、読みたくなったら読む。
時々なんとなく読み返してみる。
そういう習慣化の方がより深く、より正しくその演技メソッドが理解出来、
かつ身体に浸透して行く事でしょう。

ついでながら自分がそういった形で本棚に置いてある本をもう少しご紹介します。

『あなたの魅力を演出するちょっとしたヒント』
鴻上 尚史 (著) -講談社文庫-

『芝居ばかりが芝居じゃない』
高山図南雄(たかやま・となお) -晩成書房-

2冊とも初心者にも分かり易く書かれてますし、
ちょっと初心を取り戻そうかと思っている経験者にも最適です。
上手にリセット出来ると思います。
また『あなたの魅力を演出するちょっとしたヒント』は
あまり芝居に興味のない一般の方にも自身の魅力をアップする為に
是非読まれてはと思います。

【ブログ演技レッスン】のご案内。

2006-01-14 17:36:07 | ブログ演技レッスン
下記のブログ、是非ご覧になってください。
とりわけ今書かれている自叙伝のレッスンはナチュラルな演技をする為の
極めて有効なメソッドですから

【演技の基礎訓練】http://blogs.yahoo.co.jp/toko_banda

でここからが本題です。
自分も「演技の基礎訓練」というブログを開設された方と同じ
冨田演技塾(通称冨田ゼミ)出身です。
冨田演技塾はもう亡くなられた俳優の冨田浩太郎氏が
“本物”の俳優へのアプローチとしてのレッスンを行っていたところです。
そんな事はどうでもいいだろうと先生(冨田浩太郎氏)から怒られそうですが
日大や舞台芸術学院、あるいはアミューズなど幾つものプロダクションで
講師として俳優の指導にあたった方です。
少しでも伝われば・と履歴の一端を記しましたが、その指導力と指導法は
正に“本物”です。

自分はファースト・アプローチというワークショップを主宰してますが、
『いいものはいつも新しい!』という信念の元に、
この“本物”をなんとか一人でも多くの人に伝えたいと思ってます。
文字通り“本物”の俳優への最初の一歩として
ファースト・アプローチに来て頂ければ一番いいのですが、
実際にレッスンを行う場合、目の届く範囲でとなるのは当然ですし、
必然的に定員制にもなるでしょう。
ましてや、行ってみようかなと思っても遠方の方もいらっしゃるでしょう。
そこで一人でも多くという自らの夢を少しでも叶えるべく
“本物”の俳優へのアプローチを
この場をお借りして少しづつ紹介していこうと思います。

※今後【 】というカッコで括られたタイトルは
【“本物”へのアプローチ】【ブログ演技レッスン】としますから、
俳優並びに俳優志望の方は、愉快個人の日記の時はともかく
【 】がある時だけでもこのブログを活用して頂ければと思います。