勇気を持って明るく「生きる」! -B型肝炎ウィルスキャリアの肝臓がん闘病記

  「あと半年、生きているかどうかわかりませんよ!」と医師に宣告され、がん(癌)を克服し「生きる」ことを考える。

B型肝炎訴訟和解金のために増税するとは? B型肝炎訴訟原告団声明

2011年07月30日 15時43分41秒 | 明るく生きる

 

2011年7月29日

声   明 

                        全国B型肝炎訴訟原告団 

                        全国B型肝炎訴訟弁護団 

 

本日、札幌地方裁判所において、6月28日の基本合意締結後はじめての和解協議が行われた。原告らが提出した追加資料に基づき,具体的な被害者認定の方法,手続きなどについての協議が行われるとともに,原告らは国に対して,追加資料をすみやかにチェックできる十分な体制を整え,不要な資料や収集困難な資料の提出を求めるなどして被害者認定を遅らせることなく,一刻も早く原告らの被害回復を実現するように強く求めた。

 

ところで,7月27日以降の新聞各紙には,菅政権が本件和解金の財源確保のために増税を実施する方針を決めた旨が報道されている。和解対象者を43万人と見込み,今後5年間だけでも1.1兆円かかるとして,これを増税によって賄うというものである。

しかし,本件和解金の支払は国の加害責任に基づく損害賠償債務の履行であり,その負担は義務的経費である。にもかかわらず,その財源を国民の直接的負担による増税で賄うということは,国の加害者としての責任をあいまいにするだけでなく,被害者と国民を離反させ、被害者をさらなる偏見と差別の危険にさらすものであって,断じて許されないと言わざるを得ない。

しかも,和解対象者が43万人という国の推計は,集団予防接種を原因とする感染者の割合,立証可能な被害者の割合などを極めて過大に見積もって推計したものであり,実際の和解対象者は国の推計の10分の1以下になる可能性が高い。このように和解対象者数の推計に大きな幅が出るのは,国が集団予防接種による被害者についての実態調査を怠ってきたことによるものであり,国はまずもって被害者の実態調査を行うべきである。少なくとも今後1~2年程度の和解の推移を見なければ確実な和解対象者数は推計できないと言わざるを得ない。

さらに,当面必要な財源は,各省予算の経費削減,予備費の充当,国有財産の処分等によって十分に捻出できる規模というべきであって,増税が必要でないことは明らかである。

よって,国に対して,本件和解金の財源確保を口実として増税を実施することのないように強く求めるものである。

以上