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藤原正彦の管見妄語

2009-11-11 13:32:40 | 日常生活
毎週いくつかの雑誌をチェックします。

特集記事が面白かったり、他ではないニュースが掲載されていると購入します。

チェックする雑誌としては、週刊文春、週刊新潮、日経ビジネス、ニューズウィーク、クーリエ・ジャポン、アエラ、SPA!あたりでしょうか。

その中の週刊新潮でいつも楽しみにしているコーナーが、この「管見妄語」です。

今週の内容は特に秀逸だったので、以下御紹介します。


コンプレックスと偉人

フィールズ賞とかノーベル賞の受賞者をはじめ偉人と呼ばれる人々に随分会ってきた。すべて男性だったが、背がスラッと高く眉目秀麗で明朗快活などと三拍子そろった人はまずいなかった。皆無だった。背丈が同国人の平均よりかなり低かったり、容貌や風采や目付きが一種異様だったり、いつも仏頂面で陰気だったりと、女性にもてなさそうな人がほとんどだった。

学者ばかりではない。世界史を飾った独裁者、ナポレオン、ヒトラー、スターリンも身体は小さかった。外観が並であっても、強度にどもったり、手ひどい音痴だったり、運動神経が極端に悪かったりした。運動神経が悪過ぎて歩くリズムがとれず、五歩に一歩スキップしながら歩くイギリス人がいた。体力不足でスーツケースを持って駅の階段を上っただけで貧血を起こしてしまったノーベル賞受賞者もいた。

ベートーベン、マルクス、毛沢東は風呂に入らなかったから女性には嫌われたろう。経済学者のケインズやコンピュータという史上最大の発明をしたチューリングはホモだった。

出自や育ちにコンプレックスを感じていた人もいる。

アイザック・ニュートンは生まれる前に父親をなくし、三歳の時には再婚した母親が自分を家に残し出て行ってしまう、という不幸な生い立ちだった。インドの生んだ不世出の天才数学者ラマヌジャンは、ケンブリッジ大学に招聘されるまでの26年間、その日の食物を近所の人々に無心するほどの極貧生活を送っていた。

「コンプレックスが偉人を作る」と思われてくる。異性にもてないこと、と言っても大差ない。

こう考えると私が偉人になれない理由がよくわかる。年少の頃、色白の顔、大きな瞳、愛らしいえくぼ、と異常に可愛かった。

長ずるに従い容色は多少落ちたが、容貌に関して「異様」とか「気持ち悪い」などとはこう見えても女房から以外に言われたことはない。女房はわざと反対のことを言って私の注意を引こうとしているだけだ。

満州引揚げの一年余りは北朝鮮の野山でラマヌジャン以下の生活を余儀なくされていたが、6歳時に母の「流れる星は生きている」がベストセラーになったから貧困を抜け出してしまった。

それに日本では女性にとんともてなかったが、顔がアメリカ向きなのか向こうではよくもてた。女房は「アメリカ女が助教授という地位と高給に憧れただけ」と切り捨てるが、それは私のすさまじいまでの魅力を知り抜いているが故の嫉妬であろう。

先日はついに「とてもよいお顔」とほめられた。60代と70代の女性だった。好感度抜群となったことが私をますます偉人から遠ざける。


最高ですね。

早く単行本が出ないか、待ち遠しいです。



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