成功に近づくための成功本紹介ブログ

掲載点数210点(2011年8月6日時点)-amazon読者評価4以上を中心に、成功に近づく良書を紹介します。

JALが映した日本の老化

2010-02-22 13:28:21 | 日常生活
日経ビジネスの2010年2月8日号に、安藤忠雄氏が寄稿していました。

タイトルは、『JALが映した日本の老化』。

JALの破綻の向こう側に見える今の日本の抱える問題点を、鋭い洞察で分析されています。


◆過去の遺産では食えず

こうした無責任な経営体質が問題を先送りし、破綻につながった。負債総額は2兆円を超え、巨額の公的資金を投入されるという。しかしこれに対して、国民から怒りの声が聞こえてこない。私はそこに、大いに危機意識を覚えている。もっと真剣に、この問題を考える必要があるだろう。

JALの破綻は、日本の「老化」を浮き彫りにしたと言える。かつての勝ちパターンが通用しなくなったのだ。(※中略)

老化がもたらす弊害は、スピード感と決断力の欠如だ。

私は一昨年のリーマンショック以降、活動の舞台をアジアに移し始めている。北京でホテル、上海ではオペラハウスと美術館のデザインを受注し、ソウルや台北でも仕事の話が進んでいる。

そこで常に驚かされるのは、物事が決まるスピードの速さだ。アジア諸国がある意味で近代化していないことの裏返しかもしれないが、リーダーの即断即決で何でも決まってしまう。

アジア諸国から依頼があると、数日後には直接面談して会議が始まり、2カ月程度で基本計画が出来上がる。設計は4カ月程度で済ませ、半年後には着工するのが普通だ。

これが日本なら、基本計画を立ち上げるだけで半年かかり、設計が終わるのはさらに1年以上後だ。責任者が分散して、誰も物事を決断できないから、会議だけが続く。美術館などの大型の建物だと、最初の企画から完成まで4年近くかかるのが通例だ。

海外の顧客も「日本はそういうものだ」と諦めつつある。海外からの設計依頼に対して、私が「3日で答えを出す」と言うと逆に驚かれるぐらいだ。


◆スピード感を取り戻せ

この遅さは今後、日本が国際社会で生きていくうえで大きな問題になりかねない。政府は東アジア共同体構想を掲げているが、果たして議論についていけるのだろうか。

このままでは恐らく、日本だけが取り残されることになるだろう。それほど、今の東アジア諸国は猛スピードで発展を続けている。「アジアの一等国」といった幻想はそろそろ捨てて、国際社会における自らの位置づけを考え直す必要がある。

責任感ある経営者がJALを率いていれば、もっと早い段階で手を打っていたはずだ。スピード感を持って「止血」をしない限り、次の成長は見えてこない。耳当たりのいいことばかり語って先送りしていては、日本国もJALと同じように破綻してしまう。今こそ、決断力を持ったリーダーが必要だ。


世界で戦っている人だからこそ見える、今の日本の“危機的状況”。

かつてのイギリスのように、日本も一度は衰退したそがれてしまうのか。

橋下知事のような強烈なリーダーシップを持った政治指導者が、今一番必要とされていると思います。


建築家 安藤忠雄
建築家 安藤忠雄
posted with amazlet at 10.02.21
安藤 忠雄 新潮社 売り上げランキング: 6375
おすすめ度の平均: 5.0
5 安藤さんのパワーに圧巻5 職業人として、自分たちは社会に対して何が出来るのかを考えさせられる4 すごい人はすごい、そう考えさせられる「建築家 安藤忠雄」5 流石でございます。5 強かなたくましさ


連戦連敗
連戦連敗
posted with amazlet at 10.02.21
安藤 忠雄 東京大学出版会 売り上げランキング: 29943
おすすめ度の平均: 4.5
5 深い人生哲学5 家を建てたい人へ送る本5 自ら選択した道に希望を忘れなかった5 自分は建築系でもなく若くも無いけれど2 ただのひと


建築に夢をみた (NHKライブラリー)
安藤 忠雄 日本放送出版協会 売り上げランキング: 149408
おすすめ度の平均: 4.5
3 20世紀の建築と私5 まさにタイトル通り5 建築家の夢を見た5 建築に魂をいれるには5 安藤忠雄の思想・創造の源泉。お勧め



最新の画像もっと見る