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一つ上のプレゼン

2009-10-31 19:36:54 | セールス関連の成功本
「電通博報堂のトップクリエイターの技が学べる実践書」
著者/眞木 準 出版社名/インプレス 2,100円

◆目次
序章
イントロダクション
 「プレゼン」は広告業界用語だった。
 「プレゼン」の社会化と普遍化。
 「プレゼン」は知のプレゼントである。
 「プレゼン」の3種の神器。
 「プレゼン」の流れと競合プレゼン。
 本書の利用にあたって。

プレゼンの「自分」
 「私」はいらない。/大島征夫
 2メートル以内の自然体で。/岡康道
 最後はキャラクター勝負。/中島信也
 提案にはタイミングがある。/團紀彦

プレゼンの「相手」
 予想を裏切るコミュニケーション。/佐々木宏
 相手を知らなければ勝てない。/杉山恒太郎
 「上司に伝えます」はプレゼンじゃない。/中村偵
 立場を変えて発想する。/多田琢

プレゼンの「言語」
 整理して伝える表現力。/小沢正光
 スローガンでつかむ。/柴田常文
 「わかる」の集積。/岩崎俊一

プレゼンの「関係」
 説得してはいけない。/宮崎晋
 ちゃんと熱意を伝えられるか。/副田高行
 すべてはコミュニケーション。/大貫卓也
 クライアントへの思いが現れる場所。/憶満子

プレゼンの「演出」
 手書きのオンリーワンな企画書。/児島令子
 相手に応じて見せ方を変える。/竹山聖
 ドラマティックに演じるために。/山本孝司


8年ほど前に購入し、今でのプレゼンの前に読み返す愛読書の一つが、この『一つ上のプレゼン』です。

電通や博報堂、その他の広告業界のトップクラスがずらりと顔を並べた本書は、その一流の素顔をあますところなく明かしてくれます。

テレビ業界の収益の低迷で、かつてほど大手広告代理店の影響力はないと言われ始めていますが、そこを支えた“人間力”を学ぶ姿勢は重要だと思います。

印象的だったシーンを、以下に御紹介します。

勝率9割という伝説的クリエイティブディレクター

「私」はいらない。
株式会社フロンテッジ副社長 大島征夫

仕事のなかのプレゼンの位置づけ

プレゼンは仕事の一部。すべてがそこからスタートするわけで、いい仕事をするために必ず通らなければならないものだとぼくは思っている。でも、それだけを単独で抜き出すことはできない。

そもそも何のためにプレゼンをするのか。それは最終的にいい成果を生み出すためだと思う。いいかえれば、世の中にどれだけ喜んでもらえるかということ。クライアントに喜んでもらえる。商品が売れる。仕事なりキャンペーンが認知される。こういうことが目的だと思う。

そのなかでプレゼンはあくまでも仕事のステップでしかない。けれども、プレゼンを経なければ、何も起こらない。つまり、すべてのアウトプットを生み出す大本だということ。(※中略)

でも、「勝つ」とか「負ける」とかいうことじゃないとぼくは思う。仲間うちでは「勝った」「負けた」という言葉を口にするが、それはゲーム性がなければ仕事が続かないからそうしているだけで、本当はあまりうれしい概念じゃない。(※中略)

本質はやっぱり、いい仕事をしたい、いい成果を残したいというところにある。ただ、そのためにはいいプレゼンをしなければいけない。そして、いいプレゼンをしたかぎりは、それに対する成果を出さなければならない。(※中略)


プレゼンを成功させるための2つの幻影

ぼくらのプレゼンには、基本的にチームで動く。実際にクライアントに向かって説明するのはぼくかも知れないが、その後ろには何十人、場合によっては100人以上の人がいる。

プレゼンには、その人たちの知恵だったり、ノウハウだったり、アイディアだったり、マーケティングという科学だったり、クリエイティブというアートだったり、営業という人をつかまえる能力だったりというものを結集して、のぞむ。だからこそリーダーシップが重要になる。(※中略)

そこでぼくがしなければならないのは、みんなが「乗る」ことができる環境や状況をつくること。そのためにも幻影を抱いてもらうように配慮する。

そのひとつが「この仕事が成功すれば幸せになれる」という幻影。チームのスタッフが幸せになれるのは、成功するという一点しかない。このコピーはヒットする。このアートディレクションはADC(東京アートディレクターズクラブ)賞を取る。もしかするとこの広告制作に参加することによって有名になるかも知れない。ギャラが倍になるかもしれない。こういう成功の幻影を抱いてもらう。

それから、せっかく広告をつくるのが好きな人が集まっているわけだから、「もっといい結果が生まれるに違いない」という幻影も抱いてもらう。

そのためには「最高のプレゼンはありえない」と考えるようにするといい。「最高はつぎの仕事だ」と思うようにする。チャップリンが「つぎの仕事が最高」といっているが、これはぼくにはよくわかる。

最高の仕事ができたと思えたら、もう引退するしかない。最高のプレゼンもなければ、最高の仕事も、ぼくにはまだない。いつかあったら、そこで辞めてやる。そういう考え方をする。

少なくともぼくらのチームに入ってくれる人は、みんなそう思ってくれていると思う。だからこそ、120パーセントの力を出すこともできる。(※中略)


この本は、何回読んでもその度に新しい発見のあるお薦めの一冊です。


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