昨日、ミューザ川崎シンフォニーホールで開催された東京交響楽団モーツァルトプレイヤーズによるモーツァルト・マチネ第1回を聴いてきました。モーツァルトばかり4回の演奏が聴けるのでとても楽しみにしている演奏会です。
このモーツァルト・マチネは来年の3月までに計4回開催されるもので、今回が第1回でした。今回の演奏は、指揮がユベール・スダーンで、演奏曲目が、交響曲第1番変ホ長調K.16、オーボエ協奏曲ハ長調K.316、交響曲第36番ハ長調K.425の3曲でした。
今回注目した曲は2曲目のオーボエ協奏曲です。独奏は東京交響楽団の首席オーボエ奏者の荒絵里子でした。独奏者の荒絵里子ですが、2004年に東京音楽大学を卒業し、第73回日本音楽コンクールにて審査員満場一致で第1位を受賞するとともに岩谷(聴衆)賞、E.ナカミチ賞受賞しその後は国内の主要オーケストラと共演するなどし、2009年4月より東京交響楽団首席オーボエ奏者となった才能ある若手の演奏家です。
東京交響楽団の演奏は、これまでに何度も聴いてきましたが、いつも思う事は弦楽器が弱い印象を受けます。低音の弦楽器は気になりませんがヴァイオリンが輝いた音楽を奏でてくれません。1946年に創立したオーケストラですので、そこそこの歴史あるオーケストラなので、もう少し充実感のある演奏をしていただけたらと思っています。
今回の演奏も過去の演奏と同じ印象を受けました。指揮者のユベール・スダーンの指揮内容を観ていると特に問題なくモーツァルトに対する思いが全体に出ており、このように演奏するのかと新鮮さを感じる個所が何回もありました。とても好感が持てる指揮者です。多分ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団の音楽監督を13年間行っていた経験が根底にある感じを受けました。
オーボエの荒絵里子ですが、とても綺麗な音色を表現する演奏家だと感じたのが第一印象でした。また独自の演奏スタイルがあって、若者にもかかわらず感心しました。カデンツァも普通のものと異なっていた感じを受けました。演奏技術は安定していて、聴いていて不安になることがありませんでした。裏を返せば、才能がある証拠だともいえます。
ただ一つ意地悪な意見を述べるとすれば、優しさの中にある厳しさが少なく、スパイスが少し効いていない感じを受けました。これは、これからの経験でいろいろなスパイスを使えるようになると思います。オーボエは池田昭子だと思っていましたが、その後を追う形になる演奏家であるとの印象を持ちました。
曲自体の話ですが、オーボエ協奏曲でけでなくモーツァルトの協奏曲の全体に関して言える特徴ですが、低音から高音へ音符の階段を流れるように駆け上がったかと思うと、現在の音から2オクターブジャンプしたり、あるいはその反対に下がったりと自由自在に飛び回りながら、心の動きを表現しています。また、強弱による繊細な表現をしたかと思うと音を美しく引き伸ばし無限の世界へ誘いでくれたり、大きな宇宙を自由自在に感じることができます。このようなところがモーツァルトの一つの魅力だと思います。
当日の演奏内容を全て聴いた感想ですが、荒絵里子の演奏が素晴らしかったのでオーボエ協奏曲が最も良かった思いました。次が交響曲36番でした。特に36番はモーツァルト生誕250年の際にリンツを訪れ、モーツァルトが立ち寄った館へ行きましたが、その時の館やリンツの街並みを思い浮かべながら聴きました。
次回の演奏会では、ヴァイオリンが良い演奏を奏で本来のモーツァルトの世界を表現してほしいと思いました。
このモーツァルト・マチネは来年の3月までに計4回開催されるもので、今回が第1回でした。今回の演奏は、指揮がユベール・スダーンで、演奏曲目が、交響曲第1番変ホ長調K.16、オーボエ協奏曲ハ長調K.316、交響曲第36番ハ長調K.425の3曲でした。
今回注目した曲は2曲目のオーボエ協奏曲です。独奏は東京交響楽団の首席オーボエ奏者の荒絵里子でした。独奏者の荒絵里子ですが、2004年に東京音楽大学を卒業し、第73回日本音楽コンクールにて審査員満場一致で第1位を受賞するとともに岩谷(聴衆)賞、E.ナカミチ賞受賞しその後は国内の主要オーケストラと共演するなどし、2009年4月より東京交響楽団首席オーボエ奏者となった才能ある若手の演奏家です。
東京交響楽団の演奏は、これまでに何度も聴いてきましたが、いつも思う事は弦楽器が弱い印象を受けます。低音の弦楽器は気になりませんがヴァイオリンが輝いた音楽を奏でてくれません。1946年に創立したオーケストラですので、そこそこの歴史あるオーケストラなので、もう少し充実感のある演奏をしていただけたらと思っています。
今回の演奏も過去の演奏と同じ印象を受けました。指揮者のユベール・スダーンの指揮内容を観ていると特に問題なくモーツァルトに対する思いが全体に出ており、このように演奏するのかと新鮮さを感じる個所が何回もありました。とても好感が持てる指揮者です。多分ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団の音楽監督を13年間行っていた経験が根底にある感じを受けました。
オーボエの荒絵里子ですが、とても綺麗な音色を表現する演奏家だと感じたのが第一印象でした。また独自の演奏スタイルがあって、若者にもかかわらず感心しました。カデンツァも普通のものと異なっていた感じを受けました。演奏技術は安定していて、聴いていて不安になることがありませんでした。裏を返せば、才能がある証拠だともいえます。
ただ一つ意地悪な意見を述べるとすれば、優しさの中にある厳しさが少なく、スパイスが少し効いていない感じを受けました。これは、これからの経験でいろいろなスパイスを使えるようになると思います。オーボエは池田昭子だと思っていましたが、その後を追う形になる演奏家であるとの印象を持ちました。
曲自体の話ですが、オーボエ協奏曲でけでなくモーツァルトの協奏曲の全体に関して言える特徴ですが、低音から高音へ音符の階段を流れるように駆け上がったかと思うと、現在の音から2オクターブジャンプしたり、あるいはその反対に下がったりと自由自在に飛び回りながら、心の動きを表現しています。また、強弱による繊細な表現をしたかと思うと音を美しく引き伸ばし無限の世界へ誘いでくれたり、大きな宇宙を自由自在に感じることができます。このようなところがモーツァルトの一つの魅力だと思います。
当日の演奏内容を全て聴いた感想ですが、荒絵里子の演奏が素晴らしかったのでオーボエ協奏曲が最も良かった思いました。次が交響曲36番でした。特に36番はモーツァルト生誕250年の際にリンツを訪れ、モーツァルトが立ち寄った館へ行きましたが、その時の館やリンツの街並みを思い浮かべながら聴きました。
次回の演奏会では、ヴァイオリンが良い演奏を奏で本来のモーツァルトの世界を表現してほしいと思いました。