(当方の紅葉)
近ごろお気に入りの一句
山紅葉人の旧居に腰かけて 西村麒麟
作者の西村麒麟さんは
この句は、軽井沢にある室生犀星記念館(犀星が夏に過ごしていた別荘)を訪れた時に作ったものと言っています。
戦時中、犀星はここに疎開したそうです。また、小説「杏っ子」の舞台の一部でもあります。当方も一度行ってみたいところでもあります。
この句の「腰かけて」にヒントを得て、当方も一句考えてみました。
若楓山家(やまが)の跡に休み居て 今日水
山道の石垣の上若楓 今日水
丹沢大倉尾根の登り口から十数分歩いたあたりには、かつて住居があったであろうと思われる平らなスペースと小さな低い石垣が草に埋もれながらも残っていたりするのです。
虚子とその仲間のやうに梅探る 西村麒麟
季語は「梅探る」、「まだ冬なのだが、春を待ちかねて、早咲きの梅はないかと山野を歩くこと」だそうです。
虚子は鎌倉に住んでいたので、麒麟さんも仲間といっしょに鎌倉の山を歩いたのでしょうね。
お雑煮のお餅ぬーんと伸ばし食ふ 西村麒麟
面白い表現も俳句です。
ふつうの俳人は「お雑煮」とか「お餅」とは言わないものですが。
この西村麒麟さんが新しく俳句結社「麒麟俳句会」を立ち上げるということで、当方も参加することにしました。
麒麟さんが勤めていた会社が解散してしまい、失業してしまったので、これを機に俳句で生活していこうということのようです。会社勤めをしながらも、カルチャーセンターの講師をしたり、俳句雑誌に寄稿したり、現代俳句界の若手リーダー(39歳)です。
とは言っても、当方の参加は俳句誌「麒麟」購読と投句、ネット句会ぐらいでしょう。
関東と関西で結社句会をするようですが、当方はそのレベルではないので、参加はしません。
ところで、俳句結社は全国に2300あるという記事を何かで読んだことがありますが、古い結社といえば、「ホトトギス」でしょうが、高浜虚子は、昭和22年に、なんと「ホトトギス」を合資会社にしているのです。
「ホトトギス」を発行する会社を作れば、後継者について、あれこれいわれる筋もなくなる?ことだったのか?
他に会社組織の俳句結社があるのかどうかはわかりませんが。
「胡瓜サンド」50句 西生ゆかり
今年度角川俳句賞の受賞作品名です。
以前は何種類か買っていた俳句雑誌も近頃はあまり買わないようにしています。
読み切れないことも多く、すぐ溜まってしまうので。
また、図書館で借りられることがわかったからです。
当方のイメージでは雑誌類は帯出禁の丸いシールが貼ってあるものだったのですが、今はたいていのものは貸し出しているようです。
しかし、当月号はすぐには借りられないので、角川俳句11月号は買いました。
当方でも理解できるものをいくつか
自転車を追い抜く犬や春の川 西生ゆかり
春の川の堤防、遊歩道だったり、飼い主の自転車か。
永き日や買はぬベッドに身を広げ 西生ゆかり
ジャージ着て近所を生きて昭和の日 西生ゆかり
「西生さんは昭和59年福井県越前市生まれ、」だそうです。
「昭和の日」、だれがつけたのか「みどりの日」というすごい呼び方だったのに、いつの間にかすり替えられてしまいましたね。
実は不忠者たちによって。(当方も時代錯誤か?ですが)
花菖蒲ひらく無人の小学校 西生ゆかり
はるかまで畳なりけり夏休み 西生ゆかり
夏休み、出かけた先はどこでしょうか。大きな寺か、二条城のような城の大広間か。
上野公園の国立博物館前の広々とした石畳・・・もありですね。
百円で買へる光や夏祭 西生ゆかり
胡瓜サンド人は飛べないから走る 西生ゆかり
何か急がなければならないことがあったのでしょうか。
人に戻りて節分の豆拾ふ 西生ゆかり
節分のつぶやきですね。
いちごとランナー
ピーマン、これで最後でしょう。もう花がつきません。