丹沢秘密倶楽部

日々の記録、思いついたこと、昔話など。最近は、俳句のこと。
俳句は読み中心で、なかなか詠めない。

ランウェイ句会

2020-11-28 05:12:31 | 俳句

ある日の相模原公園

 

フェイスブック俳句会に、ちと疑問を感じることが多くなって、他をいろいろ調べていたところ、次のようなものを発見。

(「鷹」のホームページはよく見ていましたが、気づきませんでした。)

 

ランウエイ句会、俳句結社「鷹」の新入会員一年間限定の句会です。

【投句】

奇数月(年六回)当季の2句

【選句】

投句一覧から1句を選句選評

【主宰講評】

全員にコメント

 

主宰は、当ブログでたびたび引用させていただいている、小川軽舟氏。

当代一流の俳人からコメントいただける、それならばということで入会しました。

 

11月初参加のランウエイ句会

当方の句と主宰のコメント

55 ○秋澄むや散歩のひとり腕まわす          【今日水】

   (軽舟)いそうですね、やたら腕まわす人。

   小屋主のぽつりひと言十三夜

55は整理番号、○は、一応俳句になっていると認めます、ということらしい。

 

〇はもらいましたが、奥行きがない、ところが当方の反省点です。

当方に散歩の趣味はありませんが、遊歩道の車止めを利用して、腕立て的なことをやっている人をよく見かけます。

こういう人を見ると、ほかでやれよ、と思うのです。

「腕まわす」も同じで当方の美学には(というほどでもないが)合わないことなのです。

俳句に詠むことではなかったかな、ですね。

 

ちなみに、参加者65人、○印がついた人は33人。(二句とも〇がついた人は一人)

 

あとは、結社誌「鷹」に毎月6句投句、

一句でも掲載されればいいかな、です。

全国展開の大結社らしいので。

 

 

今日水千句選

西空に塵一つなし年の暮              小川軽舟        今日水千句選21

充実した年だったかなと思い、新年を迎えられる清々しさ。

ちと早いかもですが、当ブログは更新が少ないので。時期、季節も時々飛ばしています。

 

丹頂が来る日輪の彼方より           黒田杏子        今日水千句選22

 

冬籠りまた寄りそはんこの柱          芭蕉          今日水千句選23

現代、「冬籠り」という感覚はなくなってしまったと思っていましたが、

コロナ禍での年末年始は、まさに「冬籠り」になりそうですね。

 

明滅の豆電球の夜の長し            坊城俊樹        今日水千句選24

当方の近所にはほとんどありませんが、地域によっては、ほとんどの家でクリスマスイルミネーションをつけている一角がありますね。

「夜の長し」、豆電球は、いつ点いて、いつ消えるのか。たぶん、センサー設置と思いますが。

 

屈伸する男のリュック冬紅葉          奥 要治        今日水千句選25

 

ちりちりと冬のランプやまぐろ丼        西村麒麟        今日水千句選26

テレビ番組で見ると、魚市場の朝は早い、夜明け前から動いているようです。

 

炬燵より出て丁寧なご挨拶           西村麒麟        今日水千句選27

炬燵出て歩いてゆけば嵐山           波多野爽波       今日水千句選28

京都に何年か住んでいたそうです。炬燵から出ることを俳句に詠む、うむ、です。

 

畑あり家ありここら冬の空           波多野爽波       今日水千句選29

家ありてそして水仙畠かな           小林一茶        今日水千句選30

「水仙畠」江戸時代、既に正月用の花として栽培販売されていたそうです。

 

小川軽舟句集「朝晩」から 単身赴任句(と思われるもの。まだありますが、当方なりに並べてみました。)

花散るや引越しの荷の本の箱          小川軽舟        今日水千句選31

行春や車窓に背広かけしまま          小川軽舟        今日水千句選32

駅弁を家に食ひつつ日の永き          小川軽舟        今日水千句選33

職場から駅を見下ろし春惜しむ         小川軽舟        今日水千句選34

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角川俳句賞

2020-11-19 06:08:59 | 俳句

ツワブキ「石蕗」

 

角川書店発行の「俳句」11月号に2020年度「角川俳句賞」の記事

受賞者は、なんと平成11年生、岩田 奎 

五十句掲載されていますが、当方の理解できる句をいくつか抜き出してみました。

 

珈琲に氷の残る蜃気楼              岩田 奎      今日水千句選7

アイスコーヒーの飲みかけ、氷を見ていると・・・拡大されて・・・蜃気楼・・・に至るという感じでしょうか。

 

銀閣のまへを吹かれて氷旗            岩田 奎      今日水千句選8

トマト切るたちまち種の溢れけり         岩田 奎      今日水千句選9

火をとりに車へ戻る墓参かな           岩田 奎      今日水千句選10

 

野分去る万力に錆浮きにけり           岩田 奎      今日水千句選11

万力のしづかに黒し秋日和            奥坂まや      今日水千句選12

俳人は「万力」が好きなようです。

ずっしりと重い鉄の塊、据え付けられて動かない「万力」とその台、学校の技術室の静かな空間、と読めばいいかなと。

 

ペン立に鋏一挺雁渡る              岩田 奎      今日水千句選13

夕日いま葱のうしろへかたむけり         岩田 奎      今日水千句選14

 

今日水千句選

冬の雨柚の木の刺の雫かな            蕪村        今日水千句選15

 

当方も、庭ともいえない低いブロック塀の内側に柚子を一本植えてあります。

柚の木の刺(ゆのきのとげ)、柚子の木の刺です。硬く細長い数センチの刺が枝の四方八方に突き出しています。見るからに危ないという感じです。

枝が伸びて隣家へ飛び出していくので、年に一二回切りますが、切った枝葉の生命力が強烈です。一か月以上も葉と刺が青く硬いままです。

 

定食に満腹したる聖夜かな            小川軽舟      今日水千句選16

作者の単身赴任生活を題材とした句です。

「聖しこの夜」、クリスマスですが「定食に満腹したる」・・・まぁ、ビールやつまみ少々のあとの「定食」でしょう。

食器のことを言っているわけではありませんが、

家にあれば笥に盛る飯を草枕旅にしあれば椎の葉に盛る         有間皇子

笥(け)、入れ物です。

当方の趣味に当てはめると、白黒それぞれの碁石を入れておくものを碁笥(ごけ)と言います。

 

白菜に水道の水かがやける            小川軽舟      今日水千句選17

同じく単身赴任句

うむ、白菜を切って水で洗う、白菜がますます白く輝く、そのとおりです。

 

平凡な美人きらきら花水木            坊城俊樹      今日水千句選18

「平凡な美人」よくわかりませんが、なんとなくよさそうな句です。

 

歌舞伎座の前の混雑秋暑し            甲斐遊糸      今日水千句選19

公演を見終わった人たちが一斉に歌舞伎座を出て来たところでしょう。

 

川一つ処々の紅葉かな                子規        今日水千句選20

正岡子規が京都へ旅した時の句です。

京都の川ですから、川幅も広く浅く、先々までよく見通せると思います。川沿いに歩いたのでしょう。

 

近詠

秋澄むや散歩のひとり腕まわす          今日水

銭湯に野球部員や初時雨             今日水

たまに行く古書店のそばに銭湯があります。

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感染症の日本史

2020-11-14 06:03:33 | 俳句

ホトトギス(相模原公園)「PictureThis」というスマホアプリがあって、植物を撮影すると名前を教えてくれるのです。

近ごろ使うようにしています。

 

「感染症の日本史」(文春新書、磯田道史著)

百年前のスペイン風邪(インフルエンザ)についての記事がありました。

当時の新聞の見出し

 

《悪性感冒 益々猖獗す 余病を併発した患者の死亡率が急激に増加す》 上毛新聞1918年十月三十日付

《悪感冒の産む悲惨 下層階級は生活上に大打撃 救済機関設置の急務》 高知新聞1918年十一月十六日付

《この恐ろしき死亡率を見よ ・・・咳一つ出ても外出するな》 東京朝日新聞1920年一月十一日付

《場合に依っては隔離 団体的に廉いマスクを造れ》 神戸新聞1920年一月二十三日付

 

今と同じですね。

この本を読むと、感染症の収束には三年かかるような感じです。

あと二年は今のような生活が続くと考えなければならないようです。

 

「今日水千句選」スタートです。

目標、一年で1000句収集。一日平均3句、これはかなり大変ですが、しばらくは「お気に入りの一句」からです。

ちょくちょく差し替えながらでも、進めないと・・・光陰矢の如し、です。

ブログに載せなくても収集はできますが、目標達成のための自己鞭撻ということです。

 

歩くこと歌ふに似たり小六月           藤原暢子      千句選1

季語、小六月、小春日和と同じです。

 

茶の花の見ゆるところが今日の椅子        藤原暢子      千句選2

作者は、写真家にして俳人。

「茶の花」、「夏も近づく八十八夜」では、「若葉が茂る」のですが。

当方の「茶の花」は、浪曲、次郎長三国志「旅ゆけば、駿河のみちに茶の香り」、広沢虎造。懐メロのひとつ。

 

かたむきて止まる列車や冬ぬくし         藤原暢子      千句選3

「冬ぬくし」漢字をあてると「冬温し」ですが、季語とはいえ、若い俳人が、現代ほぼ死語となっている「ぬくし」を使うとは思いませんでした。

「かたむきて止まる列車」 小田急でいうと、「渋沢駅」ホームの新宿寄りの部分が弧を描いています。

「列車」もほぼ死語ですが、「止まる電車」では俳句的ではないかな、ですね。

 

現代俳人の句集を初めて買いました。「からだから」藤原暢子句集、1800円也。

通常、この人のような若手俳人の句集が書店に並べてあることはほぼないのですが、よく行く相模大野駅ビルの有隣堂に一冊置いてあったのです。

思わず、衝動買いでした。

 

千句選、続き

訪れる客もなき夜の新酒かな          吉村昭      千句選4

小説家ですから来客も多かったでしょう。

 

地下鉄に駅前のなし日記買ふ          小川軽舟     千句選5

地下鉄の出口はたくさんありますが、確かに道路に出たという感覚ですね。

 

若き母の炭挽く音に目覚めをり         黒田杏子     千句選6

幼少期の疎開先での生活を詠んだ句のようです。

「炭挽く」、使いやすいように小さな鋸で「炭」を切っていたかな?

このことについては当方の記憶も、ちと怪しい?

 

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こんな景色

2020-11-07 05:11:36 | 俳句

近頃お気に入りの一句

釣銭のでない自販機法師蝉            昌成

「釣銭の出ない自販機」、道端に置いてある自販機。釣銭が出ない。釣銭切れか? 放置自販機? 最近、放置づいています。

自販機はおいてあるが、人の存在を感じられない風景ということでしょうか。

こんな景色でしょうか。すでに閉鎖されていますが、道路右は北里大学東病院。

今年の蝉はすでにいなくなりましたが、夏場は油蝉とつくつく法師の大合唱、何千とまでは言えないが、何百匹以上ではある、という感じです。

道の奥上は丹沢山地、道路の突き当り右に当方利用の相模原市麻溝台市民農園があります。

したがって、日常通る道なのです。

 

暖色の庭園灯や柿熟るる             星野恒彦

小田急町田駅に近づくと、電車がゆっくりとなり、線路際の「梅の花」という懐石料理店の庭が見えます。

木は、柿の木ではなく紅葉ですが。

 

王様のやうな林檎の届きけり           坊城俊樹

俳句は挨拶と言われています。林檎の「王林」が送られてきたことへの挨拶句でしょう。

作者は、高浜虚子のひ孫にして、平安貴族の末裔。

 

あちらむきに鴫も立ちたり秋のくれ        蕪村

ん、「あちらむき」とは?

と思いましたが、「秋のくれ」なので、「夕日」を見ている自分と同じように、鴫も西を向いていると読めばいいかなと。

 

山小屋の皿洗う音夜の秋             佐々木丸瓜

山小屋も大中小あると思いますが、この句の小屋は、大中でしょうね。

小屋の消灯時間はおおむね午後八時とおもわれます。

消灯、小屋の喧騒も静まり、小屋番が食器を洗う音だけの静かな秋の夜。

作者が小屋番として、皿を洗っているのか? 客として布団に入っているのか? 

消灯時間による、人工的な静けさではありますが。

 

大方は空でありけり冬桜             井上恵美子

当方の周遊コース、相模原公園にも冬桜はあります。幹も枝も細く花も白くまばら、近づくと、たしかに空とセットで見るようなものです。

 

参考の一句

校章の刺繍の厚し四月来る            小川軽舟

 

緞帳の両端纏む文化祭              今日水

体育館の緞帳、校内にあっては豪華なものの一つです。一つだけかも、ですが。

 

近詠

馬返し駒止茶屋となりにけり           今日水

無季です。

その昔、毎週のように駒止茶屋に行っていた時期がありました。そのころの小屋主、先代の時次郎さんの話。

小屋を作るとき、名前をどう付けたか。

その昔のむかし、小屋あたりは「馬返し」と呼ばれていたそうです。

しかし「馬返し小屋」では、いまいち、ということで、知人と相談し「駒止茶屋」と命名、と聞いたことがあります。

山頂ではないので、「茶屋」にしたとも聞いたような気がします。

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