凄みのある米国の決定、BDAとの取引禁止

2007-03-16 18:57:42 | 時事
報道によると、

米財務省は14日、マカオの銀行バンコ・デルタ・アジア(BDA)が
通貨偽造やマネーロンダリング(資金洗浄)など北朝鮮の不法行為に関与していたとして、
米国の金融機関との取引禁止を発表した。

その上で、マカオ政府が凍結していた2500万ドル(約29億3000万円)に上る北朝鮮関連口座について
解除の判断は同政府に一任、事実上、対北朝鮮の金融制裁解除を容認した。

制裁解除は部分的で、北朝鮮に返還する額は800万~1200万ドルなどとみられている。


これはナカナカ凄みのある決定だ。

BDAは米政府が05年9月に「マネーロンダリング(資金洗浄)の主要懸念先」に指定。
これを受けマカオ政府から管理下に置かれていた。

米国は北朝鮮口座の解除を容認するが、BDAに関しては米銀との取引を禁止するという。
この結果、おそらくBDAは極端な縮小か又は閉鎖に追い込まれるであろう。

これは何を意味するか?

BDAはもちろんの事世界中の銀行は恐怖に引きつり北朝鮮との取引から一切手を引き、
また中国の銀行にとって北朝鮮との米ドル取引は極めてリスキーなものとなり、
この影響は中国、北朝鮮にとって甚大なものとなる。
北朝鮮はドル取引から排除されユーロ、人民元取引に限定されるのではないかと推察される。

さらにこの件ではUSCCによる05年11月第三回議会宛報告書には
「財務省の北朝鮮マネーローンダリング調査に関連して、中国銀行が調査を受けているとの報道がなされている」
と述べてられている。

万一この通り、中国銀行がこのマネーローンダリングに絡んでいたとすれば、ことは重大であり、
それは中国銀行の在米資産凍結の可能性を孕む。
(現実にはそんな事はないだろうが)



以上のように米国のBDAに対する取引禁止の決定発表は、世界の金融関係機関を震え上がらせるに充分な措置であり、
特に中朝にとっては、看過できないかなりの打撃を与える事件であると言える。

事実、マカオ政府と中国政府は直ちにこの米国の決定に遺憾の意を表した。

これに対し米国のグレーザー財務次官補代理が15日、マカオに向け出発し、
17日にもマカオの金融監督当局者とBDAをめぐる対応について協議するとみられている。




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