食品偽装とブランド

2007-11-12 19:19:26 | 社会
船場吉兆の不祥事が次々と明るみに出ている。


今朝もテレビで社長が会見を行い、

『地鶏を注文したのにブロイラーだったとは知らなかった』だの、

『ラベルの張替えはパートが独断でやっていた』だのと

見苦しい弁解を繰り返していた。


私はミートホープや比内地鶏と偽っていた会社などの不祥事にはいくらか同情的であり、

消費者も『高級素材を使って美味くて安く』ないと買わないというのはチト無理があるだろうし、

偽装は論外としても、

安くて美味ければ良いのではないか?と思っているのだが、

、、、この船場吉兆の場合はどうもいけない。



ミートホープや比内鶏のケースは、

消費者のどんどんエスカレートする要望と、業界の過剰な競争の為、

やむを得ず始めた偽装がやがて常態化し、

発覚した時には、もうその偽装工作がなければ会社が立ち行かないような状態になっており、

もちろんその責任は負わなければならないし、罪は償わなければならないのだが、

私にはどうもその、、憎み切れないところがあるのだ。


しかし、船場吉兆は、もうそのホームページも閉じられて詳細は判らないが、

例えば系列の京都吉兆の場合、

嵐山本店ではお昼ご飯が3万7千円から、夜の会席だと4万2千円からという値段である。


船場吉兆の福岡店(岩田屋7階)のランチも、

もうずいぶん前の話で申し訳ないが、5千円であったように記憶している。


つまり、吉兆はブランドを看板として、価格競争とは縁のない世界で、

いわば殿様商売をしてきたはずだ。


私はブランド商売が悪いとは言わない。

しかし、

彼らに、偽装してまで利益確保しなければならない切羽詰った背景は感じないし、

私から見れば、消費者を鼻で笑って、馬鹿にしながら商売していたとしか思えない。



商品にしろ会社にしろ、

それがブランド化するまでの道のりは、気が遠くなるほど長いものだと思う。


おそらく二代或いは三代の月日をかけて、

先人達が、ある時は倒産の危機に瀕し、ある時は価格競争の波に飲まれ、

或いは一挙に事業拡大の誘惑に駆られながら今日まで築いてきたのだと思う。



船場吉兆や赤福の現在の代表者は創業の苦しみを知らない。


彼らは、先代たちの様々な苦労と年月を、


一瞬にして灰にしようとしているだけなのだろう。







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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
4万2千円! (岩と石)
2007-11-12 20:27:57
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4万2000円あれば

青山辺りの高級フレンチで

ヴォーヌロマネが飲めるぅ~っ(笑)

って言うか、本業を忘れたら企業としてイカン

ということでしょう


その当時、フロッピーディスクのシェアNo1であった

『花王』が、あ~っさりとFD事業を売り払い

本業である衛生・保健事業に本腰を入れなおしたことを思

い出しました。




吉兆も経営母体が複雑に入り組んでいる上に

不動産事業なども展開していて、もはや創業者の

初心は何処へ・・・といったところでしょう




しかし

42000円は高い・・・





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>>岩と石さん (P@RAGAZZO)
2007-11-13 11:50:41
ですよね~、、

4万2千円って、、どんな食材使ってんでしょうねぇ。

でも一生の内一回くらいは食ってみたいような、、(笑)
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