テレビショッピングと主体的価値観

2009-05-26 16:43:19 | 社会


<一連の流れ>
司会者 ネックレスをお買い上げで?
女性客 ネックレスです
司会者 ありがとうございます。
司会者 何点お買い上げくださったのでしょうか?
女性客 5点です。
司会者 5点も~!
女性客 はい。
司会者 5ですね!? ありがとうございます。
司会者 それは何かお祝いやプレゼントにお使いになるのでしょうか?
女性客 内祝いです。

司会者 内祝いですか。あらぁ~! ステキですねぇ~♪
女性客 別にステキじゃありません。
司会者 ……あ、そうですか(笑)。
女性客 別にステキじゃありませんよ。
司会者 ……あ、そうですか?
女性客 当たり前のことです。
司会者 まあ、素晴らしいと思います。ありがとうございます……。
女性客 これ保証書ついてるんですか?
司会者 保証書はですね。ゴールドカード(90日保証書)のほうをお付けいたします。
女性客 あらさっき、オペレーターに言ったら保証書ついてるって言ったんですけど。
司会者 はい、ゴールドカードのほうをお付けいたしますので。

女性客 保証書はついてないんですか? イタリア製っていう。
司会者 イタリア製っていう保証書は……。
女性客 イタリア製イタリア製って随分しゃべってるけど。
司会者 はい。
女性客 保証書はついてないの?
司会者 加藤さん(販売者)、保証書のほうは?
加藤氏 えーっとイタリア製っていうことは間違いはないんですけど……。
女性客 間違いないって言っても保証書ついてなきゃわかんないじゃないの。

司会者 ……そうですねぇ~。でもQVCではその辺……。
女性客 そんなデタラメなことやってんですか!? 保証書つけないでそんなことやっているわけ?
司会者 いいえ……。そういうわけでは……。
女性客 随分ちゃっちぃ感じに見えますね。
司会者 どうも、もうしわけございません。ちょっとお電話のほうオペレーターにつなぎますので。
女性客 いりません私! 5点頼んだんですけど、保証書ついてないんだったらいりません!
司会者 申し訳ありませんでしたー。






生放送というのはなかなか恐いものですねぇ。


このお客さんは内祝いに買った(つまり人にあげる為)訳だから

保証書にイタリア製と書いてあれば、

まぁ箔が付くというか安心できたのであろうが、

人から『素敵ですね』と言われて

『別に素敵じゃない』と応えるのは少し風変わりな方だと思う。



洋服などには『MADE IN ITALY』と裏地に付けてあるものが多いが、

アクセサリーや貴金属にそのような刻印が在る物は少ない。



しかし、通常貴金属の保証書は

その宝石店自身が発行する事が多く、

貴金属の『保証書』とは

その宝石店の責任の下に保証する訳であるから、

この通販屋さんもこのネックレスの販売元に

イタリア製である旨を書き添えてもらえば良いのではないか。



もしそれが虚偽であれば重大な証拠として残るのであるから、

買う方も幾分安心するというものであろう。

しかるに、イタリア製と銘打ちながらそれを証明する術が無いというのは、

少し疑問の残る所ではある。



ちなみに、貴金属は

保証書や鑑定書があるから価値が在るというものではなく、

鑑定など値しないものであっても『鑑定書』は付けることができるし、

大手の会社などには

社内鑑定士を使って大甘の鑑定をした『鑑定書』を付けて

販売促進を促すという所も在る。



要は自分自身の目を信じる事だろうが、

現実には私たちは

ブランドや保証書や鑑定書を盲目的に信じてしまうのだろう。



ブランドや保証書や鑑定書は

参考にはなっても、そのモノ自体の価値を全て現わしているものではなく、

自分自身がそれを【美しい】と思うかどうか?

が問題なのではないだろうか。


、、、、、、、、、、

ちょっと笑える話題のつもりが堅い話になってしまった、、、


申し訳ない。



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
たまにこんな記事でも、良いと思います。 (鰤太郎)
2009-05-27 11:24:58
こんにちは、Pさん。

記事を拝見させていただきました。
いろいろと考えさせられる、記事でした。

私の家のテレビは有線放送が見られるんですけど、

あの、TVショッピングって、ほぼ24時間、放送してますよね。
何度か、見ていると、あのやり方は、うまく人間の心理を利用しているんですよね。

常にリアルタイムで商品が値引きしたり、
売り上げが数字でカウントされ、
売り切れるとソールアウトの文字が表示されたりしますよね。

そして、謳い文句が「こちらの商品は数に限りがございます。」って、
あのやり方なら、人は心理的に商品を買いたくなりますよ。
しかしその陰では、返品される商品が多いんですよ。
たまに見かけませんか?
ディスカウントショップで大量に積まれて、安く売られている健康グッズを、
あれって、
ほとんどがメーカーに返品された商品なんですよ。

どのルートで流れて来たかは、わかりませんが、
メーカーとしては返品された商品は商品価値がありませんから、
処分するしかないはずです。
それでもTVショッピングはやめないですし、
売り上げは下がらないんですよ。

それほど顧客の方やリピーターが多いんですよね。

もしかしたら、
大手デパートを閉店に追い込んだ、
原因の一つかも知れないですね。
そう考えると、何か怖いものがありますね。

ちょっと記事とズレましたね。
申し訳ないです。
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活路 (P@RAGAZZO)
2009-05-27 12:08:59
鰤太郎さん、こんにちは。

>>たまにこんな記事でも、良いと思います。

ありがとうございます。

テレビショッピングというのはなかなか強力な販売ツールなんですね。
私は買った事がありませんが
周りには買ったという方がけっこう居ます。

百貨店の衰退はもちろん自身の努力不足もあるのでしょうが
鰤太郎さんのおっしゃるようにテレビショッピングや通販、
ネットショッピングなどの無店舗型販売チャネルとの競合は
非常に大きな要因であり、
多分に購買経路の構造的問題が主因なのかも知れませんね。

百貨店は規模が大きすぎて難しいでしょうが
専門店であれば
記号化されない商品や触らなければ解からない商品、大量生産しない品物など
には活路があるのではないかと思います。

本などは同じ題名であれば同じ価値が在る(最も記号化されやすい品物)わけですから、
街から本屋さんが消えていくのは道理なのでしょうね。
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