『自分らしく』残飯漁って一生過ごせ。

2009-08-07 13:39:12 | 社会
【正論】社会学者・加藤秀俊 外国人に「働いてもらう」不思議
2009.8.6産経新聞


 ≪そこらじゅう人手不足でも≫

 健康診断をうけにいったら、
案内してくれたお嬢さんの胸の名札がカタカナで表示されていたので、
どこからきたの?ときいたら「ベトナムです」という答えがかえってきた。

 旅行先のホテルでルームサービスの朝食を運んできてくれたのは
韓国からの留学生であった。
深夜に道路工事の現場のちかくを通りかかったら、ヘルメットをかぶり、
汗だくになって作業をしている労働者のなかには、あきらかに東南アジア、
あるいは南アジアからきた、と識別のつくひとびとが何人もいるのに気がついた。


 日本全国、あちこちの農村では人手がたらず、
中国から大量の手伝いを農業研修生という名でうけいれることにした、という。
いくら求人広告をしてもだれもきてくれない。
ことばが通じなくて、たいへんな苦労だが
こうして中国に労働力をもとめることにしたのだそうだ。

 わたしのさいきんの経験からみるかぎり、
いまの日本では労働力が不足しているのである。
介護、看護の世界でも人手がたりないから、
ついにフィリピンやインドネシアに労働力をもとめるようになった。
たいへんな人手不足なのだ。


だが、ふしぎなことに、おなじ新聞には日本の失業率が5%になった、とか、
しごとがなくてネットカフェでその日暮らし、あるいは路上生活をしている、
といったひとびとの生活も報道されている。

外国人労働者にきてもらわなければ
どうにもならない労働力不足の現場があるというのに、
どうしてそういう人手不足のところに
これらの日本人が就職して生活の基礎をつくらないのか、
わたしにはいぶかしくおもわれる。


 もちろんひとくちに失業者といっても、そこにはいろんな事情があろう。
高齢で身動き不自由というひともいるし、
持病があって働けないひともいる。それはしかたない。
こうした不遇なひとびとにはしかるべく社会保障があってよい。

しかし、ごくふつうの健康なからだをもっていながら
「しごとがない」といっているのは不審である。
あれだけ人手不足で困っている現場があるのだもの、どんどん応募したらどうか。
かならずしも特殊技能を必要とせず、
必要なら訓練期間中、手当もだしましょう、という制度だってある。


 とりわけオカシイのが若年失業者、ならびにその予備軍である。
いわゆるニートとかフリーターとかいった若者たち。

それというのも、かれらの言い分をきいていると
「自分らしいしごと」にめぐりあえないから失業中
というセリフが定型になっているからだ。

職業紹介の施設、機関にゆくと求人はたくさんある。
でも、どれをみても「自分らしく」なさそうで魅力がないからヤメた。
だから、ブラブラして毎日を食いつないでいるというわけ。

 じっさい、ついこのあいだもテレビをみていたら
「六本木あたりの外資系のしごと」につくのが「自分らしい」
のだと答える青年がいたのにはびっくりした。

冗談じゃない。
たしかに東京都港区六本木の超高層ビルの
瀟洒(しょうしゃ)なオフィスというのはおなじみの花形。
カッコいい舞台にみえるが、
そんな職場や職業にありつけないから「自分らしく」ない、
だからなにもしないでボンヤリしている、
などという発想がどこからでてくるのだろう。

後略 (かとう ひでとし)






あぁ、その通りそのとおり。



外資系のしごとじゃなきゃ、



『お前らしく』ない。



だから一生失業してろ。




だけど、



『食えないから助けてくれ』なんて絶対言うな。



だって、『お前らしく』ないだろ?




六本木辺りの、



ビルの谷間に残飯漁って



『お前らしく』一生過ごせ。



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2 コメント

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似た者同士? (怒羅衛門)
2009-08-07 18:44:02
この記事のように食うために働こうとしない輩は論外ですね。ただ、労働に対して適正な賃金も払わずに、安易に低賃金で済む外国人労働者に依存しようとする一部の経営者にも問題があるのではないでしょうか?
労働者側、経営者側、双方とも何かと言い訳をつけて、現実と向き合おうとしない点については「似た者同士」、私はそう感じました。
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入れ替わった立場 (P@RAGAZZO)
2009-08-08 11:51:54
怒羅衛門さん、こんにちは。

辛くて安い賃金の仕事を嫌がる日本の労働者と、
そのような仕事に就く人材を外国人に求める企業、、、

鶏と卵の関係のようですね。

新自由主義、というか米国型のドライな雇用関係が進み
歪みが出てきているのでしょうね。

しかし、旧日本型の終身雇用重視を指向するのであれば、
バブルの頃の労働者たちの身勝手な動き
(入社してもすぐ辞める、サラリーの高いとこに簡単に移る、
 辞めても職はいくらでもあると遅刻欠勤は当たり前)
を総括すべきだと思います。

立場が入れ替わったという事なのかも知れませんね。
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