『想像力』と『リアリズム』

2007-07-29 17:37:06 | 社会
自衛隊が新潟県中越沖地震で被災した住民の方々に野外風呂を設営し、
皆さんに喜んでいただいている様子がテレビ等で報道されていたが、

この自衛隊員自身は風呂に入れず、
中には10日間も入浴できていなかったらしい。

自衛隊は、被災者支援が目的として、
自分たちの入浴の希望を伝えなかったが
「給食を調理する隊員もおり、衛生上も問題」
として柏崎市に申し出たとの事だ。





なかなかほほえましい事だし、市側もそこまで気が回らなかったのだろう。


又自衛隊員の
良く訓練された献身的で自制の効いた態度に私は好感を持った。



自衛隊というのは

「我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対し我が国を防衛することを主たる任務とし、
 必要に応じ、公共の秩序の維持に当たる」(自衛隊法第3条第1項)
ことを任務とし、


陸上自衛隊は

普段は、野山を駆け回って小隊で厳しい訓練に耐え国家防衛の任務に服する他、
地元との交流行事に参加、災害派遣や復興支援等の活動を行う。


とあるから、
この場合10日間風呂に入れなかったのは陸上自衛隊隊員の諸君であったのだろう。




自衛隊の災害派遣というのは、
各都道府県知事、災害対策本部長などの要請によって救済活動を行う。

しかし、緊急に人命救助が必要な場合で都道府県知事等と連絡が取れない場合は
要請がなくても部隊が派遣されることがあり、
このような場合は「自主派遣」と呼ばれる。(自衛隊法第83条2項但し書き)




私のような凡人には、
地震等の災害時に助けに来てくれる自衛隊はありがたい事だなぁと思うばかりなのだが、
世の中にはそうは思わない人達もたくさん居る。




理由を聞いてみるとなかなか面白い。



①出動がおそい。

②人命救助の役に立たない・能力が低い。


私はそうは思わないが、例え遅かろうが低かろうがそれがどうしたの?
来てくれるだけでもありがたいとは思わないのだろうか?




③災害派遣およびその訓練は、
 最終的には治安出動や防衛出動にも活用されるであろうものであり、
 単なる災害救援のためのものではない。


これは左側の方たち特有の極端なロジックがあって

(A)「災害派遣は治安出動or戦争のための訓練だからだめ」
なぜなら
(B)治安出動は国民を弾圧するから」
だから
(C)「災害派遣は国民を弾圧or外国を侵略するために行われている」
というもの。
http://members.jcom.home.ne.jp/tokakushin/saisin108/bousai10821.html


まぁ、色眼鏡を三枚くらい掛けて薮睨みをしてみると
こういう考えになるかも知れませんね。



さらには、

④自主派遣は、文民統制に反する行為だ。
 “国民の為”と根拠命令抜きで動くのはクーデターと同じだ。

という意見など、様々な災害派遣に対する否定的意見がある。




これらの意見をぼんやりと眺めてみると、

この否定的意見を述べている人たちの頭の中には
被災地の苦しんでいる住民の顔が全く見えていないという事がわかる。




彼らは常に空想的で、国を疑い、極論に極論を重ね、

その事を【想像力】であると信じ、

『それでは現実にどうするのか?』という【リアリズム】を見失う。




しかし、

当然の事ながら、


彼らは彼らが猜疑する国家にリアルに存在するという“事実”の真っ只中にあり、


国の道を走り、水を飲み、電気を使い、



、、、、、、、そして被災した時には、自衛隊員のお世話になるのである。





誠に、、、、屈折した、、、、不幸な人々であると言わねばなるまい。




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