『言論の自由』は『マスコミの自由』か?

2008-11-12 16:14:55 | 時事


参考人の前空幕長 この期に及び強弁とは
'08/11/12 中国新聞


 自分のしたことのどこに問題があるのか、と開き直っているかのようだった。参
院委員会にきのう参考人として招致された田母神俊雄・前航空幕僚長である。

 侵略戦争の反省に立って歴代政権が踏襲してきた「村山談話」を否定するような
論文を発表して、更迭された。それでも非を認めようとしない。こうした人物が航
空自衛隊のトップにいたことに、空恐ろしささえ感じる。

 田母神氏の弁明のポイントは二つに絞られよう。一つは「侵略国家だったという
のはぬれぎぬ」と書いた論文は村山談話の見解と相違しない―という主張だ。

 村山談話は「植民地支配と侵略でアジア諸国に損害と苦痛を与えた、という事実
を謙虚に受け止める」としている。

 田母神氏は、この談話は、どの場面が侵略だとか具体的に言っていないから矛盾
はない―という。しかしこれが説明になっているだろうか。

 自衛官にも言論の自由がある、というのが第二の言い分だ。「政府見解による言
論統制はおかしい」とも難じた。

 確かに言論の自由は民主国家で最も大切にされなければならない
基本的人権の一つである。しかしもともとは弱者の言論を守るための権利だ。
影響力の高い地位にいる人が、その力を後ろ盾に自説を吹聴するために持ち出す論理ではあるまい。

 村山談話は、戦後五十年に当たって、国の基本認識を対外的に
示した宣言ともいえる。公務員、とりわけ戦闘集団を統率する立場ならば
絶対に逸脱してはならない。


 そうでないとシビリアンコントロールは形だけになる。その制約を「言論統制」
とすり替える言い方には、文民統制への挑戦のにおいさえ感じる。

 こうした振る舞いに「なぜ懲戒処分にしなかったか」と政府側が追及されたのは
当然である。しかし浜田靖一防衛相らの答弁はいかにも及び腰だった。

 懲戒に入ろうとしたが、それには審理の手続きが必要だ。本人が「論戦」を仕掛
けてきたら時間がかかる。迅速に処理するために定年退職とした―という。

 分かりにくい説明である。しかもこれで退職金六千万円がそのまま田母神氏に渡
る。防衛省幹部は減給などの懲戒処分をしているのだからバランスにも欠ける。

 とても国民が納得するようなけじめとは言えまい。少々逸脱してもこの程度の処
分か、との気分が自衛隊に広がるのも怖い。

 自民党の国防議員の集まりでは田母神氏を擁護する声が相次いだという。与党の
中に村山談話に縛られたくない人たちがいて、それに意を強くした田母神氏が今回
の行動に出たとするならば政権与党の在り方の問題でもあろう。

 過去の過ちに向き合うのはつらい。しかし勇気を持って過去を見据え、
二度と繰り返さない方途を探ってこそ、日本は国際社会で信頼される国になる。
その点をもう一度、心に刻みたい。






 
この中国新聞ばかりでなく、

今日の新聞は『言論の自由のはき違え』(読売)とか

『内部の隊員教育までゆがめる「自由」は無い』(朝日)とかで、

どうやら日本国憲法 第21条

集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

は嘘らしい。


そうでなければ

基本的人権である『言論の自由』は

マスコミが恣意的に適応したりしなかったりできるはずが無い。


『言論の自由』の基準は何か?

そもそも基準などあるのか?

あるのなら憲法の何条に書いてあるのか示して欲しい。

そも、

マスコミが犯罪被害者の氏名や映像を

勝手に報道しているのは『言論の自由』か?


『言論の自由は弱者の権利』だったそうだが、

『言論の自由が無い』という時点で既に弱者であり、

中国新聞のいう強者とは何か?

田母神氏は強者か?

政府に『言論の自由』を奪われた弱者ではないのか。


『村山談話は絶対に逸脱してはならない』そうだが、

『絶対』とはどういう意味か?

『村山談話は絶対である』という法律でもあるのか?

何条に書いてあるのか?


そして最後に

『勇気を持って過去を見据え』であるが

その通りである。


であるから、田母神氏は

『勇気を持って過去を見据え』た論文を書いた。


中国新聞や他のマスコミも

『勇気を持って過去を見据え』てみたら如何か?












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2 コメント

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「言論の自由」と「文民統制」 (P@RAGAZZO)
2008-11-13 12:09:43
こんにちは、怒羅衛門さん。

全く同感です。
民主国家であるはずの我が国において
右であろうと左であろうと自由な発言が
許されないというのはあってはならない事です。

自衛官といえども言論の自由は厳然としてあります。
その上で、軍(自衛隊)のトップである文官が
この軍人は幕僚長としてふさわしくないと判断すれば
更迭すればよいのです。
それが文民統制というものですね。

ですから、今回、
私は田母神氏が更迭されたところまでは納得していますし、
田母神氏も納得していると発言しています。

今回の事は国会議員や、ややもすると政府でさえ
「言論の自由」と「文民統制」を正しく理解していないのではないかと
思われるところに問題がありますね。
返信する
これでは (怒羅衛門)
2008-11-13 08:02:31
サヨクのみなさんが忌み嫌う「戦前の日本」とやっていることは何ら変わりませんね。国の方針は絶対的なもの、それに反論することは何人たりとも許さないというのは、過去も現在も変わらないようです。
私も田母神さんとは異なる歴史認識を持つ者の一人ですが、今回のように、それを排除しようというのは間違っていると思います。今回の参考人招致、あれは数にモノを言わせたイジメのようなもの、歴史認識についての議論がなかったのが残念です。
マスコミも批判をするならば、田母神さんの論文を掲載して、何が間違っているのか、具体的に批判するべきでしょうね。
核保有の議論にも言えることですが、議論どころか語ることすら許されないというのは、「言論の自由」が認められている国としてどうなんでしょうか?
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