
一般的に雨の日とその後は農作業に向いていません。
とくに冬。風邪をひきやすいだけではなく、土も流れやすくもろくなっています。水やりもしなくてよいので、お休み日だと気を緩めがち。
ところが、環境次第では、むしろ雨後にこそ作業を進めたほうが良い場合もあるのかもしれない。
半ばあきらめつつ、雨が降った後の観察がてら圃場を訪れてると、意外な気づきが得られることもあります。
2025年1月9日の天気予報では、全国的に雪で大荒れ。
最強寒波到来で大騒ぎ、ご当地県も最高気温が6℃で、さすがの私も自室にこの冬はじめての電気ストーブを設置したぐらいです。この日は午前中に雨が結構降っていて。

畑では第1~2列目の畝のあいだに水がたまっています。
汲みだすほどではないけれども、以前もここたまっていたんですね。ここは北側で建物の影に入るので、水はけがよくないのかも。第4列目以降、南側にいくほど土がかなり固く、コンクリみたいになってしまうのです。その違いが、雨のあとに行くとよくわかる。
今回は偶然にも雨に助けられたお話をします。


【その1】
4日ほど前にあやまって濃いめにかけた酢スプレーの被害がなんとか小さめ。日照不足のためにかけた酢ですが、希釈を誤って逆効果に。濃い緑だった葉も黄緑に近くなっていて危険信号…(汗)。しかし、思ったほど枯れてはいない。株もとの土はかなり湿っていたので、通常の水やりも、間引きもやめました。実はこれで、他の作業をする時間が生まれたのですね。
【その2】
第一弾コマツナ群の後作に、シュンギクの種まきが思ったより早く進む。
すでに畝づくり済みで、収穫後に元肥の鶏ふんも入れていました(12月27日)。

この鶏ふん、2センチぐらいの深さの筋をつけて蒔いたのですが、数日後に風で土が飛んだのか、表面に浮き上がっていました。土の中に混ざっていないのかやや心配ですが、ひさびさの雨でなじんだと思いたい。

コマツナはカルシウムをかなり吸収するので、収穫後は酸性に傾きやすく、次の作付けに悩んだのですが、けっきょく種が余っていたシュンギクに。
2列分なので、種をふたつの器に等分。畝に鎌の柄で穴をあけ、種を3~5粒ずつ落としていきます。
風が吹いていたので、穴はすこし深めにして飛ばないようにしました。セキレイさんも狙っていたので威嚇しながら(笑)。


このシュンギクの種、第三弾の12月8日種まき時は薄暗くて覚えていなかったのですけども。この日、14時ぐらいの明るい時刻にみると、色が土に近いのでわかりづらいのですね。こぼしていても見逃してしまうかも。
シュンギクは発芽も遅いらしいので、次回は選びたくない品種です。
実際、第三弾の畝で、コマツナやダイコンに負けています。もしあまりに生育が遅かったら、畝をそろえるために他の作物に変えるかもしれません。コンパニオンプランツとしてよさそうで冬に耐性がありそうだから選んだのだけども…。
雨のあとなので、穴開けもすぐできて、覆土も穴の側の土を指先で寄せるだけ。これまでは畝のあいだの土を鎌で削ってかぶせていたのですが、これがけっこう労力がいるんです。土が固いとね。
土もぬかるんでいたので、種まきあとの水やりも少なめでオッケー。
かなりの時短になり、2列とはいえ、10分ほどで終了。セキレイさんが種を狙っていたので手早く覆土できて助かりました。
この畝はいちどコマツナをつくったあとなので、土もかなり細かく団粒化されており、耕しやすかったもの。
元肥の鶏ふんを施す前も、畝を壊さないように、三角鎌で堀り上げていっただけで済みました。
いちど使った畝を再利用するって便利なんですね。ただコマツナを連作できないのがネックだけども。
【その3】
第五弾畝の準備。
実はこの日、作業時間4時間ほどだったのに、超時短で最後の土づくりまでこぎつけました。この圃場の畝はすべて完成。うまくいけば、今月中にもまた種まきできそうなのですが、この作業については別記事で。
雨がつづくと株が根腐れを起こしたり、光合成不足で葉が薄くなってしまいます。
いずれ梅雨時に訪れるような事態を想定したような模擬訓練ができた、特別な日だったと感じました。しかし、夕方、かなり寒く足先が凍るほどの冷たさ。しもやけが酷くなったものの、作業が予定以上に進められて大満足だったのでした。
(2025.01.09撮影、2025.01.10記録)