陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

映画「フロム・ヘル」

2009-04-15 | 映画───サスペンス・ホラー

ジョニー・デップをパイレーツ・オブ・カリビアンの陽気なジャック・スパロウ船長でしか知らなかった私にとって、この紳士ぶりは意外でした。あらためて、彼の化けようの凄さを実感した次第。
しかし、このひとはこうした怪奇じみた物語がとみによく似合うのか。今回ご紹介する話も奇々怪々、さらに恐怖度五割増の映画「フロム・ヘル」(From Hell)です。実在した殺人犯、切り裂きジャックの恐怖伝説を下敷きにした、〇一年制作。

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微妙にネタバレです。
ときは十九世紀後半、ヴィクトリア王朝時代。
ロンドンでは、娼婦ばかりを狙ったいとも残忍な連続殺人事件が発生。捜査を担当したアバーライン警部(ジョニー・デップ)は、二年前に妻子を亡くし、アヘンに溺れていた。聞き込みをつづけるなかで出会った赤毛のうつくしい娼婦メアリー(ヘバー・グラハム)と恋に落ちたアバーライン。
しかし、アヘンの影響で幻覚をみつづけてしまうアバーライン。そんなときにかぎって事件は発生し、メアリーの仲間である娼婦がつぎつぎと殺されてしまう。

事件の陰に、上流階級とひそかに通じた秘密結社フリーメイソンの存在が。さらには王子の放蕩もあきらかに。アバーラインは王室の主治医ウィリアム卿に犯人のアタリをつけて詰め寄るが埒があかない。
やがて、最後に残ったメアリーにも、切り裂き魔の刃が…。

ラストはどうなのでしょうか。とちゅうからなんとなく犯人はわかってしまいそうでもあるし。
主人公がすこしかわいそうという気がするけれど、浮かばれているのではないかと思います。

あと、ヴィクトリア朝なのにOPをロック風にアレンジしているのは、ディカプリオ主演の「ロミオとジュリエット」のよう。
じっさい当時は、石炭の黒煙こもった恐怖の闇の街という印象がったはずですが、W.ターナーの絵に描かれたような霧が浄化されたような空気感がありましたかな。しかし、事件のおこる夜の街角の暗さはおぞましいさじゅうぶん。血の鮮明さもひきたつほどに。
ついでにいっときますと、微妙に百合シーンがあったりして(笑)

しかし、食事をしながら観る方は要注意(苦笑)
紅茶を飲むのが恐くなってしまいました。

(〇九年四月十五日)



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