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陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

わたしたちはなぜ働くのか?

2025-06-09 | 仕事・雇用・会社・労働衛生

働くことの意味がわからなかった若い頃の自分に向けて、タイムマシンで戻って顔を引っぱたきたいために、いまさらのいまさらで書いています。

私は職場で何度も失敗しています。
人間関係でこじれ、簡単な作業すらできず、資格や学歴を高く評価されたもののポンコツ扱いになる。過集中すぎて時間配分をまちがい、みんなと雑談することもできず。コミュニケーションがとれない。会社の中枢で仕事をしたいのに、非正規仕事だと端っこの雑用係になることも。転職を繰り返すものだから、いつもいつも新人からのスタート。年下のビジネスマナーに慣れた上司や先輩に偉そうにされ、凹んでしまう。

個人事業主上では一国一城の主でも、会社ではしがない新人で下っ端。
ブログで華々しく書いてはいますが、実情はそんなところ。よく起業したひとがビジネス本を書いているのも、会社組織になじめなかったり、出世競争に敗れたりしたからだと思います。私はこうした自己啓発系を読むたびに、向上心とコンプレックスがないまぜになった気持ちを抱きます。

現時点では、フリーランス請負も増えていますし、会社に属するだけが働くことではりません。ただ、これまでプライベートでお付き合いのあった、あるいは仕事上で出会った小規模事業主さんは、なんというか、働くことの意味を取り違えているなと思う方が多かったです。

彼らの言い分では、自分がトップになりたい、自由になりたい、売上は自分の好き放題に使いたい、時間にしばられない。そんな言い分でした。現にサラリーマンでありながら、将来は独立したい。あるいは、今の会社で出世は望めないので、どこかの会社や事業主へ婿入りして事業承継したいという希望者もいました。社長になれば高級車を乗り回し、ブランド物を身に着けて他人を見下すことができる。

残酷なことを言いますと。
こうした楽して起業したい、社長になりたいひとの大半は失敗します。
自分の見栄だけで、誰かに使われるのがいやだから。そんな理由で起業しても、わがままさがいずれ顔を出して仕事をもらえず、従業員も去り、家族からも見放されます。借金だらけになり、くだらない本を売りさばいて、無料ブログでもできそうな説教をくりかえすのが関の山でしょう。

健康上の理由から、あるいは介護や看護などの家庭の事情から、会社の労働時間に縛られて働けないひともいるでしょう。
しかし、個人事業主は労災が適用されず(特別加入することはできるが)、また健康保険も国保なので、協会けんぽや組合けんぽに比べると充実していません。それに、経営者は経営者としての社会的義務があります。事業の適正な会計をおこない、税務申告をし、従業員の労務管理をやり、地域社会に貢献する。

これは誰も雇わないひとり社長でも同じことです。
ひとり社長は、営業、経理、決算申告、など経営に必要なことをすべて自分でやらねばなりません。法人化していなくとも、売上のない事業主でも帳簿をそろえる義務はあります。収入印紙が何かを知らない、判の押し方も知らない、ビジネストークも電話のかけ方もおざなりなまま、なんとなく独立しても痛い目に遭います。私が実際にそうでした。行き掛かり上、個人事業主になり、資格も取り、有頂天になっていたあとで、何度も何度も苦い思いをくりかえしてきました。

働くことで、人と繋がり、ひとから評価され仕事をもらい、世の中を豊かにする。
働くとは「傍」を「楽」にするだけではない! 周囲を助け支えることで、やがて自分にも恩恵が戻ってくる。社会の一員として信頼され、能力を磨くことで、自分自身が成長できるという報酬は、何にも勝る財産です。自分に実績と自信があれば、他人の築き上げたものを妬まず、羨まず、尊重して自分もそれに並ぼうと努力することができます。

株で儲けたいとか、楽して生きたい。自分を評価してくれる別の地域に逃げたい。資産を築いて、暮らしたい。ホリエモンのように威風堂々としていて、バカな社会人とは付き合いたくない。セミナーを開いて、お金を巻き上げてひと儲けしたい。失業保険で食いつないで暮らしたい。
そんなひとに出会うたびに私は思います。目の前の仕事をきちんとできないひとに、立派な仕事なんてやってこないのです。なんどもつまづいて、泣いて、負けていた自分に向き合わずして、どこにいこうが、誰に会おうが、自分が変わるわけがありません。働いていないと、からだは老化が激しく、こころもくたびれます。適度に仕事があるのはいいことなのです。

(2020.11.23)

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