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陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

【画像№033】神無月の巫女の巫女考 その2(2025/04/12)

2025-04-12 | 感想・二次創作──神無月の巫女・京四郎と永遠の空・姫神の巫女


(画像は原作者介錯先生筆のポスター、お気に入りの絵です)

私は神無月の巫女の前世編を公式で読みたいと考えているファンの一人なのですが。
なぜ、前世編かといいましたらば。それはまちがいなく、登場人物が着物を着ている時代だから、であります。私自身があまり着物を着るのが苦手(七五三で着せられて吐いたことがある)だから、よその人が美しく着こなしているのは憧れがあります。大学の合気道部も袴に憧れて入部したな。晴れの日に着る文化、民族衣装、日本人らしさ。馴染みたくてもなじめない連帯感の、祖先とのつながりみたいな。

神無月の巫女にハマって、二次創作小説なんぞを20年来、コツコツ書き溜めてきて。
なにが楽しいかといえば、この作品の和風テイストを味わうための資料調べ。巫女とか神道とかに興味をいだいたのは本作がきっかけでしたし。もともと仏像鑑賞は好きでお寺の建築(法隆寺や鶴岡八幡宮だとか)廻りは旅行がてらするほうでしたが。学生時代に、安倍晴明に関する漫画のおかげか若い女性中心にスピリチュアルブームが巻き起こり、現在では神社はSNS映えスポットとしてひそかに訪れる方も増えているのだとか。私も家が春日神社の氏子だったので、定期的に参拝しにいっています。そこの神主さんにお裾分けでよく、お供えのお菓子をいただいたりするのですね。

読むと楽しく、知的好奇心が刺激されるウィキペディア。その情報によれば、巫女の始原は、日本神話の天岩戸伝説のアメノウズメの踊りにさかのぼる。
日本の歴史上でも、魏志倭人伝に登場する3世紀の邪馬台国の女王卑弥呼は、いわゆる巫女であったと伝えられています。政治の表舞台に女性神職があらわれるのは稀で、出雲阿国が歩き巫女だったとか、東北地方や沖縄のシャーマンも巫女の類だとか。伊勢神宮の斎王(いつきのみこ)は生涯、貞操をまもった皇女がなられたのだとか。室町から戦国にかけて暗躍したくノ一も、巫女の亜種だったとか。娼婦めいた役割もあったとか、神聖なイメージが剥がれる真実もある。なかなかの驚きです。本格的な神楽、実際に観たことはないけれども、いつか拝見してみたい。

巫女といえば柳田国男の『巫女考』など、民俗学的資料が著名ですよね。
あまり専門的な学術書はハードル高くて。初心者向けの解説本を日本書紀や古事記もふくめ、十数年かけて、ちょくちょく読んできましたが。そのおかげで素人ながらも、神話のことが知れたり、日本の古神道のことが学べたり。むかし、ある二次創作者さんが日本神話は日本人の教養、ぜったい読むべきと書いてあったのですが、聖書と同じで、誰でもどこでも読めるお話としては、確かに面白いものですよね。

山岸凉子の漫画『日出る処の天子』や手塚治虫畢生の大作『火の鳥』の太陽編(最近NHKで再放送されていたが、主人公のCVがツバサ兄さんこと松本保典氏だった(大歓喜))でも描かれているように、日本の宗教史でいえば、古来の土着の神が国家安寧と法整備のための仏教文化に押しやられ、迫害された過去があります。仏教は女人禁制の世界(尼僧は女性ではないという扱い?)でもあったので、なおさら、宗教界から女性の影は払拭されていくことになったのでしょう。

女性神職は、明治の廃仏毀釈令と神社の再編にともない、その数を激減させます。
戦後になってから、とくに平成期には寺社仏閣の跡継ぎや担い手不足にともない、巫女というよりは女性が権禰宜になっていて、来客を呼び寄せているケースも目立っています。巫女と聞けば、どうしても神主の補佐的な、神社のマスコット・看板娘めいた印象がありますが、現在ではかつての卑弥呼や斎王同様に、そのお社の顔となっていく事例もこれからずっと多くなるのでしょう。巫女さんの写真ってけっこう多いですけども、カメラ愛好家たちにひっきりなしにマークされてるんだろうな(笑)。気持ちはわからないでもないですが。

ところで、千歌音ちゃんと姫子って、アニメ版では巫女であることは公然の事実ではないようなのですが。
大神神社の巫女バイトをしたりするのでしょうか? あの宮様が働かれている! となったら、かなりのこと繁盛しそうで、大神カズキ先生は大喜びな気がします。妄想したら楽しそうです。




【Image】画像で語る、すこぶるアガる、神無月の巫女

神無月の巫女20周年、その前に、そしてこれからも。二次創作小説の更新時お知らせ記事につけていた画像。たまにコメントをつけていましたが、いい機会なので、ちょこっと遊んで企画化してみることにしました。



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