年季の入り過ぎた二次創作者には、平成っ子、令和ベビーが知らないとんでもない黒歴史があります。おめでとう、今日から君は立派なデュエリストならぬ、底なしの二次創作者。妄想がもうどうにもこうにも止まらない、永遠の愛憎渦巻くアマチュア創作沼の世界へようこそ。今回はもはや抜け出せない超人ならぬ廃人編です。
・とうとう同人誌デビューを果たしてしまう
二次創作だけなら現在はオンラインでもできますが、平成半ばまではごく限らられたパソコン通信ヲタクのみの特権でした。全国にいる同志を求めたいチャレンジャーな二次創作者は、コミケやイベントデビューをしてしまいます。締切りが、ネームが、とSNS上で病みツイートしたり、自己資金も投入してるだけに売上が気になったり、もはや趣味が趣味でなくなるのが辛いところです。そして、若い世代に競り負けて、老いを感じて引退をちらつかせる構ってちゃんになるところまでがデフォ。
・推しキャラに私服を着せるとモーレツにダサい
精神年齢がバブル時代で止まってしまうと、女子高生に小学生みたいな服を着せてしまうこともありえます。最近では現実のファッションが20年ぐらいの周期で回帰しているのか、バブル時代の体形の見えづらいふんわりファッションがリバイバルしてるように感じます。ファンタジーで制服やら戦闘コスチュームが常備のキャラとかはありがたいですよね。
・絵柄がもはや化石がかっている
絵描きさん限定ですが、画風にも当世のブームがあるようで。私はどっちかといえば、絵から作者がすぐわかるような個性あふれる描き方が好きなのですが。一周回って、わざと往年の少女漫画のような誇張された目の顔を描いたりする人もいたりしますよね。最近の傾向としては、ディズニーアニメやら3D ゲームやらの立体画像が出回っているせいなのか、やたらと陰影が濃ゆい肉感的な人体描写が多いですよね。逆に人形じみてて怖いと見える時もあります。
・中の人どうしのカップリング妄想で楽しむ
不健全な二次創作脳が極まると、声優さん同士をカップルにしてあれやこれや妄想してしまう領域に達してしまいます。BLとかGL案件だとよく見られる事象です。最近は公式側も心得ていらっしゃるのか、声豚の意見に傾聴しすぎているのか、わざわざ人気作でぺアだった声優さんを共演させたりの、忖度したキャスティングを見かけます。でも、ツィッターなどでご本人たちの微妙な距離感を知ってしまい、なんとなく気まずくなることはないのでしょうか。中の人の実態が分からない時代だからこそ夢見られたのでは。声優さんがアニメキャラ以外とは結婚しないと信じている人もいたりして、さすがにそれは…。
・現金書留を知ったのは、同人活動からだったりする
ファンの全プレ企画では、切手を送っていたもの。現金書留の使い方を知ったのは同人誌の通販から。ところで、現在は電子決済や現金でもコンビニ振込や代引きもあるので、ほとんど知らないままの人も多いのでは。私が現金書留をしたのは、事務職での精算作業からでしたが。同人活動は、意外にも印刷会社や日本郵便の経営を支えていたのかもしれないですね。なお、昔の同人誌の後書きなどは通販の連絡先で、個人の住所が露骨にさらされていて、なかなか凄い時代でした。
・放映局や出版社宛にイラスト付き応援メッセを送り付ける
二次創作ではなくとも、やたらとカリカチュアされたタレントの似顔絵だとかを番組の公式サイトやお便りコーナーに送る人、今でもいますよね。たぶん、子どもの頃はアニメ雑誌などの投稿常連で、同人誌を出しているかピクシブなどで発表で、神と崇めたプロ創作者に見てほしくて送り付けた経験がある人でしょう。ちなみに私、絵は描いていましたが、雑誌投稿や公募のイラスト選に応募はしても、出版社の原作者宛にわざわざ直筆を送ったことがありません。現在だと、ツイッターなどSNS含め、個人が個人の二次次創作物を手元で置いておけるのですが、在りし日の絵描きたちはどうしていたのでしょうね。コピーをとったりしていたのかしら。
・三十路になったら、二次創作熱が醒めてしまう
創作そのものが好きならば、オリジナルへ向かう。あるいは次々にハマれる作品を渡り歩く。しかし、ある日、熱意が尽きて賢者タイムが訪れると二次創作モチベーションががくんと下がることがあります。二次創作熱が冷めたせいで、公式まで攻撃しだしたりする反抗期すら訪れます。しかし、アラフォーになると逆にぶり返すこともあるので要注意です。決意して二次創作絶ちしても、リバウンドが怖い。取り返しのつかないうちにヲタクから足を洗うのがいいのですが、もう病気だと諦めて一生付き合っていく覚悟を固めたほうがいいかも。
老人ホームに入ってもアニメ見たり漫画手放さなかったり、そんな老人が今後大量に生まれそうですよね。そのうち介護グッズまで、アニメキャラデザインものになってそうな悪寒がします。痛車があるぐらいだから、そのうち痛ハウスや痛ロケットや痛国旗やらが出てきてもおかしくはないですね…。
【二次創作者、この厄介なディレッタント(まとめ)】
趣味で二次創作をしている人間が書いた、よしなしごとの目次頁です。
二次創作には旨みもあれば、毒もあるのですね…。