陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

コロナに負けない緊急支援経済対策(後)

2020-06-19 | 政治・経済・産業・社会・法務

今回は主に事業主さま向けに、新型コロナウイルス感染症の経済支援策をまとめてみました。資金繰りのための融資にくわえ、今話題になっている持続化給付金や納税猶予・減免、従業員の雇用維持のための助成金など豊富にあります。

経済産業省の特設サイトでは、新型コロナウイルス感染症関連の企業支援策が一括にわかりやすいです。また、新型コロナ支援関連をふくめた企業向けの補助金・助成金探しは、補助金ポータルで検索、交付申請すると便利です。

中小企業向け融資制度は、地方公共団体によって名称が異なるようです。

〔借り入れ〕
a.セーフティネット資金・経済変動対策資金・経営安定借換資金
都道府県の中小企業向け融資制度。低利・低保証率の融資。対前年比同月比の売上高減少幅に応じて、市町村から認定(セーフティネット保証4号/5号 または 危機関連保証)を受けることが必要。

b.新型コロナウイルス感染症対応資金
都道府県の中小企業向け融資制度。利子当初3年間無利子実質無利子、保証料なし。
市町村から認定(セーフティネット保証4号/5号 または 危機関連保証)を受けた事業者が対象。

⇒相談先:各都道府県信用保証協会など

c.新型コロナウイルス感染症特別貸付
日本政策金融公庫の融資制度。低利子・無担保融資。
上限3億円、返済期間15~20年以内、据置5年以内。

d.生活衛生新型コロナウイルス感染症特別貸付
日本政策金融公庫の融資制度。低利子・無担保融資。上限6000万円、返済期間15~20年以内、据置5年以内。
事業規模ごとの売上高減少幅に応じて、特別利子補償制度適用あり(当初3年間実質無利子)。

e.新型コロナウイルス対策マル経融資
日本政策金融公庫の融資制度。低利子・無担保融資。上限1000万円、返済期間7~10年以内、据置3~4年以内。商工会議所、商工会または都道府県商工会連合会の実施する経営指導を受けており、商工会議所等の長の推薦が必要。

f.危機対応融資
商工組合中央金庫による低利子・無担保融資。上限3億円、返済期間15~20年以内、据置5年以内。
事業規模ごとの売上高減少幅に応じて、特別利子補償制度適用あり(当初3年間実質無利子)。
⇒相談先:商工中金 各支店

〔従業員休業への支援助成金〕
g.雇用調整助成金
雇用保険法にもとづく従業員への「休業手当」に対し、企業へ助成金を支給。中小企業は5分の4、解雇しない場合は全額。上限は1日1人あたり国・県合計で8330円。県の助成は1事業主当たり上限100万円。
⇒相談先:都道府県労働局助成金センター

h.小学校休業等対応助成金(事業者)
従業員である保護者への休暇取得支援。事業者は、休暇中に支払った賃金相当額を助成(上限1日1人あたり8330円)。

i.小学校休業等対応支援金(フリーランス)
フリーランスの保護者への休暇取得支援。1日辺り4100円。

〔事業資金への給付金〕
j.持続化給付金 
対象期間中の売上が前年同月比で50%以上減少で、法人に200万円以内、個人事業主に100万円以内を支給。農業、漁業、製造業、飲食業、小売業、作家・俳優業など幅広い業種で、事業収入(売上)を得ている法人・個人対象。事業所得(営業所得・農業所得)で確定申告した事業者あるいは中小法人に限られる。ただし、現時点では個人の不動産所得者、原稿料など雑所得者のライター、給与所得者のフリーランスは支給対象外(今後対応可になる可能性あり)

都道府県によっては、生活衛生関係営業者(宿泊業・飲食業など)限定の給付金があり、県の融資(a.セーフティネット資金 d.新型コロナウイルス感染症対応資金)および、日本政策金融公庫の融資(f.生活衛生新型コロナウイルス感染症特別貸付)の融資額の1割を給付する制度もあるようです。

〔納税猶予・減免〕
k.納税猶予の特例 
2月以降、売上が減少した場合、国税を1年間の納税猶予(無担保、無延滞税)

l.欠損金の繰戻し還付 
前年度黒字で今年度が赤字の場合、前年度等に納付した法人税の一部を還付。
⇒相談先:各都道府県税務署

m.固定資産税・都市計画税の軽減措置・納税猶予の特例
来年度(2021年)の固定資産税及び都市計画税につき、事業収入の減少幅に応じて減免。事業に著しい損失がある場合は納税等を猶予。なお、資本金1億円以下の中小法人および従業員1000人以下の個人事業者で、性風俗業をのぞくあらゆる業種。対象となるのは事業用家屋と償却資産のみで、土地は対象外です。
⇒相談先:中小企業庁 事業環境部 税務課 ℡:03-3501-5803
     各都道府県県税局・県民局


私は会社員兼個人事業主であったのですが。
こうした融資制度を特に利用したこともなく、コロナで収入がやや減ったと言いつつも持続化給付金のおこぼれに預かることもありません。しかし、今回の事態に関わらず、事業主向けの融資や補助金はさまざまあるものですね。調査してみたものの、私自身もよく熟知していないです。

個人事業主扱いのピアノ講師や保険の営業など、実質給与所得に近いのに、休業手当の対象にもならず、さりとて持続化給付金からもはじかれてしまうといったケースもあるようで。個人の働き方はいろいろですが、一概にこれまでの会社員を前提とした労働保険や社会保険、各種の支援制度では救われない労働者もいます。今回のコロナ騒動は、医療崩壊の危機や労務管理の諸問題を含め、実にわたしたちの暮らしを根本から覆すような課題を提示してくれましたね。


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