陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

夏の避暑地に 2024

2024-08-31 | 自然・暮らし・天候・行事

毎年まとまった休みがあるとあれやこれやと計画するものの、行けずじまい。お盆休みに親戚一同集まるという習慣もすたれ、猛暑日や台風の接近などで予定が狂ってしまいます。

私の場合、この時期を留守にすると夏のイベントで私有地を荒らされるのが気が気でならず。さらには空き家にある庭や畑の雑草処理に追われて夏場はレジャーを楽しむどころではありません。家の代表者なのでお盆の棚経でお寺にお布施を届けたり、お墓参りもあります。

昨年は夏休みの後半に検査入院したため慌ただしかったのですが、今年は療養中のため、長めの夏休みとなりました。車の運転は控えていたのですが、自転車では何とか外出できるまでになりました。

ところが同居人の具合がすぐれないため、お寺の行事は中止したり、墓掃除はひとりで行う羽目に。少し前までは私の方がほぼ寝たきり状態だったので、恩返しと思い奮起したのですが、これがよかったのか、徐々にかつての体力を取り戻しはじめています。

連日の酷暑でお墓の供花の傷みが激しいので、すべて造花にチェンジ。
これまではシキミや松などの緑ものだけは生花にしていたのですが、なにせお供えした水が熱湯状態! さすがに3日ともたないために、百均で人工のものを購入。これが立体的で本物らしくよくできていて。屋内でも、今後はなるべく仏壇や荒神さん(台所にある神棚の)もこれにしようと決定。昔はお盆やお彼岸の時期だけは花屋で鮮やかな生花を買い揃えてお墓に飾ったものですが、いまはとてもではないが無理ですね。けっこうきれいな造花が手ごろな価格で入手できるのでありがたいですね。

空地の除草作業は風がない日を見計らって、日曜早朝に除草剤を散布。
その日は35度超えの猛暑日でしたが、空気の乾いた快晴であったため、除草剤がよくしみこみ、効き目は抜群でした。風の強い日は涼しいので、刈りやすい場所だけを鎌で直接刈っていく。昨年、除草シートを増やしたおかげで例年よりは楽にはなりましたが、春先、動けなかったあいだにかなり雑草の根がしっかり張っている個所もあって、苦労しました。

草刈は頭をつかわずに独りでもできる作業なので、体を動かすリハビリがわりにもなり、お金にはならないが達成感が得られる作業です。

私は土いじりが嫌いな性分で、昔は、この除草作業が嫌で嫌で仕方がなかったのですが。
草を刈り取ることでストレス解消になるし、単純な作業の繰り返し中に妄想もできて誰からも話しかけられたりしないので、じつはとても自分に向いているのではないかと思いはじめたのです。作物を育てるのではないので品質を気にする必要もありませんし。

この作業のあとで、空き家の少し広めの浴室で水浴を楽しむのが、夏場の醍醐味。
余った入浴剤をぶちこんで、香りに包まれながら、疲れをいやす。下手にどこかの温泉地にいくよりもいい養生です。独り占めなのですから。この空き家は瓦屋根がしっかりあって雨戸もあるために薄暗く、夏は格好の避暑地になります。冷房はあるのですが、ほとんどつかったことがありません。

外でバーベキューをしたりできるぐらいのスペースもあるのですが。
私自身があまりアウトドアの能力がないため、憧れだけで終わっています。畑で家庭菜園もしてみたいけれども、猛暑ですぐ枯れてしまうのと、毎日通うのは難しいので断念。水浴でプールにいった気分になったあとで、緑ゆたかな景色を窓から眺めながら買い置きのお寿司を食べるのが関の山です。着替えも日用品もたくさん保管してあるので旅行バッグもいらない。自宅なので衛生的ですし、事件や事故に遭うこともありません。体力的に不安があるので年々、旅行に行きづらくなってきましたが、まあこういう休み方でもいいかなと思えてきました。

ちなみにスマホやパソコンなどのデバイスは、持ち運び中に高温で故障するのが怖いので、この避暑地には持ち込んでいません。
おかげで世間の喧騒から離れた、ゆったりした時間を過ごすことができました。世界の絶景を集めた写真集を眺めながら空想したり、漫画や小説を読みふけったり。仏壇や水回りを掃除して清めたりして気分を落ち着かせたり。持て余していた田舎の一軒家でしたが、今の私にはこういう静かな時間が必要なのだと感じました。


(2024.08.19)



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