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札幌では日曜メインに札幌記念(20日、芝2000メートル)が行われる。サマー2000シリーズの第4戦にして、夏競馬で最も注目を集めるスーパーGⅡ。北の大地を熱く盛り上げる真夏の祭典に、今年も豪華メンバーが集結した。
連覇を目指してジャックドール(栗東・藤岡健一厩舎、牡5歳)が今年も北上。前走の安田記念は初のマイル戦ながら見せ場十分の5着に健闘し、春の中距離王として堂々たる走りを見せた。慣れ親しんだ10ハロン戦に舞台を戻しての一戦。中距離界統一へ向けてここは負けられない。
一昨年の日本ダービー馬シャフリヤール(栗東・藤原英昭、牡5歳)は、連覇が懸かった前走ドバイシーマクラシックで5着。1年以上勝利からは遠ざかっているが、堅実に走っており、実績最上位のここは完全復活へのチャンスだ。今回は横山武史騎手と初コンビを組む。
ダノンベルーガ(美浦・堀宣行厩舎、牡4歳)は前走ドバイターフで僅差の2着。猛然と勝ち馬に詰め寄った。皐月賞4着以来となる右回りが課題となるが、潜在能力はここでも引けを取らず、V争いに加われる存在だ。
昨年の3着馬ウインマリリン(美浦・手塚貴久厩舎、牝6歳)は、その後に香港ヴァーズを制してGⅠ馬として札幌に帰ってくる。ドバイシーマクラシック(6着)以来の実戦となるが、早めに札幌入りして乗り込みは順調。洋芝の適性も高く、今年も侮れない一頭だ。
他にも、充実一途の5歳馬プログノーシス(栗東・中内田充正厩舎、牡)、GⅠ好走実績が光るヒシイグアス(美浦・堀宣行厩舎、牡7歳)、札幌芝2000メートルで2戦2勝の実績があるソーヴァリアント(美浦・大竹正博厩舎、牡5歳)といった重賞ウイナーが参戦予定。GⅠ級のハイレベルな一戦となりそうだ。
週末の的中へ向け、いち早く重賞の出走予定馬を先取り! 今回は札幌記念に出走予定の9頭を診断します。
ジャックドール
昨年の札幌記念勝ち馬。同型を行かせ好位に控える形。4角手前から進出し、直線の競り合いを制した。今年は大阪杯を逃げ切り勝ち。武豊騎手を背に前後半1000m58秒9-58秒5。絶妙なペース配分が光った。今回も鞍上継続。昨年同様、同型の姿もある。エアグルーヴ以来、グレード制導入後史上2頭目の連覇へ、レジェンドはどう乗るのか。
シャフリヤール
一昨年の毎日杯を好時計で快勝し、勢いそのままに日本ダービーを制覇。昨年はドバイSCを勝ち、秋は最大目標の天皇賞秋2着。今年初戦は連覇を狙い、ドバイSCへ出走も5着。勝ち馬に力の差を見せつけられた。軽い芝のキレ比べに長けるため、洋芝はどうか。また、勝負レースを明確にする藤原厩舎の馬。中間の動きには注目したい。
ソーヴァリアント
一昨年、昨年のチャレンジC勝ち馬。一昨年はスローの上がり勝負、昨年はハイペースの消耗戦と、まったく異なる競馬だった。飛躍が期待された今年は、ともに1番人気を背負い中山記念9着、鳴尾記念12着。前走後、ルメール騎手は前半の力みを敗因に挙げた。能力を出し切れるようならもっとやれるはずだが…。
ダノンベルーガ
昨年の共同通信杯勝ち馬。1戦1勝馬の制覇は史上2頭目の快挙。クラシックは皐月賞、日本ダービーをともに4着。直線、馬場の悪い内を突く進路取りと、レース前のイレ込み。敗因は見つけられる。秋は天皇賞秋3着、ジャパンC5着。ピッチ走法で走るタイプで2400mは長い。今回の2000mは守備範囲。体調万全なら当然有力な1頭。
トップナイフ
昨年の京都2歳S、ホープフルS、今年の弥生賞と3戦連続3着。いずれも好位につけ、しぶとさを活かす形。直近2戦、皐月賞7着、日本ダービー14着は後方のからの競馬。先行できればとも思うが、どうも成長力に欠ける印象。古馬の一線級に混じると厳しいのでは。
ヒシイグアス
一昨年の中山金杯、中山記念勝ち馬。暮れにはハイレベルの香港C2着。昨年は消耗戦の宝塚記念でタイトルホルダーの2着。その後、重度の熱中症により長期休養へ。今年は復帰初戦の中山記念を勝ち健在ぶりを示した。前走の大阪杯は7着も、枠順の性で道中はやや外を回る形。能力は高いが、明け7歳。4カ月ぶりの実戦でどこまで仕上げてくるか。
プログノーシス
父譲りの末脚は非凡。大事に使われ、明け5歳ながら未だ9戦。今年は金鯱賞を制し、QE2世Cでは香港のスターホース相手に2着。いよいよ軌道に乗ってきた。4走前、スローのカシオペアSを差し損ねているように、展開に左右される面はある。ただ、今回は行きたい馬がいる。直線の距離はほしいが、コーナーの緩い札幌。ここでも期待は大きい。
ユニコーンライオン
展開の鍵を握る1頭。同型ジャックドールは前走マイルの安田記念へ出走。前半3ハロン34秒2のペースを番手追走となかなか速い。ただ、控えても競馬はできる。対して、当馬はとにかくハナへ行きたい。昨年の札幌記念はパンサラッサの番手、ジャックドールより前に位置を取った。ハナを切れば後続の脚を削る逃げを打つタイプ。やはり、緩いペースは考えにくい。
ラーグルフ
今年の中山金杯勝ち馬。着差はハナ。内枠からスムーズに立ち回っていた。ただ、2走前の中山記念でも、8番人気2着と連続好走。8枠から控える形、直線は大外から差し脚を伸ばした。前走の大阪杯は11着。上手く位置を取れず、直線も伸び切れなかった。力はつけているが、今回はG1と遜色ないメンバー構成。ロスなく運んでどこまで。