embeddedなブログ

組み込みシステムに関することや趣味に関することをダラダラと書いていきます(^^)

ドローンのフライトコントローラ用OS(PX4)をWindows上でビルドする

2023-01-21 15:09:00 | Windows Embedded Standard

ドローンの機体を制御するコンピュータであるフライトコントローラ用OSの開発環境は、一般的にはWindows非対応なので、通常はUbuntuを別PCあるいは仮想PC環境に用意しないといけません。ただ、私は普段はWindows PCを使っているため、Ubuntuとのデータやり取りが面倒になるので、なんとかWindows上で開発環境を構築出来ないかなと調べてみました。今回は、いくつかあるフライトコントローラ用OSの中で特にPX4について調べましたので、その方法についてご紹介します。具体的にはWindows上でLinux環境を扱うことのできるWSL(Windows Subsystem for Linux)上でPX4を使用する方法について、こちらのページを参考に実際に実行した手順について説明をします。

まず、管理者権限でWindows PowerShellを起動して、WSL(Ubuntu)をインストールします。下記コマンドを実行してインストールします。

wsl --install -d Ubuntu

インストール完了後、PCを再起動します。下記コマンドを実行して、WSLを最新状態に更新します。既にWSLをインストール済みの環境の場合は、下記コマンドから実行します。

wsl --update

更新があった場合には一度下記コマンドでWSLを終了します。

wsl --shutdown

WSLのディストリビューションが複数存在する場合は、下記コマンドでUbuntuをデフォルトのディストリビューションに指定しておきます。

wsl -s Ubuntu

インストール済みのディストリビューション一覧は下記コマンドで確認することが出来ます。

wsl -l

WSLの構築はここまでで、ここからがPX4のビルド環境構築になります。まず以下コマンドでWSLを起動します。

wsl

以下コマンドを実行して、ホームディレクトリに移動してから、GitHubからPX4のソースコードをクローンします。

cd ~/
git clone https://github.com/PX4/PX4-Autopilot.git --recursive

以下の通り、ubuntu.shスクリプトを実行します。

bash ./PX4-Autopilot/Tools/setup/ubuntu.sh

一度WSLを再起動します。

exit
wsl --shutdown
wsl

ビルド用のディレクトリに移動します。

cd ~/PX4-Autopilot

以下コマンドでビルドを実行します。

make px4_sitl

ビルド完了までしばらくお待ちください。

ビルドは以上で終了です。詳細なビルドオプションについては、こちらのページを参照してください。

ところでビルド方法について参考にしたページでは、開発用IDEとしてVisual Studio Codeの利用方法の説明をしているので、そちらも一緒にご紹介します。 以下コマンドを実行することで、PX4開発環境をVisual Studio Codeとすることが出来ます。

cd ~/PX4-Autopilot
code .

以下のようにWindows画面上のVisual Studio CodeでWSL上のPX4の開発環境を見ることが出来ます。

Visual Studio Codeのメニューで[Terminal]-[New Terminal]を実行してVisual Studio Code上でPowerShellを起動し、そこでWSLを起動することで、完全にVisual Studio Codeに閉じて開発をすることが出来ます。素晴らしいですね。

説明は以上です。



最新の画像もっと見る