Qt5をWindows 10とVisual Studio 2017の環境でビルドする別の方法も見つけたので紹介します。どっちかというとこっちの方が正当な方法なのかもしれません。Visual Studioのバージョンは2015とかでも同じ方法でビルドできるのではないかと思います。
jomをインストールします。
ここから最新のjomをダウンロードして、適当なフォルダに展開します。ここではjom_1_1_2.zipをダウンロードして、C:\jomに展開しました。展開したフォルダに対して環境変数でPATHを設定します。Windows 10で環境変数を設定する方法がは、「Windows 10 Fall Creators Updateで環境変数を設定する方法」を参考にしてみてください。
Perlをインストールします。
strawberryperl.comから最新版のWindows 64ビット用インストーラをダウンロードして実行します。
Pythonをインストールします。
https://www.python.jp/から最新版のWindows 64ビット用インストーラをダウンロードして実行します。インストーラの初期画面にある「Add Python 3.6 to PATH」を必ずチェックしてください。これをチェックしておかないとPythonの実行モジュールが環境変数PATHに追加されません。
GitでQt5をクローンします。
git://git.qt-users.jp/mirror/qt/qt5.git から、ここではC:\Git\Qt5にクローンします。スタートメニューから[Visual Studio 2017]-[VS 2017用x64 Native Toolsコマンドプロンプト]でターミナルを開きます。以下を実行してビルドをします。 configureのところで指定している"C:\Qt5"がビルドしたバイナリのインストール先です。
perl init-repository --mirror git://git.qt-users.jp/
cd C:\Git\Qt5
set QTDIR=C:\Git\Qt5
set QMAKESPEC=win32-msvc2015
configure -opensource -confirm-license -debug-and-release -nomake examples -nomake tests -opengl dynamic -prefix "C:\Qt5"
jom -j8
jom install
-j8の8は論理CPU数を表しているので、Corei5の環境では-j4とします。
また、私はQt5Scriptも必要だったので、下記をjom installの前に実行しました。
jom module-qtscript
以上で、C:\Qt5にビルドしたbinやincludeなどが生成されます。
あと、前にビルドしたファイル類を消してcleanにしたい場合は以下を実行してから、再度上記でビルドを実行します。
git submodule foreach --recursive "git clean -dfx"