散歩と俳句。ときどき料理と映画。

句集『あかときの夢』

先月終刊となった『らん』の仲間だった柴田獨鬼さんから、
この二月に刊行された句集『あかときの夢』(深夜叢書社)をいただく。
静謐な佇まいの中に、凛とした獨鬼さんの姿勢が見える美しい本である。

 いづこより来たる記憶や桜まじ    獨鬼
 死螢に教へられたるいのちかな
 まなうらの人と観てゐる揚花火
 軒借りて梅の香もらふ俄雨
 うつし世の/ものみな揺れて/水陽炎

死と生が往還するような場所から詠まれた句集といえようか。

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