「三宅しのぶ」考察余談

しのぶを中心に、『うる星やつら』に関連する話題を随時書いていましたが、現在新規投稿休止中です。

何とか良い状態を

2016-09-11 16:51:00 | 「ビューティフル・ドリーマー」について
 かなり間が開いて申し訳ございません。前回の続きです。
 とはいっても、良いところは変わらないでいてほしいと思うことは自然なことです。それではどうすれば良いのでしょうか。
 まず考えてしまうことは、変化を止めようとすることで、それが無理なら、せめて変化を遅らせようとすることです。確かに、世の中には変化が遅いものもありますので、それをまねるなどすれば、ある程度は変化を止めることができるかもしれません。
 しかし、変わらないための努力には限界があります。例えば社会の変化など、自分たちの努力が及ばないところが必ずあるはずです。それなのに、一部だけ変わらないでいようとすると、変化のスピードにズレが生じるため、バランスが崩れてしまいます。前回、良い状態は微妙なバランスの上に成り立っていると述べましたが、そのバランスがおかしくなるわけですから、余計に悪い結果をもたらすことになってしまいます。
 そのことを考えますと、むしろやるべきことは、微妙なバランスを維持するために、変化の早いものに合わせて適切に変わっていくことではないでしょうか。よく変わらないために変わらなければならないということを言われますが、そのために言われるのではないかと思います。
 ただし、単に変われば良いというわけではもちろんなく、どのように変われば良いのかが問題で、それが一番難しいことなのだと思います。ひょっとすると、良い状態をずっと維持するのではなく、一旦それを崩してからやり直したほうが良いのかもしれません。ともかく、自分たち自身がどのようにすれば良いのかをよく考え、それを実現するための努力がかなり必要なのだと思います。
 おそらく、そういうことを怠って、夢邪鬼のようなものに任せてしまう、つまりは人が提示する甘い話に乗ってしまうことが一番悪いことなのだと思います。そのようなことをすれば、人は自分ではないのですから、思っていたのとは違った方向に持っていかれます。
 しかし、先ほど述べましたように、自分たちで良い状態を維持することは大変な困難を伴います。そのような中で、提示されたものが大変魅力的に感じてしまうと、ついそれに乗ってしまうのだと思います。
 そして、私はそのつい乗ってしまうということを強く意識しているようで、それが学園祭当日になったということにこだわっている大きな理由だと思います。というのも、その夢邪鬼の誘惑に乗ってしまったという一度の失敗で、学園祭前日から抜け出せないという破滅の事態になることが耐えられないのです。失敗を挽回する機会があって欲しいわけです。そして、良い状態の時に留まりたいという欲求を持ってしまうことを理解してほしい、許してほしいという気持ちがあるわけです。