YO's Blog♪ 天才ミュージシャン 加納洋の問わず語り 

全盲のジャズピアニスト加納洋の
音楽、NYの暮らし、仲間、旅、福祉活動…
~☆大切なものとの出会い☆~

75歳で週3~4って...うらやましい..

2011-03-24 | 問わず語り
僕の友人のビルは、今年75歳。
でもとても元気で毎日何マイルか歩く。
そんな彼も年には勝てない。

3年前、前立腺の手術をした。
男性は、年をとってくると前立腺が肥大し、
おしっこが近くなる。
彼も1時間おきにトイレに行っていた。
僕に病院に行った時の話をしてくれた。

医者が彼に
オシッコの出具合や性生活について聞いたそうだ。
彼は結婚はしていない。
(たぶんゲイである。そのことは僕にも言わないが、
みんな知っている)

医者が彼に聞いた。
「セックスかマスターベーションはどの程度しますか?」
彼は
「週に3~4回です」
と答えたという。

この大ボラ吹き!
年をとっても自慢したいのだろう。
僕だってそんなにできないのに……

やればできるんだったら……

2011-03-24 | 問わず語り
中学生の時、自慢じゃないけど、
僕は成績はよくなかった。
通知表は(5段階評価の)3とか2とか、
あまり自慢できるものではなかった。

あるとき化学の先生が、
「加納君、君は頭は悪くないんだ。
勉強しないから成績が悪いんだ。
一度でもいいから真剣に勉強してみたらどうだ?」

素直だった僕は、
とりあえずその学期は、化学だけ勉強することにした。
すると通知表の化学が5になった。

先生は
「どうだ、加納君、
勉強すれば君はちゃんとできることがわかったろう。
これからもまじめに勉強しなさい」
と言ったが、もともと勉強ぎらいな僕は
「勉強すればできるようになるんだから、
そのときがきたら勉強すればいいか」
と思って勉強をしなかった。

すると次の通知表は2になった。
「やっぱり思ったとおりになった」と納得した。

昔見たアメリカのホームドラマ

2011-03-24 | 問わず語り
子供の頃のテレビ番組といえば、
アメリカのホームドラマもたくさん放映されていた。
タイトルは、あまり覚えていないが、内容は似ている。

話のわかる夫婦喧嘩もしない親がいて、
子供も問題が起きると、
それをすぐ親に相談し、
親はそのことについて子供と真剣にやさしく話し合い、
問題解決をする。

ただし、こういう家族は全部白人の家族である。

アメリカに来て、
僕の同世代のアメリカ人とこういったテレビ番組の話をすると、
やはりほとんどがこのようなテレビ番組を見て育っている。

面白いのは、
彼らは自分以外の家庭はみんな
このテレビドラマのような生活をしていると思っていて、
自分の家は
「なんでうちの両親は夫婦喧嘩ばかりしているのか? 
なんで子供をしかってばかりいるのか? 
僕らの質問に親はちゃんと答えてくれないのか?」
などなど、テレビとあまりにも違う自分の家に疑問を持ったという。

こういうテレビ番組は
WASP(ワスプ)と呼ばれる人たちが
我々はこんなに素敵な(現実は違うのに)家庭生活をしている
というコマーシャルだったのかもね?


WASP:ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント(White Anglo-Saxon Protestant)の頭文字をとった略語。

男の子ならみんなしたよね、飛ばしっこ

2011-03-24 | 問わず語り
(前のブログ続き)

この4人との話はさらに盛り上がり、
一人が
「よく学校の帰りに
みんなで息子を出していっせいに飛ばしっこしたよね?」
とみんなに話を振った。

すると、みんなが順番に話し始めた。
一人は
「学校の校舎の裏の壁によくかけたもんだ」
ほかの一人は
「僕は帰り道にあった大きな家の壁にかな」
もう一人は
「僕は橋の上から川に向かって。これが一番気持ちいいんだ」

僕は
「みんな外でやるなんて勇気があるな?」
と彼らに言うと
「洋さんもよくやった?」
「僕? やっぱり家の中で障子に向かって飛ばしっこしたね」

するとみんなが驚いて
「え~~、家の中でやるの?」
と異常に驚いた。
僕のほうがみんなが外でやることに驚いているのに。

どうも彼らと話が食い違うので聞いてみると、
彼らの話は、オシッコの飛ばしっこのことのたようだ。
僕は、精子の話だと思っていたのに。

僕も恥ずかしかったので、
「アレ、みんなよくやったでしょ?」
と聞くと、みんなが口をそろえて
「そんなこと、しませんよ」
と言った。

このうそつき野郎どもめ!
さて、彼らがうそつきなのか? 僕が異常なのか?
どっちかな?

思い込んだら……

2011-03-24 | 問わず語り
僕と同じ世代の日本人男性4人と酒を飲みながら
愉快に語り合っていた。

一人が子供の時に見たテレビ番組の話をし始めた。
ポパイ、ひょっこりひょうたん島、
てなもんや三度笠、シャボン玉ホリデー、プロレス
などなどと話は尽きない。

一人の男が
「僕は”巨人の星”が一番思い出に残っているね」
と言った。

”巨人の星”と言えば
テーマ曲の歌詞の始めが

思い込んだら~~♪ 試練の道もぉぉ~~♪

この歌を聴いたとき、
「オモイ コンダラ」って何だろう?と思ったそうだ。

すると画面に
グランドをならすローラーを
一生懸命引っ張っているシーンが出てきた。

「そうか、このローラーのことを”コンダラ”って言うのか」
「重いコンダラなんだ」
とず~っと思っていたそうである。

とんでもない勘違いに、一同、大爆笑である。
でも僕も人のことは笑えない。

小学校2年か3年の頃。
学校の教室にあった本を読もうと手に取った。
この本は全部ひらがなで書いてあった。
タイトルは「さるとびさすけ」。
僕は、「さる と びさすけ」(さる and びさすけ)と読んだ。
”さる”はきっと”猿”だろう。
じゃ、”びさすけ”って何だ?

そこで、友だちに
「さる と びさすけ」ってどんな本?
と聞くと彼が、
「バカ!それは猿飛佐助(さるとびさすけ)だよ」
と教えてくれました。

大恥をかいたこうゆうことは
50年たっても覚えているもんだ。

ウエルカム! ミスター洋

2011-03-24 | 問わず語り
僕は仕事がら飛行機に乗ることが多い。
盲人の僕が一人で飛行機を利用する場合、
飛行場のカウンターでチェックインした後、
機内までは航空会社のスタッフが案内してくれる。

機内の席に座ると、
日本の航空会社の場合、
担当のスチュワーデスが挨拶に来る。

「加納さんですか?」
と聞かれるので、僕は
「そうです」
と答える。

すると
「お待ちしておりました」
と言われる。僕はその時
「本当?」
とにっこり笑って聞き返す。
ほとんどのスチュワーデスは返事に困っているみたい。

ある時、
「お待ちしておりました」
と言われたので
「大変お待たせ致しました」
と答えました。

大晦日のゲイパーティ

2011-02-11 | 問わず語り
前のブログで、
オカマちゃんからチョコをもらったと書いたが、
そう言えば15年ぐらい前に、
ニューヨークでゲイの人たちの大晦日パーティで
ピアノ演奏を頼まれたことがある。
ギャラもよかったし、
カクテルミュージックを演奏するだけの楽な仕事だったので、
よろこんで受けた。

しかし、大変だったのは、夜中の0時になり
「ハッピーニューイヤー!」とみんなが叫んだ時である。

アメリカでは、みんなで抱き合い、キスをするのである。
このパーティにはゲイの人たちしかいない。
いくら彼らでも
ゲイじゃない僕にはキスはしてこないだろうと思ったら、
少なくても20人ぐらいの人からキスをされた。

これははっきり言って、気持ち悪い~~~!という感じ。
中には、僕の唇を奪ったオジサンも何人かいた。

もう二度とゲイの人たちの大晦日パーティの仕事はしないぞーーーー!!



ハッピーバレンタインデー!

2011-02-11 | 問わず語り
2月といえば、バレンタインデー。
日本では女性が男性に愛を告白する日とか言って、
太る元のチョコなんかあげちゃって!
(あまりもらうことのない僕は
嫌味のひとつも言いたくなる)

こんな僕でも、東京で暮らしていた時、
バレンタインデーの日、夜中の2時に、
チョコをもらったことがある。

当時、僕は六本木にある店でピアノを弾いていた。
夜中に仕事を終え、西麻布のアパートに歩いて帰ろうと、
六本木の交差点を渡ろうとすると、
後ろから「お兄さん、一緒に渡ってあげるわ」
と女性っぽい人が声をかけてきた。
僕は「ありがとうございます」と言い、
一緒に交差点を渡った。

その人は、変に僕に体をくっつけてきて、
腕を組んで渡ってくれた。
(普通、盲人のガイドの仕方は、
盲人がガイドしてくれる人の肘につかまって歩く)

女性に腕を組まれて歩くのは悪い気もしないし、
ま、いいか、と思い歩いていた。

歩きながら話をしているうちに、
この人がオカマだとわかった。
六本木の交差点を渡り切ったところに
アマンド(洋菓子店)があり、
その人が
「お兄さん、ちょっとここで待ってて」
とアマンドに入り、バレンタインのチョコを買ってきて、
僕にくれると言った。
「お兄さん、こんなことしたら怒る?」
僕は
「怒るなんてとんでもない。嬉しいです」
と心にもないことを言ってしまった。
すると、その人、
僕にかなり接近してきたので、
ここでキスでもされたら嫌だと思い、
「僕、家に早く帰らないといけないので、
すみませんがタクシーを拾って頂けませんか?」
と逃げる口実をとっさに考え、
歩けば10分で着くところを
タクシーに乗り無駄な金を使ってしまった。

ま、オカマちゃんからでも
バレンタインデーのチョコをもらえば嬉しいもんである。

アメリカでは、
バレンタインデーは愛を表現する日なので、
親が子どもに、子どもが親に、
当然、夫婦や恋人同士も、
「ハッピー バレンタインデー!」
と言ってプレゼントを贈ったりする。

なんで日本は
女性が男性に愛を表現する日になったんでしょうね。
きっと昔、もてない男たちが無理やり作ったか、
チョコを売りたい企業が作ったかのどちらかじゃないのかな?


加納洋の渡世日記~青春編13 訓練生、タクシーに乗る~

2011-02-08 | 問わず語り
新宿に着き、ホームの上で人に
「東口はどう行ったらいいですか?」
と聞くと、階段まで連れて行ってくれた。

そして、
「この階段を下りたら右にまっすぐ行けば、
東口の改札に行きますよ」
と教えてくれた。

階段を下り、東口改札に向かって歩いていると、
「どちらに行くんですか?」
と声をかけてくれた男性がいた。僕は、
「東口を出て、Iデパートまで行きます」
と答えた。

彼は松葉杖をついていた。
スキーで足を折ったそうで、
病院に行くところだと言う。

「じゃ、僕と一緒に行きましょう。
僕は東口からタクシーに乗るので、
Iデパートの前で降ろしてあげますよ」

なんと親切な人だと思い、
有難くご好意に甘えることにした

(※あとで知ったことだが、
こういう時は“訓練中”と言って断るのが普通だそうだ)

乗り物を使っても
目的地まで着ければいいと言ったのは訓練士だから、
僕はタクシーぐらい乗ってもいいと思ったし、
このほうが楽で確実だと思った。

松葉杖の男性は僕をIデパートの前で降ろすと、
お金も受け取らず行ってしまった。

デパートに入ると、
店員さんがO売り場まで案内してくれた。
売り場に着くと、そこには訓練士が待っていた。

「タクシーに乗るとは思わなかったよ。
僕ははぐれちゃいけないと思ったから
ここまで走ったよ。
10年間、訓練士をやっているけど、
訓練中にタクシーに乗った訓練生は君だけだよ」
と言われた。

「どんな手段を使っても目的地に着けばいいって言ったじゃない?」

訓練士も、僕みたいな生徒がいると大変ですね。
突然走らなきゃいけないしね。
ご苦労さまです。

でも、この話には、まだ続きがあります。
次の日に、訓練センターからIデパートまで歩かされました。
訓練士の仕返しかな?

加納洋の渡世日記~青春編12 歩行訓練も終わりに近づく~

2011-02-08 | 問わず語り
一人歩きのための歩行訓練も終わりに近づいた。

僕にとっての訓練のゴールは、
「初めて行くところでも、一人で行ける」こと。


訓練終了後、
果たしてそうなっているだろうか?

これについて
訓練を始める前に訓練士に聞くと、
「人によって差があるけど、
目的地までいつも歩いて行くわけじゃないでしょ。
電車やバス、タクシーや飛行機、
それに目が見えていても
行く前に行き方ぐらい調べるし、
道に迷えば誰かに聞く。
そう思えば、どこでも行けますよ」

もっともな話である。

僕の訓練もそろそろ終わりに近づいたある日のこと、
この訓練士が、
「Iデパートの、O売り場まで行ってくれる?」
と言うのだ。

もう白杖(はくじょう)を使った基本的な歩行、
バス・電車の乗り方はマスターしていた。

ただ、僕は東京生まれじゃないので、
Iデパートがどこにあるか知らなかった。
人に聞くと、
Iデパートは新宿の東口にあることがわかった。

とりあえず高田馬場駅に行って、
山手線で新宿まで行くことにした。
当然、訓練士が後ろから何も言わないでついてきている……

……続きは次回のブログをどうぞ。