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伝統の継承とアップデート

2011-05-03 | 伝統

GWも後半にはいり、高山の観光スポットも、にぎわっていました。

110503 (宮川と中橋と桜)

桜も、例年ならもう花は散っているのですが、今年は、まだ咲いています。

この、宮川と背後の城山の風景は、江戸時代からずっと変わらないのでしょう。。。


先日、金沢へ行ってきたときには、

金沢の江戸時代当時の町並みを残す、ひがし茶屋街を訪れました。

110503_4 (黄金の蔵@箔屋)

金沢やその周辺には、九谷焼や輪島塗といった伝統工芸があり

金もよくつかわれます。

一方、神社でも屋根瓦の頂部に金の飾りが見受けられます。


箔屋は、そのような伝統を受け継ぎつつ、現代の生活にマッチするよう、

その伝統技法をアップデートした工芸品の販売を手掛けています。

写真は、その技術を生かした黄金の蔵。

プラチナを配合してあり、外部での使用でも劣化しないそうです。

すごいですね。

110503_2 (黄金の蔵 内部)

この蔵の、内部の黄金の壁を手掛けたのは、

飛騨高山の左官職人 挾土秀平さん。

アトリエにお邪魔したこともありますが、

そのセンスと高い技術の融合から生まれる仕事は、本当にすばらしいです。


そんな挾土さんですら、

今は、なかなかその腕を振るう機会が少ないと聞きます。

伝統の継承とその発展のためにも、

職人技が発揮できる場を少しでも作りたいし、紹介していきたいと思います。


・・・というわけで、

110503_6 (飛騨高山まちの博物館)

以前も紹介しましたが、

飛騨高山まちの博物館が4月からオープンしています。


ここの白い漆喰壁や蔵戸を手掛けたのは、挾土秀平さん率いる秀平組。

真っ白で、ただ大きいだけの壁と思われるかもしれませんが、実はこれがとても難しい。

「漆喰」という材料は、凹凸がなく、とても塗厚が薄いのです。

技術がないと、壁の下塗りの凹凸が目立ってきれいに仕上がらない。

吹付仕上の材料に比べ、ごまかしがきかないのです。

しかも普通、蔵でもこんなに大きい面は無いですから、これは稀なケース。


シンプルなことは一見簡単なようですし、

ローコスト住宅では、本当は単にコスト削っているだけ(本当は後々問題)なのに

シンプルモダンとか、かっこいいこと言って適当にしているものもある。

が、漆喰壁のように、

真にシンプルにやろうとすると、そこには高度な職人技が必要になるものです。

P1060885 (蔵戸@博物館)

この蔵戸も秀平組。

飛騨高山まちの博物館では、

展示だけでなく、このような職人技にも触れることができます。