陋巷にさまよう (野を拓く 第2部)

プアなわが道とこの世を嗤笑するブログ

弘法の水

2009-11-28 15:40:07 | Weblog
ある原稿を読んでいたら、昔話し(伝説)が載っていた。
全国あちこちに似た様なハナシがあるらしいが、「弘法の水」。

原稿にあったのは、栃木県藤原町のもの。
要旨を書くと、

水に恵まれない貧乏な村があった。
隣の村は、水が豊富で、作物もよくとれる。
ある夏の暑い日、薄汚れた坊さんが隣の村で「水を飲ませてくだされ」と頼んだ。
ところが、村人は、あまりに汚い様子に、乞食坊主にやる水はないと断った。

しおしおと貧乏村へ来た坊さんは、のどの渇きに耐えかねて、
野良仕事の婆さんに「水を一杯くだされ」と頼んだ。
婆さんは、深い谷におりて苦労して水を汲み、坊さんに飲ませた。

坊さんは、「こんな親切な人がいる村に水がないのはかわいそうだ」と、
持っていた杖を地面に突いて水を出し、沢ができた。
この坊さんは、日本中をまわっていた弘法大師だった。
水を断った隣村は、まもなく洪水で押し流された。

というもの。
読んで、

1) 空海が、栃木県はじめ全国津々浦々を回ったなんて、初めて聞いた。
2) 杖で水が涌き出るなら、のどがかわいたとき、ジブンで水を出したどや?
3) ヒトを試したり、断った村を洪水で押し流すとは、この坊主は何たるプアな人格!

と、思いましたぞ。
勿論、こんなハナシは作り話に決まっているけど、
こども向けの話しなんだから、
作るヒトは、もう少し理路整然とした内容で作ったらどうかねえ。
もっとも、想像では、最初は整然としたハナシが、
ヒトの口を経ている間に脚色が加わり、
結果としてイビツな現在のものになったんだろうけど。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 中国の温暖化ガス排出 | トップ | 坂の上の雲 »

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事