放浪日記

刮目せよ、我等が愚行を。

スリランカ酔夢行(10)そしてコロンボへ

2020年10月28日 | スリランカ2019
「酔夢行」なんてタイトルをつけておきながら、これまでの旅では正直呑んだくれるところまではいっていなかった。
キャンディは祭りの真っ只中だったし、シーギリヤは田舎で、外でフラフラ呑み歩けるような店がなかったからだ。
そろそろ本格的に呑みたい。居酒屋とかバーに行ってみたい。スリランカ人はどんな酒場でどんな酒を飲んでいるのだろう。
シーギリヤからは、首都・コロンボに戻って数日を過ごし(主に嫁さんのお土産ショッピング)、帰国する予定だ。飲み歩く最初で最後のチャンスがやってきた。


シーギリヤからコロンボへは、すべてバス移動。
まずダンブッラに出て、新しいバスを拾ってコロンボまで。
ダンブッラはスリランカ有数の幹線道路に面しているので、ひっきりなしにバスが通る。
始発ではないので、来たバスに乗り込むだけでいい。
ただ、どのバスも驚くほどに混雑していた。






バス車内の様子。
運よく座席を確保できたが、通路まで人がびっしり。本来ならば嫁さんと隣同士で乗りたいところだが、それもかなわず。
エアコンなんて、もちろんないので、外から入ってくる風だけが頼りなのだが、満員状態なので風通しゼロ。蒸し風呂である。




そんな混雑の中でも、子供は無邪気。





コロンボまで4時間以上かかるので、途中のドライブインで休憩。
昼食を食べる人、タバコをふかす人、トイレに駆け込む人。世界のどこでも同じ光景。
こんなところで放り出されたら…と妄想して、発車までの時間をつぶす。







中国資本で建てられているロータスタワーが見えてくれば、コロンボに到着。
コロンボ・フォート駅の付近でバスを降ろされる。
ここからオートリキシャを拾って、荷物を預けていた高級ホテルに向かった。




コロンボ1とも呼ばれるフォート地区にそびえる5つ星ホテル「ザ・キングスバリー」!



コロンボ有数の高級ホテルだが、実はここ、この旅の4か月ほど前に、コロンボ市内で発生したスリランカ連続爆破テロ事件の現場となった場所でもある。
テロ発生によって外務省の危険レベルも上がり、一時は旅行できないかと思われたが、スリランカ政府・警察の対応がよかったのか、その後テロは起きておらず、無事に旅ができるようになった。
ただ、さすがに現場になったホテルは客が寄り付かないのか、おそろしいほどに値下げをして客足の回復を目指していた。
テロからの復興支援という名目、実際はいいホテルに安く泊まりたいという一心で、今回のコロンボ滞在は「ザ・キングスバリー」にした。
もちろん嫁さんはめちゃくちゃ心配していたが、同じホテルに連続でテロは起こらない。逆にセキュリティが’しっかりしているから安全。と言い聞かせ、連れてきたのだった。




ホテルの出入口は正面エントランス以外すべて封鎖されていて、出入りするゲストは都度ものものしいセキュリティチェックを受けなければならなかった。
もちろんしっかりしたホテルのスタッフなので、物腰もやわらかで、嫌な気持ちになることはないのだが、1日に数回、バッグの中を見せたり、身体を金属探知機でなぞられたりするのは、非常に面倒臭かったのも正直なところだ。




大理石の床に、薔薇が映える。
花はもちろん生花。芳しいローズのかほりが廊下に満ちる。
ホテルは外国人旅行者の数よりも、結婚式やパーティなどで利用しているハイクラスのスリランカ人が多かった。サンダル履きでウロウロしているのが、少し恥ずかしくなる…。





バイキング形式の朝食は、ホテル1階のバーレストランで。
プールに面したレストランが本来の朝食会場なのだが、先述したテロは、朝食時レストランを狙ったものだったらしく、会場は吹き飛んでしまい、現在は使用できない状態だった。
こういう真実を伝えることは、いらぬ心配をかけてしまうことになるので、「お紅茶おいしいざます」とモーニングティーを楽しむ嫁さんには黙っておいた。



テロの現場となったレストラン。
ガラスは入っているものの、中には何もない。




プールサイドには、スリランカのリッチファミリーがバカンス。
家族でひと泳ぎする横で、僕は、温泉のようにプールに浸かる。


ホテルはあまりに快適なので、ついこのまま過ごしてしまいたくなるが、何より身体はアルコールを欲し始めている。
さて、飲みに行くか。


(つづく)


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