放浪日記

刮目せよ、我等が愚行を。

スリランカ酔夢行(9)岩上に残る夢の跡

2020年10月15日 | スリランカ2019

今回のスリランカ旅の最大の目的地は、シーギリヤロック。

初めてその存在を知ったのは「世界ふしぎ発見」か「なるほどザワールド」だったかもしれない。岩の上に作られた王宮というその存在感。一度訪れてみたかった。

 

Wikipediaによると

5世紀にカッサパ1世によって建造された、要塞化した岩上の王宮跡と、それを取り囲む水路、庭園、貯蔵施設などの都市遺構からなる遺跡。岩山の中腹には『シーギリヤ・レディ』として知られるフレスコの女性像が描かれている。当初は500体ともいわれたが、風化が進み現在は18体だけが残る。シーギリヤロックは火道内のマグマが硬化して出来た岩頸で、形状は楕円柱、標高約370m、岩頸そのものの高さは約195m、全方位が切り立った崖になっている。

 

ということだ。

宿泊する岩見荘の屋上テラスからすでに拝んでしまっていたものの、やはりいざ自分がそこにいると思うとドキドキする。遺跡にこれほどビンビンになっているのは、いつぶりのことだろう。

かつてインドを旅していた時、そのついでにスリランカにも足を延ばそうと考えたことはあったが、当時はシンハラ人とタミル人の内戦・衝突が散発的に発生しており、インドからの海路が閉ざされていたこともあり、あきらめていた。

それだけに、今回は楽しみなのだ。

 

岩見荘のパパに車で入口まで送ってもらって、いざロックへ。

入場料は、外国人30USドルに対して、スリランカ人は30円程度。その差、100倍だ!

いままでいろんな遺跡に行ってきたけれど、世界屈指のエゲツない料金差に唖然となる。若気に満ち溢れていた頃は、もしかすると裏口を探したかもしれないが、嫁さん同伴では払わざるを得ない。二人で60ドル払いましたよ。

 

 


遺跡公園内に入ると、いきなり見えちゃう巨大岩。道案内もなにもないけれど、まっすぐ歩けばいいってことは、誰もが分かる。

 


 

ウ●コみたいな形の注意書き。
さまざまな国の観光客が来るだけあって、すべてピクトグラム。
それにしても注意すること、多すぎない?

 




岩の下まで来ると、なんとそこにはものすごい行列が。
いままでいろんな行列に並んできた日本人としても、岩登りの行列は初めてだ。観光客は、中国人3割、スリランカ人3割、そのほか4割という感じ。



日差しの関係で、日陰となる午前中がベストというガイドブックを鵜呑みにしてやってきたけれど、この人混みが暑さよりもしんどいわ。
後日、午後から登った人に話を聞いたが、まったく混雑してなかったとか。
暑かろうが、シーギリヤは午後に限るのではないか。


Wikipediaにも書いてあったが、途中の岩肌には、シーギリヤ・レディと呼ばれる美人壁画があった。昔は写真撮影もできたっぽいけれど、今は完全禁止。警備員がしっかり彼女をガードしている。
しかしその容姿はさすがに綺麗でござんした。





そして次に出てくるのが、ライオンの足。
かつての王宮の入口だったといわれるところだ。
朽ちる前は、ライオンの顔もあって、口の中へ入るようになっていたそうだ。
これこれ、これが見たかったのよ。

ただ、上の写真、人がいないところを撮ったもので、ここも当然のようにめちゃくちゃ人で混雑している。



上までずらーーーーり。


実は僕は高所恐怖症。
観光名所としてありがちなタワー類にも、金を出して登る気がしれない。
スカイツリーも通天閣も京都タワーも、いまだ登ったことはない。
このシーギリヤロックは階段があるので、高所恐怖症が発生しないと思っていたが、このライオン足から王宮へのほぼ垂直の階段が、腰が抜けるほど怖かった。
いったいいつ造られたのか分からないグラグラの鉄階段。当然スケルトン状になっているので下は丸見え(上も丸見えなのでスカートの方は注意)。さらにそこに行列が重なり、これだけの人の体重をこの鉄パイプ階段で支えることができるのかと考え始めると、もういけない。シーギリヤロックは周りを遮るものがなにもないため、岩肌をもろに強風が吹き抜けていく。ただでさえグラグラしている階段が、風で揺れるわ、人の動きで揺れるわ。
いまだに思い出すだけで、手の平が汗ばんでくる。
頂上に行くには、この階段しかないので、高所恐怖症の人は覚悟して来るべし。


そして、ほうほうの体で頂へ。




見渡す限りのスリランカの森林。
さっきまでの恐怖をすっかり忘れるくらいの心地よさ。
ただ、遮るものが何もないということは、直射日光も襲いかかる。

暑いのよ。



日陰では犬も寝る。
っていうか、犬よ、お前はあの階段を登ってきたのか?


王宮跡は、まさにもう廃墟で、土台やレンガなどが残るのみ。
こんな岩の上に王宮を造ろうと考えるやつは、よっぽど狂ってるとしか言いようがない。造らされた数多の庶民もやるせなかっただろうなあ…。

頂には、カフェもなけりゃ、ドリンク売りもいないので、一通り巡って景色を眺めて、帰路に着いた。


百聞は一見にしかずという言葉通り、シーギリヤロックがあんなに急な階段なんて、初めて知ったわ。




帰りの駐車場にいたトカゲ。
現地では普通にいる。地元民は誰も見向きもしない。






ちなみに、これが岩見荘からの眺め。



カメラの性能のせいでけっこう小さく写ってるけれど、体感的には非常に近い。頂にいる人の数もカウントできるくらい。


シーギリヤロック、一度は行ってみたかった場所。
ただ、もう登んないだろうな。ビール飲みながら見るだけで満足しちゃう。



(つづく)
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