放浪日記

刮目せよ、我等が愚行を。

(番外編)河南省開封にて

2005年01月08日 | 半死的中国旅行
にいやはこの「半死的中国旅行」をすべて日記にまとめていた。

本来は発表するほどのものではないのだが、番外編として、ここに旅の途中に立ち寄った開封という街での一場面の日記をここに公開する。
以下はすべて19歳のにいやが書いた原文である。


朝7:30に目覚める。しんたろーはまだ眠たそうだがむりやりたたきおこした。窓から外を見ると食事の準備がしてある。ホテル代には含まれていないものの丁度いい機会なのでそこに行き食べることにする。
饅頭、黒ザトウのアンの包子、つけもの、具のない汁だけのおかゆ、ゆで卵。
朝食はどこで食べてもあまり大差がない。けっして美味しいものでもない。5元。

すぐにチェックアウト。東楼の服務台に部屋番カードを持って行くと、そこのお姉さんが部屋の中に入っていく。忘れ物チェックか?と思っていたら、一枚のミニタオルをもってきてどなりつけやがった。何か泥よごれのようなものがついている。そんな汚れは知らない、なんでオレ達の責任なんだ!と反撃しようにも語学力なさすぎ。すると何かフロントへ持ってゆくカードに弁償金みたいなのを書かれた。フロントで10元も取られてしまう。
くそ、こんなところ1泊だけでよかったぜ!



以上の日記の表題は「ついてない日」とある。
この後も日記は続くが、ここだけをピックアップしたのには理由がある。

Blog「放浪日記」に「半死的中国旅行」を連載し始め、しんたろーとその件について話していた。お互い酒を大量に飲みへべれけになっていた。
その時、しんたろーが今まで見せたことがないほどににやつきながら、
「俺、にいやに隠してることがあるんだよね」とのたまった。
「なんだよ、教えろよ」と言っても、もったいぶってなかなか言おうとしない。
人一倍金に執着のあるしんたろー。もしこの作品が出版されることになったら、印税は半々でいいから、というのを条件に、ようやく重たい口を開いた。
「あの時、タオルが汚れてたとかで、中国人ともめただろ?」
「ああ、あのときな」
「あれ、犯人は俺やねん」
「は!?」
「だから俺が汚したの、あのタオル」

つまりこういうことだった。
早朝、にいやがまだ眠っていたとき、しんたろーは目覚めシャワーを浴びようとした。ところが、床が水漏れによって非常に汚かったため、備え付けてあったタオルで床の汚れを拭き、見つからないように隠した。ところがそれはチェックアウトの際に見つかってしまう。事の真実がにいやにわかってしまえば、また折檻されると思ったしんたろーは、知らぬ存ぜぬで通そうと堅く心に誓ったという。

大学を卒業しても毎週のように会って遊んでいる仲なのに、8年もまったく黙っていたしんたろー。
すごい。その信念がすごい。

このような事実が、今後もたくさん隠されていそうな「半死的中国旅行」である。


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