新型コロナウイルス(COVID-19)に対して、我々は何ができるのかを考えます
海外では、コロナに伴う不安や抑うつの増加に注目が集まっています
5 月には、経済協力開発機構(OECD)が、各国の状況をまとめたペーパー(以下、「OECD のペーパー」)を公表しました
その内容をもとに、新型コロナが心の健康に与えている影響について、考えてみたいと思います
新型コロナのパンデミック発生以降、大きく3 つの面から、人々は精神的苦痛にさらされる可能性があると整理できます
1 つめは、感染そのものが引き起こす恐怖や不安
感染して重症化し死に至ることに対する恐怖、感染したときに医療を受けられるのかという不安、感染が周囲に知られて差別されるのではないかという不安、などが含まれます
2 つめは、ウイルスの拡大に伴って環境が変化したことで生じる問題
拡大防止のための外出自粛や行動制限から生じるストレス、失業などの経済的打撃がもたらす抑うつや自殺、在宅の増加から生じる家庭内の暴力や虐待、ネット依存の高まり、高齢者の認知機能の衰え、などが該当します
3 つめは、メディア、ネット、SNS 等からの情報が引き起こす問題
テレビの情報番組等がもたらす不信と混乱
ネット上での衛生用品や生活用品の不足を煽るデマ、SNS での感染した人に対する差別や誹謗中傷、などが含まれます
こうした、精神的苦痛は、各国で、心の健康にダメージを与えています
まず、不安の有病率をみると、OECD のペーパーによると、コロナ前後で、アメリカは、8.2%→30.8%と急上昇
イギリスも19.0%→39.0%と、倍以上に伸びています
フランスは、13.5%→26.7%と倍近くに上昇しています
調査方法が各国で異なったり、自分の精神状態について回答する姿勢が国によって違っていたりするため、各国間の直接比較は困難とされています
日本は、2020 年に10.9%となっています

つぎに、抑うつの有病率についてみてみましょう
コロナが人々に与えた精神的苦痛は大きく、アメリカは、6.6%→23.5%と急上昇
イギリスも、9.7%→19.2%と、倍以上に伸びています
フランスも、10.0%→19.9%とほぼ倍増しています
日本も、7.9%→17.3%と、コロナ前後で、倍以上に上昇しています

カナダ、フランス、ニュージーランド、オランダ、イギリス、アメリカでは、昨年1 年を通じて、精神的苦痛のレベルを定期的に測定しました
これらの国では、不安や抑うつの有病率に波がみられたといいます
具体的には、2020 年3 月中旬~4 月上旬に最も高く、その後6~7 月ごろにいったん低下し、9月以降再び上昇しました
この有病率の波には、ヨーロッパ各国間で類似する傾向がみられました
OECD のペーパーによると、精神的苦痛のもととなる、コロナ感染による死亡者数の増加と、ロックダウンなどの感染症封じ込め政策の厳格さの両方に、かなりの相関関係があることが示されたといいます
さらに、OECD のペーパーでは、いくつかの分析が行われています
1 つは、就業状況と有病率の関係
コロナ禍でも雇用が維持された人は、失業した人よりも、不安や抑うつの有病率が低かったといいます
フランスでとられた雇用維持政策を例にとって分析をすることで、こうした政策が、精神衛生面への影響を緩和したことを示唆しています
もう1 つは、年代や性別の違いに伴う有病率の差異
一般に、不安や抑うつにさいなまれるのは若年者や女性ほど多い傾向があります
コロナ禍は、その傾向を助長しており、若年者や女性ほど、心の健康に大きな影響を受けているといいます
これまで、コロナに関しては、感染の抑制策とともに、ウイルス感染の仕組みや病態、ワクチンや治療薬の有効性など、疫学・病理学や薬学面の研究が進められてきました
今後は、今回みていったような、コロナが精神疾患に与える影響についても、世界中で研究が進んでいくものと考えられます
コロナを正しく恐れるためには、そうした研究の成果を、注意して見ていく必要があると思われます
「ニッセイ基礎研究所「研究員の眼」の報告より一部改変」
【 辛抱が肝心だ
この世を去るのは
生れ出てくるときと同じ
そうなる時がやがてくる 】
― William Shakespeare ―
― ウィリアム・シェイクスピア ―
( イングランドの劇作家、詩人 )
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
〒358-0055
埼玉県入間市大字新光211-1
◆Tel&Fax 04-2968-8941
◆ ホームページアドレス
http://www6.plala.or.jp/yasu-A-M-B/
◆メールアドレス
yasu-a-m-b@amail.plala.or.jp
↑(病気や怪我などについてご質問のある方はこのアドレスにメールを下さい)
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海外では、コロナに伴う不安や抑うつの増加に注目が集まっています
5 月には、経済協力開発機構(OECD)が、各国の状況をまとめたペーパー(以下、「OECD のペーパー」)を公表しました
その内容をもとに、新型コロナが心の健康に与えている影響について、考えてみたいと思います
新型コロナのパンデミック発生以降、大きく3 つの面から、人々は精神的苦痛にさらされる可能性があると整理できます
1 つめは、感染そのものが引き起こす恐怖や不安
感染して重症化し死に至ることに対する恐怖、感染したときに医療を受けられるのかという不安、感染が周囲に知られて差別されるのではないかという不安、などが含まれます
2 つめは、ウイルスの拡大に伴って環境が変化したことで生じる問題
拡大防止のための外出自粛や行動制限から生じるストレス、失業などの経済的打撃がもたらす抑うつや自殺、在宅の増加から生じる家庭内の暴力や虐待、ネット依存の高まり、高齢者の認知機能の衰え、などが該当します
3 つめは、メディア、ネット、SNS 等からの情報が引き起こす問題
テレビの情報番組等がもたらす不信と混乱
ネット上での衛生用品や生活用品の不足を煽るデマ、SNS での感染した人に対する差別や誹謗中傷、などが含まれます
こうした、精神的苦痛は、各国で、心の健康にダメージを与えています
まず、不安の有病率をみると、OECD のペーパーによると、コロナ前後で、アメリカは、8.2%→30.8%と急上昇
イギリスも19.0%→39.0%と、倍以上に伸びています
フランスは、13.5%→26.7%と倍近くに上昇しています
調査方法が各国で異なったり、自分の精神状態について回答する姿勢が国によって違っていたりするため、各国間の直接比較は困難とされています
日本は、2020 年に10.9%となっています

つぎに、抑うつの有病率についてみてみましょう
コロナが人々に与えた精神的苦痛は大きく、アメリカは、6.6%→23.5%と急上昇
イギリスも、9.7%→19.2%と、倍以上に伸びています
フランスも、10.0%→19.9%とほぼ倍増しています
日本も、7.9%→17.3%と、コロナ前後で、倍以上に上昇しています

カナダ、フランス、ニュージーランド、オランダ、イギリス、アメリカでは、昨年1 年を通じて、精神的苦痛のレベルを定期的に測定しました
これらの国では、不安や抑うつの有病率に波がみられたといいます
具体的には、2020 年3 月中旬~4 月上旬に最も高く、その後6~7 月ごろにいったん低下し、9月以降再び上昇しました
この有病率の波には、ヨーロッパ各国間で類似する傾向がみられました
OECD のペーパーによると、精神的苦痛のもととなる、コロナ感染による死亡者数の増加と、ロックダウンなどの感染症封じ込め政策の厳格さの両方に、かなりの相関関係があることが示されたといいます
さらに、OECD のペーパーでは、いくつかの分析が行われています
1 つは、就業状況と有病率の関係
コロナ禍でも雇用が維持された人は、失業した人よりも、不安や抑うつの有病率が低かったといいます
フランスでとられた雇用維持政策を例にとって分析をすることで、こうした政策が、精神衛生面への影響を緩和したことを示唆しています
もう1 つは、年代や性別の違いに伴う有病率の差異
一般に、不安や抑うつにさいなまれるのは若年者や女性ほど多い傾向があります
コロナ禍は、その傾向を助長しており、若年者や女性ほど、心の健康に大きな影響を受けているといいます
これまで、コロナに関しては、感染の抑制策とともに、ウイルス感染の仕組みや病態、ワクチンや治療薬の有効性など、疫学・病理学や薬学面の研究が進められてきました
今後は、今回みていったような、コロナが精神疾患に与える影響についても、世界中で研究が進んでいくものと考えられます
コロナを正しく恐れるためには、そうした研究の成果を、注意して見ていく必要があると思われます
「ニッセイ基礎研究所「研究員の眼」の報告より一部改変」
【 辛抱が肝心だ
この世を去るのは
生れ出てくるときと同じ
そうなる時がやがてくる 】
― William Shakespeare ―
― ウィリアム・シェイクスピア ―
( イングランドの劇作家、詩人 )
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