やすとみせんせいの気保養記

日常診療や院の取り組みなどを紹介していきます!(^^)!

かかとの痛み

2020年07月22日 | 症例
今回は、かかとの痛みの原因の1つである踵骨骨端症「シーバー病」についてご紹介します

インターネットで検索すると、数多くの整形外科や整骨院などで紹介されていますので、あまり細かいことはそちらにお任せします

現在、お世話になっているラグビースクールでも年間10%くらいの生徒が罹患して、アドバイスをしている障害です

当院に来たスクールの生徒の1人のレントゲン写真です

この生徒の場合は、レントゲン上の問題はありませんでした

赤い丸の骨が踵骨(しょうこつ)です

骨が離れているように見えますが、黒い線のところが成長軟骨で大人になるとなくなります

痛みが出るのはその周囲です

理由は様々ですが、筋肉の柔軟性、グラウンドの状況、シューズの問題、オーバーワーク(走り過ぎ)などが原因として挙げられます

踵(かかと)の成長軟骨である骨端核が存在するような年齢の時に繰り返される踵部分でのストレスが、この疾患が発生する原因だといわれています

もともと、軟骨成分の多い子供の骨は衝撃にも弱く、腱による強力なけん引力がかかると軟骨部分では容易に骨がはがれてしまいます

膝においてはオスグッド病がよく聞かれますが、それとよく似た病態だと考えていただくと、わかりやすいかと思います

上の図は踵骨骨端症が発症すると考えられる原因をいくつか取り上げました

一回の外傷によって発症することは少なく、明らかな原因が無い中で、運動中に痛みを訴えることが多いようです

しばらく様子を見ていますが、痛くて踵をつけることができないような状態になることもあります

やはり、運動によるアキレス腱の張力と、繰り返される踵への衝撃が発症する原因であると考えられます

また、アップシューズで練習しているときはさほどでもないのですが、スパイクを使用中には特に突き上げによる痛みで、さらに痛みが増強するという特徴もあります

治療としては、一時的に運動や体育を控えて様子を見ることで、痛みは楽になってきます

ですので、将来的にスポーツができなくなるなどといった心配はありません

治療法としては、オスグッド病と同様、ストレッチでふくらはぎや足の裏の筋肉をほぐすことが重要です

また、踵への衝撃を和らげる目的でヒールパッドのような衝撃吸収材を用いることもお勧めです

多くのシーバー病の子は、重心が踵に行き過ぎている傾向もあり、浮き趾(足のゆびが浮いている)になっている子も多く見られます

そのような場合には、重心移動を含めた姿勢の矯正や足のゆびを使う練習も有効になります

大切な事は、痛みがある時は我慢をせずに適切な診断の元、適切な治療を受ける事です

どんな治療法がその子に合っているのか分かりませんが、積極的な治療を行うことをお勧めします

そして、1日も早くスポーツが出来るように、思いっきり遊べるようになることを願います


【 日本にいる子供たちよ。
君たちは今人生で最も幸せな時間にいる。
経済的に価値のある人材となるための勉強ばかりして、
早く大人になろうと急がないで。
遊んで、遊んで、子どもでいる幸せを味わっておくれ。 】

― ホセ・アルベルト・ムヒカ・コルダーノ ―
― José Alberto Mujica Cordano ―

(ウルグアイの第40代大統領)

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