やっぱり本が好き@ミステリ

日頃読んだ本の感想・日常の生活など

悼む人 天童荒太

2009-01-30 15:45:12 | Weblog
週刊誌記者・蒔野が北海道で出会った坂築静人(さかつき・しずと)は、新聞の死亡記事を見て、亡くなった人を亡くなった場所で「悼む」ために、全国を放浪している男だった。
人を信じることが出来ない蒔野は、静人の化けの皮を剥(は)ごうと、彼の身辺を調べ始める。
やがて静人は、夫殺しの罪を償い出所したばかりの奈義倖世と出会い、2人は行動を共にする。
その頃、静人の母・巡子は末期癌を患い、静人の妹・美汐は別れた恋人の子供を身籠っていた――。
静人を中心に、善と悪、愛と憎しみ、生と死が渦巻く人間たちのドラマが繰り広げられる。

「ぼくは、亡くなった人を、ほかの人とは代えられない唯一の存在として覚えておきたいんです」と、〈悼む人〉となった静人は言う。
「誰に愛されていたでしょうか。誰を愛していたでしょう。どんなことをして、人に感謝されたことがあったでしょうか」と、亡くなった人について尋ねつづける。


静人。

この名前が妙に合う。
たくさんの本を読んでいると内容は覚えていても名前までは・・・。
というのがほとんど。
多分この名前・静人はわすれることはないだろう。

この本を読んで考えさせられたことがたくさんある。

自分は誰に愛されていたのか?
誰を愛していたのか?
どんなことをして人に感謝されたのか?

殺人事件の被害者と加害者の報道について。

家族愛について。

人の死について。

など・・・。

たくさんの人に読んでもらいたいです。