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この夏、成績上昇のきっかけをつかもう

2022年07月01日 | 夏休みの過ごし方

勉強しているのに成績があがらない、

勉強のやり方を理解していない、

勉強の集中力が続かない、

基礎はできても応用力がついてこない。

 

これらの問題は積み上げ科目である

(算数)数学や国語・英語における

共通の課題です。

 

では、その問題をたちどころに解決してくれる

魔法の杖があるかというと、残念ながら

ありません。

 

 

短期間で成績が上がった!という文句には

興味を惹かれると思いますが、正直なところ、

数週間やそこらで学力を一気に上げるというのは

なかなか難しいことです。

学力というのは数年単位に渡ってコツコツと

つみあげていくものですし、正しい学習の習慣を

身につけることが結局は遠回りのようであっても

それが一番の近道です。

 

ただ短期であっても、成績向上のための

きっかけを作ることはできると思います。

 

これは2,3年前塾でお受けした

生徒の実話です。

彼は近附の中等部の生徒だったのですが、

私の知り合いの塾の先生から連絡があったときは、

すでに中等部の6年になっていました。

 

矢野先生に相談に乗ってもらいたい

生徒がいるという連絡が入ったのです。

現在近附に通っているが、

近附の内部推薦が取れないかもしれない。

 

英語ができないので内部推薦が通らない。

なんとか見てほしいという

内容でした。お世話になっている先生の

申し出を無碍に断ることはできません。

 

3年生の10月過ぎくらいだったでしょうか。

普通なら、絶対にお断りするケースです。

なんとセンター模試の英語が

200点満点中の50点しかとれないと

いうことでした。

 

センター試験(現在は共通テスト)の

英語の全国の平均点はだいたい120点くらいです。

それが50点というのは、彼の成績は

基礎がまったくついていない点数です。

 

 

一体この6年間彼は学校で

何を教わっていたのだろう・・・。

と私の心なかで疑問符がぐるぐる

回っていました。

彼が中1からどんなふうに英語の勉強を

続けてきたのか尋ねることにしました。

 

彼は次のように説明しました。

中1のときはまだ点数はマシだったのだけど、

中2くらいから突然点数が悪くなり、

やる気が出ずにズルズルと勉強しなくなって

しまったということでした。

 

何度も学校の面談で

英語をしっかりやりなさいと言われたけど、

ずるずるとここまで来てしまったというのです。

 

何度か塾に行ってみたりして、数学は

やり方も分かり成績は上がったのですが、

英語の成績はまったく上がった試しがない。

そういう話でした。

 

私はまず彼にボキャブラリーチェック、

文法力チェック、長文読解力チェックを

しました。

 

すると、案の定高校のボキャブラリーが

全く入っていませんでした。

単語がそんなレベルですから、

あとは推して知るべしです。

 

とにかく一刻も猶予がならないので、

塾に来る回数を決めました。

成績を上げるための期間は3ヶ月しかありません。

 

近附の中での定期テストと実力テストで

一定以上の点を取らないと、

内部推薦に合格できないのは必定だったのです。

 

とにかく、3ヶ月でなんとか結果を出す。

そのために私の言うことを徹底的に実行する

ことを約束させました。

 

それから、近附の授業が終わったら、自転車で

私の塾に直行して3時間みっちりと指導を

受けます。

 

それをとにかく繰り返すのです。

結果ですか? もちろん内部推薦は合格!

さらに、お釣りが来ました。

 

年を越して、センター試験を受けたのですが、

当日は自己最高の128点を叩き出したのです。

いままで2割〜3割しか取れなかった生徒が

6割強取れたのです。

 

自己採点の結果を見てすぐに塾に連絡してくれました。

興奮した声で思った以上に点数が取れたと

喜んでいました。

 

確かに8割、9割取れる生徒からしたら

平凡な点数だけれども、3ヶ月前までは

まったく手の届かなかった点なのです。

 

彼がもし、1年前から来ていれば、

180点でも取れるだろうと思いました。

それぐらい短期で伸びました。

 

勉強への取り組みについて、ちょっと

お話します。

実のところ最初はギクシャクしていました。

まずは英単語の効果的な覚え方、文法を基礎から

確実に理解し、それを実際の英文の解釈で

利用する方法。

 

そういったノウハウを彼に伝授していきました。

これは教えるプロセスなので、

企業秘密でもなんでもありません。

英語が理解できるようになると、

とにかく彼は目の色が変わりました。

 

勉強にたいする取り組みはとても真剣でした。

最初はなんとか私の言う通りやっているだけでしたが、

徐々にに結果が出てくると勉強が面白くなってきたようです。

 

内部推薦の合格をもらったのはその後です。

その報告をもらったとき、意外な申し出を

受けました。

 

大学に行っても英語をもっとやりたいので、

ここで大学に行くまでぎりぎり3月末まで

勉強させてほしいと言ったのです。

 

もちろん私は快諾しました。

彼の目の輝きは、入塾当時の自信のないものとは

まったく違っていました。

 

それから、3月の終わりまで

大学に向けた英語を指導しました。

内部進学の合格からさらに3ヶ月みっちりと

大学の授業に対応できる英語力を

指導しました。

 

もうここまでくれば、彼は臆することなく

大学でやっていけると思いました。

 

たった数ヶ月ですが、

随分と表情も大人びた様子になりました。

純粋に努力することは、

 

人を変えるのだなと私は思いました。

勉強というのは、かならず

人を成長させてくれると思います。

 

私は彼を指導する中で、

私自身も学んだことがあります。

それは

「人は信念を持つと前へ前へと

進みたくなるもの」

 

目先の点数が悪くても

正しい勉強法を身につけるため

コツコツと頑張ると必ず成果が出ます。

それが今後の長い人生のなかで、

その人の背中を押してくれると

思います。

 


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