延岡というまちをアーカイブ化していくには。

延岡というまちについての記憶を考えていく。

日豊本線の線路一覧略図から。

2009-12-13 14:48:24 | 保存

Dsc_5814 蒸気機関車保存会関連で、"線路一覧略図"を頂いた。これは線路の配線や断面・区間を一つの図面にまとめたもので、蛇腹状の冊子になっている。

頂いたものは昭和32年に大分鉄道管理局が発行したもので、行橋駅から広瀬駅(現在の佐土原駅)までの区間が掲載されている。どうして宮崎駅までないかと言うと、広瀬駅までが大分管理局の南延岡保線区が管理した区間だからである。

実際に使用されていたものであるが、みると大変機能的につくられているものである事がわかる。地図としての縮尺は、横の長さが1/50,000、縦の長さが1/1,000という大変変形した縮図だが、冊子としてみる時これが丁度良い。

隧道(トンネル)や橋梁・踏切等の細かな名称や幅員、橋梁のスパン、基点である門司港の最低潮位を基準とした基準高からの高さ等が一目で理解出来る。

蒸気機関車にとって、勾配を把握する事は燃料消費量を的確に知る上で極めて重要であるが、これなんかは最も視覚的に把握しやすいようになっている。

Dsc_5815 例えば延岡駅-南延岡駅間をみてみると比較的フラットな勾配であるが、川中地区の須崎町の先端、五ヶ瀬川橋梁の部分が高くなっている。これは延岡駅を過ぎて幸町から五ヶ瀬川橋梁にかけてグランドレベル(GL:基盤となる地面の高さ)がぐぐっと下がって(要するに本来の地面と線路の高さが離れるようになる様子)部分的な高架になり、さらに川南地区の中島町で再びGLと線路が近づいている様子を表している。

さらによくみると、川北地区と川南地区とを比べた場合、後者の方がGLが若干高い位置にあるのがよくわかる。水害に対して線路が水を被らないようにする事が保線にとって大きい問題だが、土地の高さが高い方から川中→川南→川北という順になっている事実は、我々が日常生活をおくる上でもよく認識しておかなければならない問題だろう。

#川中地区のGLが高いのは、高橋元種あたりが城下町として整備した時代とかに盛り土した事実なんかがあるのだろうか?掘割の土とかで。そういえば確認した事なかったけど...。

Dsc_5816 ちなみに重岡-宗太郎-市棚駅間の勾配はものすごい。"なんだ、これ?"という感じ。

##あー、学生時代に測量士補の資格とっておけばよかった...(当時は今よりとりやすかったんです)。


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
測量士補ですか・・・ (ととろん)
2009-12-13 23:31:27
測量士補ですか・・・

今、試験を受けて合格するのは

とても難しいですね、ほんとに・・・

でも 水害のハザードマップ以外で

こんな資料が 手に入るのですね

たぶん、こんな図面があること自体

知っている人の方が 少ない

それだけ、貴重な資料といえますね

す・ご・い!!!!
返信する
>> ととろん さま (yamatosh)
2009-12-14 18:05:39
>> ととろん さま

当時は実務経験もゆるかったので、僕ら考古学系の学生でも受験可能で、先輩とかが在学中に取得していました。

僕もこれをみて、ハザードマップの事が浮かびました。

ある専門領域において通常活用されている情報というのは、読みこなせるようになるまでに訓練も必要ですが、一定の高い機能を帯びて実用本位でつくられているので、かなり有効な情報なのかもしれませんね。

そういえば、僕らも土層断面の記録なんか普通に採りますが、液状化した噴砂とか、時には活断層とかがありますよ。

専門領域の異なった分野で蓄積されてきた情報を統合出来るアーカイブが構築されていったら、さぞかし有効かもしれません。ある地域を限れば可能かもしれませんね。
返信する

コメントを投稿