延岡というまちをアーカイブ化していくには。

延岡というまちについての記憶を考えていく。

日本基層文化論叢という本に書いた。

2010-09-20 07:23:23 | 本と雑誌

Kisobunka 恩師椙山林継先生の古稀記念論集"日本基層文化論叢"(椙山林継先生古稀記念論集刊行会編 雄山閣出版 2010,08,31 ISBN 978-4-639-02147)に寄稿した。

先生は考古学・歴史学・神道学を専門とされ、幅広い知識と見識を持たれた方である。老若問わず、誰からも慕われる気さくな方であられる事から、執筆陣はとても広い分野、総勢で50人もの研究者になった。

全体でなんと650頁近くもある。これは編集大変だっただろうなと思いつつ、改めて先生のお人柄を思い知るのであった。

椙山先生の学問体系は、先生の師である大場磐雄博士の神道考古学であり、さらにはそれを発展させた祭祀考古学であるから、日本文化の基層を神道の基礎たる時代に求めている。そうした背景から、本論は次の5章で構成されている。

"第1章 基層文化の源流を求めて"では基層文化を構築するに至る、さらにベースである縄文・弥生時代の論考6編が掲載されている。

"第2章 神祇信仰の原点と古墳文化"では、カミに対する信仰のの基本が出来上がった古墳時代を対象とした18編と、本論集で最も多くの論文が掲載された。

"第3章 日本文化の形成と変容"は、現代まで繫がるカミへの祭祀が確立された古代以降の文献史と被る時代を対象としており、幅広い。特に神道学分野や民俗学分野の論考を中心にしている。

"第4章 現代における基層文化"は、現代社会おいてカミはどのように祭られているか、についての論考。社会学的分野とも重なった研究が含まれている。

"第5章 文化財の保存と活用を考える"は、文化財保存や博物館学分野の研究について。僕の文章"地域社会の再生という観点から電子化された博物館・図書館の資料の活用を考える"はここに含まれている。

特にこれまで実践してきて、学会や講演では何度も話してきた博物館・図書館資料の回想法への活用についてのテーマで、文章としてははじめてまとめてみた。ただ、上記の様に執筆者が多い為、一人ひとりの分量は少ないのでダイジェスト版的な所はある。

興味ある方はご一読を。

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