山少年の山日記

いつまで経っても山男になれないオイラです

暖冬とは無縁の吹雪く西穂山荘周辺トレッキング

2007年02月14日 | Weblog

早春の上高地スノートレッキングを今年もドクターから誘われた。確かに何度でも行きたくなるような素晴らしい上高地だが「平地のスノートレッキング」さすが3度目となるとチョットと、返事を暫く渋っていたら「もう秋田県?何処か他にいいところがありますか?」ってメールが届く。 
思い切って未踏のこの西穂山荘周辺トレッキングを提案した。(昨年暮れに知人からの単独登山レポートを見ていて安心できそうな雪山コースだ。
山荘に電話で聞くと素人でも小屋周辺なら心配なし、との返事をもらっていた。)

即 ドクターも仲間も大賛成! 他に一緒に行けそうな仲間を誘ってみたが皆さん塞がっていて何時ものドクター仲間3人とオイラで4人になった。少し淋しいな~っと思っていたらドクターからドクターの学友、山友である岡山在住のハンドルネーム”独活(ウド)さん”が参加!とメールが届く。ラッキー!彼の事は以前から”鉄人山男”とドクターが絶賛していてK2登頂経験者を仲間に持つ「本格山男」と聞いていた。山男に憧れるオイラにとってこの上ないチャンスだ!。

今回の西穂山荘周辺はオイラは未踏 まして真冬のこの時期 心強い仲間の登場だ。
その上 独活さんも整形外科医だそうだ。整形外科医二人が同行とはこの上ない安心登山だ!

と  き  2007.2.10~12
メンバー  5名(男3女2)
天  候  10日:曇り 11日:吹雪 12日:曇り後晴れ
交通手段  グランビア号 (独活号とは新穂高で合流)
京田辺発 12:00→京滋バイパス→名神→東海北陸道→高山→平湯→新穂高温泉
 
    暖冬の東海北陸道 やっと「ひるがの高原」辺りで雪景色に歓声があがる   14:55


     新穂高温泉「カントリーハウスつくしんぼ」飛騨牛のステーキ鍋に舌鼓を打つ!  18:31


         囲炉裏には「岩魚」の塩焼きが...       18:33


    11日朝 昨夜化粧直しした雪景色を眺めながら...        6:47


    11日朝 独活さんと「つくしんぼ」で合流 {初めまして、 よろしく!}    8:41
 聞きしに勝る身長180cmと凄い体格の 頼もしい山男 並んだら正にオイラは山少年だ。
    メンバー紹介(左から 山少年 ドクター みっちゃん わかちゃん 独活(ウド)さん) 
    
                  11:40      
                      
ロープウェーをふたつ乗り継いで着いたところは観光客ばかりの西穂高口駅周辺 登山者は
一握りだ。いよいよ雪山登山にかかる。あいにくの曇り空 足元は踏み絞められて潜る心配なし
だが、急な傾斜があって10本爪のアイゼンが重宝だ(だったねえ10本爪同士のわかちゃん!)。
雪山は初めてと仰る独活さんは新調のスノーシューで急登傾斜も見事にクリアー
さすがにハイパワーだ!                        

雪道にもかかわらず標準コースタイムより少し時間は要しただけで西穂山荘に着く
チェックインを済ませ一先ず部屋に落ち着く ちょうど5人部屋だった。
ゆったり寝れる広さなんだが、、トイレの匂いが鼻につくのが最大の難点だ。
外は吹雪いていたが小屋周辺を散策することに、出来れば丸山辺りまで行くつもりで
ザックを背負ってトレッキングを始める。息をすることも出来ないほどの吹雪だ。


小屋からすぐに吹き溜まりのズッポリか、吹きさらしのアイスバーンの急登坂だ。その坂の途中で
後ろからすごい早足で登って来る若者がいた。
彼の足元を見て改めて驚いた。彼はアイゼン無しだ。彼は気さくに登りかたを教えてくれる。

アンカーの独活さんのアイゼンが外れたのだ!。なかなか直せず、それをドクターも手伝っているが、
うまくゆかない 靴とアイゼンの相性が合いにくいタイプのようで付け難く外れ易いみたいだ。
あり難い事にその若者が一気に駆け下り手伝ってくれた。

そしてその若者が同行してくれることになった。
吹雪は止まない、息苦しさとゴーグル無しでは方向も分からない位だ。


若者が「雷鳥です!」と指差してくれた。真っ白の背景に真っ白の雷鳥が急ぎ足で
テクテク歩いていた。雷鳥は何度も見たが純白は初めてだ。(独活さん写真提供)


せめて丸山まではと、思っていたが風は止まない、若者は今日はここまでで引き返しましょう!
と諦めさせてくれた。明日又来るからと引き返すことにした。
小屋へ帰ると独標への登ったグループが強風で歩けなくなり119番に携帯を入れ
この小屋の店員さんが迎えに行き無事帰って来れたと喜んでいたそうだ。


小屋でさっきお世話になった若者と歓談 名刺交換 彼は春日井市の人で今日は団体さんを
二組ガイドされてるそうだ。さすが山には詳しいはずだ、特に八ヶ岳が専門だとか。


夕食後消灯真近まで食堂で楽しく団欒 独活さんの美味しい(からすみ、オールドパー)差し入れと
遠慮してボリュームを絞ったクラシック音楽♪ 独活さん、ドクターのクラシック好きには驚いた!。
オイラの知り合いにはクラシック♪わかるのは唯一 ハマちゃんだけだと思わず皆に語った。
(演歌は仰山いるんやが…)

夜通し雨戸はガタゴト、外はひゅーひゅーと賑やかだった。


12日朝 小屋の気象テレビは昼前からは晴れる予報だ! 外の天気は昨日よりは良くなっているが
未だ晴れそうに無いので独標は諦め、せめて丸山まではとザックを置いて空荷で出かけることに。

朝のうちは吹雪いていたが今は雪は少なく風だけになった。昨日のことを思えば楽なもん!

                                ,           独標に人影が         9:06

目的の丸山はピークではなく稜線上にあって通り過ぎそうなところだった。ガスが切れ始めた
目前は少し鞍になってその向こうに楽しそうな登りの裾が見えた!最初はそれが丸山かと勘違いした。ガスが切れ上のほうまで姿をあらわした時それが独標と分かった。
後からやってきた見るからに山男装束(手にはピッケル背にはスノーシュ)の若者が独標を眺め今日はここまで!と引き返す様子だった。我々は丸山で引き返す予定でザックを小屋に置いてきて無装備だが彼の姿をみて人事ながら惜しい気がして「ピッケルが泣いてるよ」なんてつい口に出てしまった。そしてあ~登ってみたいな~と!

       独標の登山者を拡大


                  独標バックに!           9:12


                            9:22 


                 小屋へ戻る      9:27 
























 無事下山  やっと青空が見え出した  ロープウエー駅展望台    13:13

初めての西穂山荘の旅 暖冬で雪が心配だったが新雪で迎えてくれて今年も雪を堪能できた。
そして岡山の「独活さん」と仲間になれたこと、春日井市のお兄さんとも知り合えて
いい山行きが出来ました。感謝感謝です。ありがとうございました。


追記
展望台で西穂の西斜面を警察ヘリが飛び回っていたのを見た。帰宅後遭難者が救護された事を知った。
ニュース記事より
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24時:西穂で遭難の男性救助、軽い凍傷--高山 /岐阜
 12日午後3時ごろ、高山市奥飛騨温泉郷神坂の西穂高岳ピラミッドピーク(2750メートル)付近で、救助を要請していた横浜市鶴見区、運転手、小山田成芳さん(55)を県警のヘリが発見、救助した。小山田さんは凍傷などの軽傷。

 高山署の調べでは、小山田さんは11日午後2時ごろ、一人で登山中、ガスで視界が悪くなり、稜線(りょうせん)から約200メートル滑落。12日午前7時ごろに2回、「救助に来てください」「西穂で遭難」と携帯電話で119番通報した。県警山岳警備隊と北飛山岳救助隊が捜索していた。

毎日新聞 2007年2月14日

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11日の事もやっぱりニュースになっていた。


24時:北アルプスで男女4人を救助--高山 /岐阜
 11日午後0時5分ごろ、高山市奥飛騨温泉郷神坂の北アルプス西穂高岳独標(標高2701メートル)付近で下山中の登山者4人が「吹雪で行動不能になった」と携帯電話で高山署へ救助を求めた。

 同署の調べでは、救助を求めたのは関市の60代の男女2人と神奈川・静岡県の50代の女性2人。西穂山荘の従業員2人が救助に向かい、午後1時50分ごろ4人を救助して同山荘まで下山した。4人にけがはないという。

毎日新聞 2007年2月12日

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