
20190601
この記事の前半はこちら。まず前半の記事をお読みください。
本には仮説として書かれています。
外葉はアオムシに食べてもらうための葉ではないか、アオムシは葉を食べると当然糞をします。ムシの糞にはリン酸が含まれ、これは植物(キャベツ)が成長するうえで必要な成分ですが、植物では生成できません。ムシの糞がキャベツの株元に落ちることになります。つまりアオムシに外葉を食べさせて生長必要成分のリン酸を落としてもらっているのではないか。
窒素・リン酸・カリを含む8・8・8の肥料などのない、ずっと昔にもアブラナ科の植物はアオムシと共生というか、お互い持ちつ持たれつ関係にあったのではないか。どうでしょうか皆さん、頷けませんか?
そこで本では、外葉はアオムシの食べ放題に、生殖成長(トウ立ち)に重要なキャベツの固い玉部分は生長点を食害から守り、2種類の葉はそれぞれが生長と生殖の役割を担っている。と説を展開します。
栽培者はキャベツにアオムシを見つけると普通アオムシを取ります。しかしアオムシが葉にいなくなるとアオムシは次々と孵化するそうです。ならばとアオムシを放置(増えるだけ増やす)する(栽培者はゾッとしてしまいますが)とアオムシは仲間の卵まで食べそのうちキャベツから居なくなるのだそうです。自然の摂理で本は「すごい生態だ」と云います。取るから増える、取らねばある程度で個体数が制限される。
こういうことから筆者はキャベツのアオムシ対策を変更します。私達が食べる玉部分にいるアオムシは取り除くが、食べない外葉にいるアオムシは放置する。これまでは全てのアオムシを除去していた時に比べると手間はずっと少なく、アオムシに対しても寛容になります。
鳥などもそうでしょうが、カエルはアオムシの天敵だそうです。カエルが畑にいれば適正な数に保たれるのでしょうが、私の畑も含め田圃や水辺が近くにないので畑ではまずカエルは見掛けません。だから放置すると天敵の少ないアオムシも増え放題、これも面白い話です。
こういった話を聞くと私も試したくなるのですが、キャベツは今防虫ネットの中です。また機会があればとても試してみたい話です。
生長中のキャベツにモンシロチョウが寄ってくると私達は「また卵を産みつけられる」とつい追い払おうとします。しかしこの本によれば、チョウが卵を産み付けるのは苗が小さい時だと云います。その時期にチョウが寄り付かないように寒冷紗で覆ってしまえばアオムシの卵の数自体をとても少なくすることができるそうです。そして本はこう締めくくります。
「アブラナ科の野菜苗は孤立させてはいけない」。草のない畑にポツンと苗があればムシ達の恰好な餌。春菊・レタス・ネギなどと一緒に育てて、畝の上は枯草を敷いて土は裸にしないと。 この辺りはたんじゅん農でもよく云われるし、私も以前から心がけています。そうすれば多くのムシの居場所ができて牽制し合い苗が全滅するようなことはないと。
偉大なり「自然のバランス」
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