
20161212
たんじゅん米作りでは、収穫を終えた秋から春にする作業が田の仕事とよく云われます。春に田植えが終了してしまうとほとんどすることがありません。だから米作りで大変なのは”今でしょう!”となるわけです。
と冗談を云っている場合ではなく、早く田起こしをしたいと関係者は皆そう思っていたのです。しかしなかなかタイミングに恵まれませんでした。原因の一つは雨、しばらく天気が続いた後いいタイミングでいつも雨に降られました。またオーナーのSさんの不在がちなスケジュールもあるでしょうね。全国を飛び歩いていますから。私はお付き合いをさせてもらって分かったことですが、各地の交流会がありますが、その大半に参加されますが、交流会以外にもまあよく出掛けられること、出掛けられること。飼い猫が居ますが、留守が1週間も続くと三度三度食事をもらえるお宅に家出してしまうのではないかと心配してしまうほどお留守も多い。特に今年のように雨が多かった年はなかなか田起こしができません。こうなるとオーナー不在でも関係者で田起こしができる仕組みも、ここの田圃には必要かもしれません。
なぜこんな時期に田起こしをするか。それは田植え以降の田圃の水を発酵型にするためだといいます。
肥料を使う慣行型の稲作では、肥料を入れてしまうと窒素分を田圃に入れてしまうことになります。窒素分が加えられると勢い窒素過多状態に陥り、雑草や病害虫被害の温床となります。たんじゅん米作りはこういった(腐敗状態の)水にならないように、病害虫の被害に遭わないように水を発酵型にするのです。肥料入れない、農薬使わない、除草もしない田圃にします。この考え方はたんじゅん農の畑と一緒です。
秋の田圃には、コンバインで稲刈りをした時に出てくる裁断された藁(わら)や稲株が残っています。12月に入ってしまうと稲切り株からは次の稲が出てきています。これを炭素資材・微生物のエサとして食べてもらうために田んぼの土と混ぜる作業、いわゆる田起こしをしたのです。
たんじゅん稲作のマニュアルには、余り深くかき混ぜないとあります。それは土深く炭素資材を入れてしまうと微生物(好気性菌)いない場所に資材を埋めてしまうことになるのでよくない。かき混ぜるにしても深さ10cmとある。
しかし今年秋に収穫後、反省会をした際に、我々のトラクターは通常のロータリーではなくハーローであったにもかかわらず10cmに気を遣いすぎて、ほとんどかき混ぜる(土に混ぜ込む)ことができなかったとの見解になった。そのために意識的に深めにかき混ぜたつもりだったのですが、Sさんからは上を撫でているだけとか、深すぎてトラクターに負荷がかかりすぎるとか指摘され、どうも混乱し、納得がいかない状態でトラクターを動かす事になった。
しかし結果、西から1枚目の田んぼでは浅め、2枚目は深め、3枚目はトラクターのハーローの深さ目盛りで2~3と3種類の深さで田起こししたことになった。どの田んぼの水が一番発酵状態で管理できるかが楽しみ。
初めてトラクターで試行錯誤の中でした田起こし後の田圃(一番西の田)。深さも場所によりマチマチ状態。
でも今回を含めて田起こしは3回行うことになる。3回の田起こしを通じて、春先の代掻きの頃には藁など炭素資材の食べ残しがない状態になっていることが目標なので、今回の田起こしの深さだけでは発酵状態の水にすることができるかどうかは疑問です。
私にとっては初めての田起こしなので、1回目田起こしの結果、田圃に残る藁などの消化状況を時々確認してみたいと思っています。
この秋からはSさんから分けてもらった米を自宅で食べています。白米に精米せず、玄米ごはんで食べているので無農薬は有難いし、大切な栄養分も糠などで捨てることなく全て食べるので、無農薬・無化学肥料のたんじゅん米はとても有難いのです。
トラクターが入る前の田圃と終了後の田圃の比較
作業前(1枚終えた10時過ぎ)
終了後(16時前)
約0.5haを昼休み含め6時間で田起こし終了。
同じ田圃でも作業前(右)と作業後(左)の比較
作業後の田圃の様子