
20180210
1月に参加した自然農講演会(その際のブログはこちら)で講師の一人だった福津農園松沢さんの文章を読む機会があった。見出し画像は自然農法国際研究センターの「自然農法」vol.76という冊子だ。多くの部分で共鳴できる記載がある。
松沢さんは愛知県新城市中宇利の畑の話をされている。静岡・愛知県境にある宇利トンネルの近くのようだ、親近感を感じる。松沢さんの6pにわたる文章の中で特に共感したのは後半の「不耕起」に関する部分でした。そうだったのか。そういう見方もあるのかという内容でした。もちろん人の云う事は仮説だ(たんじゅん農)という前提で。
ご自身の急斜面の畑を耕さなくなって、たまたま不耕起の予想以上の不耕起メリットに気付かれたという。まず気付く事が素晴らしい事だ。山間地急斜面環境であるという前提(自分の畑とは違う)でも味わい深い。
この部分で頷いてしまった場所は「不耕起で秋冬野菜を直播すると、実にうまく生え育ち、省エネ、省時間、低コストで美味しくなる」という一文だった。後ろの部分でも「自然界では窒素は成長の早い作物には不足しがち」「成長の早い作物に窒素肥料は効果てきめんで百姓はその虜になる」と書いている。フムフム、なるほどそいうことかと思うのです。たんじゅん農では与え過ぎ過保護にしがちなところを戒める意味もあるのでしょう、窒素を嫌います。
一方で慣行農では栽培期間の短い葉物などの作物は成長のためのタンパク質が必要で窒素が不足気味になりやすい。そこに窒素を無機状態で与えれば棚からぼた餅でグングン生長するのでしょう。特に夏は作物も草も生長が激しい時期であり、肥料(窒素)のあるなしは大きく違ってくるのは容易に想像できる。それは見た目での野菜の生長で、味は薄くあっさりした野菜になる。作物自体の気力というかエネルギーというか、本来の野菜の良さも薄い作物になってしまう。
成長速度が遅くなる秋冬野菜のよな、適正に”じっくり”育った作物は「窒素過多にはならないし、他の栄養分はバランスよくなり、健康で病気になり難く虫害も減り、食品としての味も良くなる」いいことずくめだ。「結果として生産コストは安くなり、消費者に好まれる野菜・食べ物になる」
たんじゅん農では云わないが「多肥で品種特性を発揮する作物には平飼鶏糞やボカシ費も効果があるが施肥量の目安は大切」と書いている。このあたりは今の自分には”目から鱗”だ。なるほど、そうか!
たんじゅん農に軸足を置きつつも、それを絶対視せず、自分の畑の状況に合わせて、いろいろな知見を参考にする必要性を感じているところです。
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