20180215-2
昨年夏は暑かった。その事を忘れさせてしまうほど、今年は寒い冬になっている。北国では大雪で昭和56年以来とか40年ぶりとかという話を聞く。
暑い年も寒い年もある。しかし早い・遅いはあるが、梅は咲き、桜も咲き、鶯は啼き、牡丹が咲く。作物を考えた時に、この花が咲く頃になったら種を播くとよく育つ。山の残雪がウサギの形に見えるようになったらこの農作業を。そういった昔から農家で云われていた伝承のような話や教えが伝わっている。
こういう話は、基本的に暦の〇月〇日にというの話は少ない。鳥や動物、花や植物、更には自然現象が目安になる事が多い。農作業で人が働きかける作業(播種、定植など)はタイミングが大切であることは皆さんよくご存じだ。
種袋には播種時期や定植時期を「寒冷地」「温暖地」「暖地」というような色分けで作型として記載している。しかしこれも目安であることもよくご承知だ。
例えば、上の画像(以前当ブログで使用した画像)のように、この時期に毎日「浴光催芽」しているジャガイモについては、種芋の植付け時期について「地温が10℃になる頃に」とある。種苗会社がそう書いているのだから、ここにはそれなりの根拠があるのだろうと考えられる。しかし9℃では芽が伸びていかないかというとそういう訳でもない。多少時間が余計にかかるが発芽は続くのだ。それがない頃には篤農家と云われる人たちが「昔の人の言い伝えで」として種まき適期を云い伝えてきた。それはカレンダーではなく、自然現象を一つの目安にしてきたと思われる。従って寒い年や暖かい年ではカレンダーの作業日は年によってずれることになる。
今回、ジャガイモの植付け時期を検討していておもしろい事に気付かされたのです。それが「地温」という概念です。
地下10~15mとなると地温は年中ほとんど変化しません。井戸水が夏は冷たく、冬は暖かい。だいたい15℃前後で1年を通してあまり変化しないらしい。
ところが地表近くの地温は変化する。そして大気の温度(気温)は地温の変化に伴って変化する。これは小学生の問題だそうで、中学の入試問題によく出るのだそうです。
つまり、太陽熱で地温が上昇・下降し、地温変化のより気温が上昇・下降する。大気が地温の影響を受けて温度(気温)が上がったり下がったりする。気温は太陽熱の強さの直接的影響ではなく地温を介して影響を受ける。
天気の影響がなければ、太陽の位置により日光の強さが変わり、南中の時に最も強い光が射す。地温は午後1時頃、つまり太陽の熱が下がり始める頃に最も高くなる。更に気温は地温が下がり始める午後2時頃にピークとなる。夏の打ち水の効果や地面の多くを舗装された都市部の気温上昇などの現象はこの道理が判れば納得できる。
畑ではジャガイモを植付け時期として適当だという「地温10℃」は工夫次第で可能となる。その一つが「黒マルチで覆う」ことです。黒マルチで覆うことで太陽熱を効率よく地温上昇に利用する事ができます。早めの植付けをする必要がある時にはマルチで覆っていつもより早めに地温をあげることは可能です。他にも地温をあげる方法があるかもしれません。そこは農家各自の工夫だし、農家のおもしろいところでしょう。
今回、三角畝で栽培を試しますが、三角の2辺はそれぞれ45cmで、高さは35cmほどです。うまく使えば巾90cmのマルチで間に合いそうですね。マルチを使用して地温を早めに10℃にまで上がるようにします。
それは今年の気温がなかなか上がらないような状態であり、それは地温が平年のようには上がっていない事を意味しているからです。芽の出た種イモが畑の植付けても地温が5~6℃では芽の勢いが止まってしまいます。
3℃まで下がってしまったら、ジャガイモを芽が出ないように保管貯蔵する際の温度です。6℃になるとやっと芽が動き始める温度と云われています。
ここからは私の仮説ですが、黒マルチを被せたうえで、最低地温が6℃を越えて、更に平均地温が10℃を越える頃に植付けをすべきではないかと思います。ジャガイモの芽の出方と地温の様子を見ながら定植時期を判断していく事にしましょう。